第2回 かながわの朝鮮学校交流ツアーを訪ねる
朝鮮学校を知って欲しい。こういう趣旨で第二回の交流ツアーが催された。駅前でのヒバクシャ署名の後、同じく横浜西口にある朝鮮中高級学校を訪れました。県議団が結成されて最初の視察はここにしてほしいと私は願いました。神奈川県政の最も恥ずべき点が朝鮮学校の補助金停止だと思っています。(国も朝鮮学校は高等教育無償化の対象外としています)
午前は授業参観と日朝の歴史の講演、高校生によるフリートークがありましたがこれには参加できず、オモニ会による温かいスープ(ユッケジャンスープ?)これをお代わりまでさせていただきました。本来300円なのに、食材の差し入れとバナナの差し入れもあったというので、お弁当を持参しなかった私も、たっぷりのスープとバナナでお腹が満たされました。差し入れがあったからと300円徴収しない学校側のホスピタリティに感動です。
体育館はおそらく百人近い参加者がいました。舞台での生徒達による歌や踊りや、子どもたちの作品展示や、教科書の展示を見せていただきました。反日教育などしていませんよという姿勢なんでしょうけれど、本来私学の教育内容はその独自性を重んじるべきです。口を出すべきではありません。ましてや拉致問題を書いていないから補助金を出さないなんて…。慰安婦問題を載せなくなった日本なのに、どの口が言えるのかと、もう申し訳なさでいっぱいです。
美術部の作品の中では、フェイクニュースに囲まれた社会を象徴的に描いた作品にも圧倒されましたが、今の日本社会の中の朝鮮学校が置かれている状況を描いたというこの2作品に注目しました。
美術部の先生の指導で子どもたちは腕を磨いているのだといいます。月曜日まで大さん橋で開かれている美術部の展示会のタイトルは 「The 違産」人の数だけ生じるこの「違い」こそがより人間社会を成長発展させる財産だと思います。という事です。このメッセージに私たちは応えていきたい。
私に学校のことを説明してくれた生徒さん。顔を出しても大丈夫と言ってくれたけれど、今の日本はネット上の攻撃が激しいので、お星さまに隠れてもらいます。彼女の堂々とした覚悟を隠すようで申し訳ないけれど、平昌五輪で北朝鮮と韓国が統一チームを組むことすら批判的な報道がされる中でヘイトに晒されるようなことがあってはなりません。
この日の交流会には、卒業生たちや日本人支援者のみなさんも参加されていました。私にこのイベントを案内してくれた方の一人は最近知り合った弁護士さんですが、ここの卒業生です。卒業生の就職状況は、JALや富士フィルム、日立、SEGA、大塚製薬、国立がん研究センターなどなど、日本の産業界で活躍されています。日本と祖国の懸け橋になろうとしている子どもたちに差別意識を持って処遇することの罪を国も地方自治体も直視するべきです。
その意味では県の私学振興課の職員さんが見に来られていたのはよかったと思います。(補助金カットを暗に示唆する県議会の会派は見に来たことが無いようです。)
帰り際に校長先生にご挨拶できました。そして、聞きにくかったですが、補助金カットの影響としてかつて、先生方のお給料の遅配というのを聞いていましたが、どうなりましたかと尋ねると…今年から二割カットで支給していますとのこと…。
(本当にすみません。当たり前の人権感覚を持った議員が国会や県議会に少ないため、こんな思いをさせています。)と心の中で思っていたところ、しかし、校長先生は明るく、こうやってみなさんに私たちのことを知っていただけばいつか理解し合えると思うんですよ。とおっしゃっていました。そうですね。そうです。
コメント
在日韓国人・朝鮮人は日本から出ていけ。死んでしまえ」などいった言葉が飛び交うデモが野放しにされ、加えて、それを支持するかのようなメディアや国会議員までもが続々出てきているのが我が国の現状であるが、先日行われた五輪の女子スピードスケートでの小平選手と韓国の李選手がレース後にお互いの頑張りを讃え合って抱擁する様子を見て、「いくら国家が相手国・相手国民への敵愾心を煽って分断を図ろうとも、きちっとした交流で相互理解を深め、その結果生まれた絆は決して断ち切れないものだ」と確信
した次第。
なめねこさま
本当に。文化の面での草の根の交流がヨン様以来進んだことは確実で、そこに希望がありますね。朝鮮学校を支援する日本の団体も神奈川だけで90近くあるといいます。
為政者の都合のいいようにことは進ませません!