大山奈々子
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生活保護基準引下げ違憲処分取消等請求事件 地裁前集会

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生活保護基準引下げを不当とする訴訟に取り組む皆さんに連帯し、25日、地裁前集会に参加し、傍聴しました。

集会には生活保護利用者、支援者等で構成する原告団、(生存権を保障する憲法)25条共闘といわれる、最賃引き上げ、年金引下げストップ、生活保護基準の引き下げストップの三つの裁判で連帯する団体などが参加しました。参加者の発言の中にはコロナ禍で生活苦を抱えるに至る様々な例、困難に寄り添い支援の窓口につないだ事例が語られ、弁護士からは物価下落を口実に引下げを行うことの問題について説明がありました。私は、行政の支援の例の中に生活保護が掲載されていない事例、相談者の選択肢に生活保護という発想が抜けている例などを挙げ、保護の必要な方が利用する捕捉率の低さの最大の要因である扶養照会(親族に扶養できるかどうか問うこと。親族に知られたくないという思いで申請を躊躇する例は寿町の支援団体と懇談したときも指摘されました。)をやめさせるよう取り組みたい。ネット上でも扶養照会をやめさせようという署名が展開されている。みなさんの運動と力を合わせて、保護費切り下げを許さず、セイフティネットとして機能させるようともに頑張りましょう。そしてそのためにも憲法を守れない政権を変えるために頑張りたいとご挨拶しました。

裁判では原告意見陳述がありましたが、ご高齢のため代読で行われました。抜粋します。↓↓

・(前略)60歳ごろに急病で入院することになりました。しかしそれまで生活することで精いっぱいで貯蓄もできなかった為、入院して就労ができなくなると、医療費を払うことができませんでした。そこでやむなく生活保護をうけるようになりました。生活保護を受けてからも、私は何度か就職を試みましたが、その際、生活保護を受けていることは隠すようにしていました。生活保護を受けていることを雇用主に知られると「どうせ役所にとりあげられるんだから」といわれて足元を見られ、例えば一日一万円もらえるところを日当7500円にされることがあったからです。(中略)生活保護を受けているため、資金もなくアパートは探せません。市営住宅は30回、県営住宅は20回と申し込みましたが未だに当たりません。数年前に生活保護基準が切り下げられ、一日千円程で生活をしていかなければならなくなりました。安売り店を探しておかずを何品か買うのがやっとです。衣類はほとんど買ったことはありません。知人からたまに冬物衣類をもらうので着ています。お風呂はガス代がかかるので、4~5日に1回しか入っていません。また以前は、名所旧跡巡りや、野山に行き、趣味の写真を撮りに行くこともありましたが、生活保護基準の切り下げ以降は、そんな余裕はまったくなくなり、趣味を続けることもできなくなりました。これが憲法25条でいう「健康で文化的な生活」といえるのでしょうか。私ら生活保護者は早く死んでしまえというのと同じではないでしょうか。私らも、裁判官と同じ息を吸っている人間です。(中略)周囲の生活保護を受けている友人らは、陰口をきくのが嫌で外出をしなくなったといっていました。裁判官にはまっとうな判決を書いていただき、生活保護に対する偏見が少しでもなくなるようご尽力いただきたいと思います。最後にもう一度お話させてください。一日千円での生活がどんなものかを一週間、いや3日でもいいです。味わってみてください。

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生活保護の実態を知らずに、批判する方にぜひお読みいただきたいと思います。保護利用のきっかけは病気や事故が5割を超えます。保護を利用しながら就労している方も多いのです。十分な所得が得られなくなり、就労がむりになったら即、健康を維持する生活やささやかな趣味を断念しなければならないとしたら、文明国といえるのでしょうか。健康で文化的な最低限度の生活を保障できていないのに、さらに保護費を切り下げる血も涙もない政治を転換する今年はチャンスです。

なお、文中、この方は生活保護を《受ける》、と表記しておられますが、権利であることを意識するため、生活保護を《利用する》という言い換えが自治体によっては進んでいます。


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