県民は高校削減を望んだのか。県民は川崎図書館をつぶしたいのか。
文化の日に文化を守る話し合いが二つありました。
ひとつは県の高校再編を考える会。12年間で20~30校削減という県の政策について考えます。
県の教育問題を長年見てきた先生たちの主催です。
保護者たちや現職教員退職教員が集まりました。
様々な地域からさまざまな校種の先生たちいろいろな年齢の子の親が集まっていました。
「前回高校改革で高校がつぶされたときに定時制と通信制がパンク状態になった」
「いまでも全日制に入れない子が大勢いるのになぜこの上高校をつぶすのか」(親)
「県が掲げるこの「ダイバーシティ」(多様性)という言葉は企業の即戦力を指すときに使われる言葉だ。」
「大規模になると校庭も使いにくくなる」
「子どもが減るなら少人数学級を実現するチャンスではないか」(先生)
「今でも高校の枠が狭いのに、インクルーシブで障害のある子がくるなら場所の奪い合いになるのか心配」(親)
「進学希望者数を見るのは10月になっているが、それまでの進路指導でお前はいけないから全日制をあきらめろと言われる子がいる。純粋に進路希望をはかるなら4月に聞き取りすべき。」
「金をつけないでインクルーシブっていってもそれは偽のインクルーシブだ」(先生)
「インクルーシブ推進の学校の数を何校と限るってどういうことだ。それこそ共生ではなくて差別ではないか」(先生)
「定時制は退学者が多くて結果的に目の行き届く教育ができている。この数のままでいければいいが」(先生)
「川崎でも悲惨な少年事件があった。学校にいけない子たちがかかわっていた。県は中退者はどうなっている」(先生)
「県の計画をよく見ていると高校間格差を一層広げる施策だ。教育は人生の前段の社会保障だ。子どもたちの進路を早期に閉ざして
彼らの人生に責任が持てるのか。」
「県の計画を見ていると涙が出てくる」…
私は、神奈川の少子化は15年後でも1割減にとどまること。現在でも全日制進学率が全国最低レベルだということ。
定時制通信制への進学は近県でも突出して多いこと。毎年定時制で千人、通信制で千人がドロップアウトしていること。
適正学級規模は全国的に6~8とされているのに県は今回生徒を詰め込むために適正規模を設けないとまで言っていること。一学年12学級まで視野にいれていること。インクルーシブの実験校は通常学級40人に支援級の子8人を一緒にして先生の加配は実質一人の状態であること。それでも担当課としては先生の数が多ければいいという問題ではないという認識だということ。などなど県とのやり取りや委員会でわかったことをお伝えしました。
ともかくその問題を広げようということでその会は終わりました。
もう一つは、川崎図書館の問題です。全国で県立図書館つぶしの先駆けとなるという懸念が図書館関係者の間にあります。全国屈指の社史コレクション、産業、公害資料の充実した蔵書をもつ科学技術の専門ライブラリー。司書のスキルも高いといいます。この整理縮小問題も県民がなかなか知るところとならなかった問題。川崎で、全県で地道な運動が続いています。耐震補強の工事費や維持管理、運営費を削減するために、長年かかって築いた財産を分散してしまおうという県の不遜な姿勢を県民は許さないでしょう。