大山奈々子
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種苗法改正ストップの陳情審査は?保安林・津久農場・Pfos

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ご報告が遅れましたが、10月7日は全常任委員会がありました。うちの議会には常任委員会の最後に議案への態度も含めて意見をまとめて発表するという場があります。(こういうやり方はめずらしいそうですが)私は質問時間が短かったので、実質的には質問時間に入れたかった中身をここで発表しました。

20201007 意見発表 環境農政委員会

共産党議員団として当常任委員会に付託された諸議案他について意見を述べます。

平塚市龍城ヶ丘の保安林指定についてです。平塚市は2019年龍城ヶ丘プール跡地を含むエリアに公園整備と商業施設を建設する計画を発表しています。2017年に新設されたparkpfi法を用いて平塚行政は、選定までは携わるものの、選定後は民間主導でこの計画を進めるとされています。事業規模は最大30,000平方メートル、袖が浜扇の松交差点からから虹ヶ浜にある林と砂浜が工事予定地に含まれています。
このままでは、120台もの駐車場を整備するため、樹林帯が伐採される可能性がある、と樹林帯の保全を求め、本県に申請適格審査後再申請で地元市民41名が保安林申請を出しておられます。現行計画の見直しを求める要望書は平塚市の方にはこれまでに8000名の署名が付されて提出されています。添付された資料は保安林として指定しない合理的な理由がもはや見つかりません。

保安林審査の手続きとして県土整備局に任意の意見照会中だということでしたが、砂防海岸課に何の意見が求められているのかと聞いても議論中ということで明確なご回答はありませんでした。そして建設常任委員会では、保安林としての役割を果たすべきかの判断、および、海岸保全地域において保安林指定の特別の必要を森林法に基づいてきめるのも、環境農政局の判断だと答弁をいただきました。保安林申請から半年もいたずらに日を過ごし、砂防海岸課と何を議論したというのでしょうか。

仮に保安林指定されてもどうしても必要となれば手続き次第で伐採の可能性もあるといいます。そうであるならば、まずは平塚市の計画が明確でない現状、県が植樹し、守り育ててきた樹林帯の、後背地への防風・防砂・防潮林としての機能を尊重し、速やかに保安林として指定すべきと考えます。

次に仮称津久井農場問題です。土石流災害特別警戒区域の上部に現行の林地開発基準について見直しを求めております。国段階での審議では気候変動の要因を盛り込まないものにとどまっています。全国の谷埋め盛土では、素人目には意外なことに、緩斜面の方が多く滑動崩落が発生していることが報告されています。盛土の下に水が溜まりやすいからです。地下排水をコントロールするには排水機能の基準となる設計雨量の強度が問われます。現状では10年に一度の降雨量に耐えることを想定されています。ご答弁では、気象庁HPを引用し時間降水量80ミリは息苦しくなるような圧迫感と答えられましたが、そういう体感に頼るものでなく客観的計測値を基準に答弁いただきたいと思います。10年に一度30年に一度といわれている雨量を超えた降雨量が関東圏内でも発生していることがわかります。また、排水施設の基準が10分に134ミリという基準が語られましたが聞いているだけではわかりにくいのですが、これは降雨量ではなく、降雨強度、というものです。降雨量に換算すると10分で22.3ミリに過ぎません。そして相模原中央では10分で20ミリに迫る雨量が昨年確認されています。

経済最優先を掲げる菅政権のもと、環境保全を旨とするはずの環境農政局においては経済効率を優先する国策と地域住民の暮らしを守る苦しい判断が迫られる局面もあると推察されます。

しかし今回取り上げました龍城ヶ丘の保安林指定も仮称津久井農場計画の盛土をやめていただきたいという願いも、地元のみなさんが自らが暮らす環境を守りたいという県民として至極当たり前の要望です。

保安林指定を求めるみなさんは、現地でお話をうかがったのですが、国が推進するパークPFIでの整備そのものは可否をのべておられませんでした。公園整備は必要だとかんがえているが、長年かけて砂防防風などの機能を備える樹林帯として成長したものを伐採されることによって景観や住環境が、損なわれることをただただ心配しておられるわけです。

谷埋め盛土に関してもリニア事業者が行う盛土ということで、リニアの残土が持ってこられるのではないかという見方が現地では流布していますが、これに関してもリニア賛成派反対派もふくめて、農場計画を見直してほしいという要望が地元自治会からも2000名を越える要望が相模原市に寄せられています。そして地震や豪雨が複合的に影響して滑動崩落が発生した場合、その崩落するルートの先には土砂災害警戒区域と指定された住宅地があります。警戒しなければならない区域とした上部に県が危険な盛土を許してしまうという構図はあってはなりません。谷埋め盛土の危険性を見極め、林地開発許可基準の妥当性を再度問い直すためには申請が寄せられてからでは間に合わないのでこのタイミングで指摘をさせていただきます。真摯に受け止めてご対応を願いたいと思います。

次に発がん性が疑われる有機フッ素化合物Pfosについてです。県内の水質調査の中で引地川河口など高い数値を示す地点があります。今後藤沢大和の二市と連携して調査をしていかれるとのことでしたが、5月の米軍沖縄普天間基地に置いてPfosを含んだ泡消火剤が流出する事故がありました。引地川の上流にも米軍厚木基地が存在しているため因果関係が懸念されます。沖縄では日米地位協定の原因究明においては環境補足協定など活用し米軍にも協力を求めることも視野に入れて取り組んでくださるよう要望します。

今常任委員会に付託された議案に賛成して意見発表を終わります。

また、この日の委員会には農民連女性部いちょうの会から「種苗法改定案を廃案にするよう国に求める陳情」が提出されていて審査がありました。

「陳情文書に示されているように、法改正は、都道府県の公的な種苗事業を民間に移すという路線の延長上に多国籍企業の参入も予想されます。自家増殖を許諾制にし、使用料が必要となれば農家の経営を圧迫することが想定できます。一般品種の大幅な縮小も危惧されています。何より農家の方に中身がよく知らされないままコロナの緊急事態の下で拙速な審議をするべきではないと考えますので、本陳情は了承されるべきと考えます。」

と述べて私は「了承」としました。前段で神奈川ネットと立憲民主党・民クラブ神奈川県議会議員団は当初「継続」継続の人が少ないので改めて賛否を諮り、その段階で「了承」が共産党、その他全員の「不了承」で否決となりました。県当局が問題ないという認識なのでそこからして問題だと思うのです。国会でも通過させないよう頑張らなければ。


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