一般質問 特別支援教育の充実
大山奈々子議員一般質問
大山議員:次に特別支援教育の充実についてです。
今年4月、知事が雑誌のインタビューで「本音は特別支援学校をやめていきたい」と語ったことは関係者の間で不安と動揺を呼びました。2022年に国連の障害者権利委員会がわが国の分離教育を批判したことが話題です。有識者によるとこれは「隔離された特殊教育の廃止」を求めたものであって、通常の教育環境との物理的な隔絶を排し、差別的な扱いを無くしながら、障害のある子どもの全面的な発達を保障することに主眼があるとのことです。
知事発言に込められた、インクルーシブを追求しようとする思いが報道で明らかにされても、「ただでさえ特別支援学校が足りていない状況なのに、なくすなんて。」などの声が上がっています。
私たちはインクルーシブ教育の推進は十分な予算と人の配置があれば大歓迎ですが、今の乏しい教育資源の状況下で特別支援学校をなくしたいという意向を知事の思い1つで軽々に明言することは避けるべきだと指摘しておきます。
図書室が物置のようになっている特別支援学校もあると聞きます。また、学校によっては水道が錆びていたり、校舎が何カ所も雨漏りしていたり、こういった実態がみられるのは、やがてなくなっていく学校だからかと嘆く声も聴きます。
そこで教育長にうかがいます。県立特別支援学校の意義について見解をうかがいます。2023年4月に全面施行になった特別支援学校設置基準ですが、既存校は当分の間従前の例によることができるとされていますが、本県としては当分の間をどれほどと規定してどのように施策を推進するのかスケジュール感をお示しください。
また施設の老朽化問題は一刻もはやく改善しなければならないと考えますが、問題解消の展望をうかがいます。
【答弁】
花田教育長:次に特別支援教育の充実についてです。特別支援学校の意義については、障害のある子どもの教育的ニーズを踏まえ、専門的な支援体制のもと一人一人に応じた学びを提供し、社会的自立を促すことにあると考えています。特別支援学校の設置基準については令和4年に策定した神奈川特別支援教育推進指針に基づき、今後新校の設置や既存校舎の増改築、通学区域の変更などにより順次対応していきます。老朽化対策については県立特別支援学校の約6割が築40年を超えている中、県教育委員会では計画的に屋上防水や外壁補修などを行っています。また日常点検で雨漏りなどの不具合を発見した場合は、速やかに修繕を行うなど適切な対応に努めています。
【時間切れで言えなかった要望💦】
大山議員:次に特別支援教育の充実についてです。本県教育行政は長期的なスパンで検討されるとしても、今の環境で過ごさなければならない子どもたちの在籍期間は一時期です。特別支援教育の意義を認め新校建設を急いでくださるわけですけれども早期に設置基準に合致した整備を行えるよう、また老朽化対策も
抜かりなく行えるよう、単発でも対応しているというお答えでしたけれども、学校からの声を聞くことにつとめてくださるよう要望いたします。なお特別支援学校の整備は インクルーシブ教育の進展を見据えながらとなるようですが、インクルーシブ教育は支援が必要な子を障害のない子と全く同じ取り扱いをすることではないはずですね。適切なその子なりの課題把握と適切な支援を伴う教育環境整備が必要であることを付け加えます。