大山奈々子
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寿町の支援者のみなさんと懇談

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ネットカフェ休業要請にともない、避難された方々が神奈川県立武道館に来られた際、目を見張る寿町(横浜のドヤ街といわれる)の支援者のみなさんの姿がありました。

報道を受けていち早く武道館に駆け付け、炊き出しを申し出て(これは断られたということでした。担当課に聞くと食中毒などを懸念したという。)、食品など支援物資を運び、また県と市に緊急要望を届け、武道館閉所の前には何日も館の前に詰めてご相談に乗り…(たとえば県や横浜市の福祉部門が生活保護制度の紹介をしたとして、実際の窓口申請などに付き添ったり、血圧計を持参して健康相談に乗ったり)私はこういう皆さんの実践を目の当たりにし、感動を持ってみていました。

ぜひ懇談させていただこうと、党の県委員会の提案もあり、寿炊き出しの会はじめ、町でホームレス等の支援に当たるみなさんとの懇談をお願いしました。カジノ反対の運動でもご活躍で、面識があった寿町の診療所の医師である越智先生に窓口になっていただきました。

県と市への緊急要求書(寿越冬闘争実行委員会による)と炊き出しの会の報告集

5月14日の懇談には、日雇い労働者の組合の方、行政書士、看護師、炊き出しの会の方等多彩なみなさんがご参加くださり、こちらは県委員会と北谷横浜市議、蓮池市議予定候補、君嶋県議と上野県議と私。寿町にある寿生活館の一部屋をお借りしました。寿町は生活保護率が9割だといいます。

それぞれの立場から生活困窮者の実態、支援の様子など語られました。私が印象に残ったのは、社会の冷たさに直面してこられた方々のもはや行政の支援を求めも期待もしていない様子。今回の特別定額給付金10万円も「もらえるはずがない」という受け止め。

このブログを書くために再度懇談のメモを読み直すと、温かい思いのこもった、人権とは何なのか考えられる言葉がたくさん語られています。

・ 寿町自体は生活保護者が増えてきているので長年培ったサポートの対応があるので生活困窮者をフォローできるものの…

・あらゆる職種から路上になる。 北九州で渓流釣りの竿を作っていた/西陣織の工場に益子焼の工場/ヤクルト販売会社の部長していた…能力と意思があっても働く場所がない;

・1993年どこの公園でも河川敷でも人が寝てる状態だった。 寿町の老人クラブクヌギの会元会長が炊き出しやらないかと声かけて炊き出しを町内の主な団体があつまって93年11月1日が第一回。ガスも電気も水道も止まっているという緊急事態だった。

(毎週炊き出しを行うこの支援者の方たちを非難する通報があるのだという。)

・「怠け者に飯やってどうすんだ。」と。炊き出しの列に並んでいる人が一番求めているのは、仕事。働く意思も能力も持っている 8割の人が仕事が欲しいといっている。それを怠け者というのか。

・ 居所すら失うほどの困窮 生活保護制度は路上から申請すると門前払い 住所の欄が空欄になっているから。部屋を見つけてこいと言われている 路上からの申請を認めさせた。

・人がどう生きる価値や権利をもっているのか炊き出しを通して学んだ。

・ 炊き出しをしなければいけないと思うのは、人が飯を食うことと寝る場所を確保することは人間の基本だからだ。それ以外のことに気が回らなくなる

・(ホームレスの方は)労働という社会参加を奪われている。人権に対応して支える制度は何なのか それをつくるのが政治であり政策だ。しんどい人だからこそ、支えなければならない。

・この間の支援をみても住民登録を基本にしている。自分の国境内にいれば生活させるというのは政治の基本。この不幸な生活を整えていく基準になれる。選挙権もそう。問題提起をしている。税金とるための台帳を基本にして人権を制限しないように。

・見回りをしている 3層に分けて整備 ①一般の医療と②コロナの医療③ 困窮者の医療  孤立して悪化する人がいる。

・蜂窩織炎という病気になる。歩き回りすぎて深部感染症 糖尿病もないのにそういう状況になってしまう。寝場所と食事を回ってそういう状況になる 身柄ひとつで医療にかかれるような一般の外来に医療がなくてかかれるように。

・一般の病院から野宿者に巡回に行くにも躊躇がある、その人に医療が施せないという状況になっている 身一つで保障されるような体制が必要、 地域の感染をすくうことに。

自分の中に刻み付けるためにブログを書いている面があるのでとても長い報告になりました。

政治の課題をひしひし突き付けられた懇談でしたが、この国の捕捉率の低さの原因をいまさらながら知りました。これです。扶養照会。

・扶養照会という制度があるので変えてほしい(※)

※扶養照会:これは多くの方が語りましたし、私も最近の生活相談の中で、「親せきにまで保護できないかとか聞かれるというから保護を申請したくない」という声を聞いたばかりです。これは本来、法の中でも必須要件ではないのに保護利用を抑制するための運用がされている、それらの問題がここ(現代書館)にわかりやすくまとめられています。生活保護の捕捉率が他の先進諸国に比べてダントツに低い要因でしょう。これは改善をもとめなければ!

この場にはカジノ反対の運動の中でもよく顔を合わせる看護師である社民党の森ひでおさんも参加されていました。越智先生も各地でギャンブル依存症の話をしてくださいます。今日の話をうかがって彼らのカジノNO.の思いが、人の尊厳をどう考えるのか日々向き合っておられる深い実践に根差しているのだということもしみじみ感じたことでした。


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