大山奈々子
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富岡製糸工場の話から 80代の女性に聞く

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平均年齢80才の仲間二人と地域訪問。同じく80代の女性にお会いしました。その方は福祉の切り捨てに静かな怒りをおぼえていらっしゃいました。

「青春を犠牲にしてお国のために頑張ってきたのに、歳取ってからなんでこんな思いをしなきゃいけないの…介護保険料だって払っても払っても恩恵はなさそうだし、年金は減っていくし。

16の頃までね、学徒動員であの富岡じゃないけど、製糸工場で働いていたの。毎日たべるものもなくて、カイコを干したものが食事に出てみんな食べた人は下痢していてね…
干したのじゃいけないっていうので、カイコを絞った油にフスマとメリケンコを混ぜて団子にしたのなんか食べてたのよね。

でも、戦争が終わって、あちこちでユリの花が咲いた、藤の花が咲いたってニュースを聞くと、平和はいいなぁって思ったわねぇ…」

「ほんとにねぇ、花どころじゃありませんでしたものね。校庭はいも畑にされたしね。なんかみじめでしたよね…」

戦争は人々の暮らしから花も奪うのだと、今更ながら知りました。

「それから懸命に子育てして、将来はどんどんよくなるって思ってね、それなのにね…また、戦争だなんて冗談じゃないわ…もう、他の人よりは年金少しはましだから我慢しなきゃねっていってるの。もう老い先短いから逝く準備しなきゃね。」

本当に、青春を国策に翻弄されたこの方のような方々が、つらい思いで晩年を過ごさなければならないなんて…

私たちテンポあげて頑張らなきゃと決意あらたになった訪問でした。