大山奈々子
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県立(!)あーすぷらざでインクルーシブ教育を考える

ブログコメント2

10日、インクルーシブ教育推進フォーラム(今年度二回目)がありました。勉強してみたいと思い、参加しました。

インクルーシブ教育が語られ始めたのは、緊急財政対策の論議を教育だけは別枠で語られねばならないとして設けられた「神奈川の教育を考える調査会」の中。何度か傍聴しましたが、教育の専門家の方々、保護者、企業経営者、行政側などいろいろな立場の方々が諸問題を討議し、「小中一貫校を作れば校長や副教科の先生は少なくて済む」「義務教育は中学まででいいのでは、あとは企業が即戦力として学ばせるという方法も」など、聞き捨てならない発言も飛び出しました。この手の発言には異を唱える方が必ずいて、やはり理想的な教育は財政削減の文脈では語れないというような話になっているのをもっともだと聞いていました。

ところが中間まとめや最終報告には財政緊縮に重点を置いた中身になっていて、集団討議しようとも、「まとめ」というのはえてしてまとめる側の主観が入るモノだと感じたものでした。

という経緯の中で学級編成の弾力化(国に要望)、インクルーシブ教育がクローズアップ。県内で教育関係者からインクルーシブが財政削減の方途として利用されようとしているという懸念が出るのももっともです。

障がい児教育に関わる先生方はインクルーシブ教育は理想といえば理想だとおっしゃいます。個人的な経験でも、自分の子どもの頃は特殊学級に囲われていた障がい児と交流の機会がなく、今もって町なかでどのように彼らをサポートしていいのかとまどうばかりですが、私の子どもたちは支援級の子たちと交流し、障害のある子を自然に受け入れている様子に、同じ場を共有することの大切さを感じています。

 私は議員になって以来、インクルーシブ教育の担当課となんども懇談しました。彼らが知事からどのようなミッションを受けているか、想像に難くないのですが、疑ってかかっていては事はうまくいかない。疑念は疑念でぶつけてきました。答えられないこともあります。しかし、障がい児教育の現場を知る担当者のみなさんは、本気で取り組んでいると信じることが必要だという私なりの答をもっています。

応援して神奈川のインクルーシブ教育を財政削減の口実ではなく、本当にだれもが共に学ぶ環境の創造を目指す試みとしてその実現に力を貸さねばと思っています。

 このフォーラムは昨年度も何回か開かれ、今年も二回目です。私は 第一回も出ましたが、障がいの当事者がパネリストにいないということに会場の方同様疑問を感じました。今回は障がいの当事者、保護者らも加わった厚い話になりました。

「障がい者を囲い込んで差別してきた行政が謝るところから出発しないと話は進まないのではないか」

「私たちはえてして行政に不信感を持ちがちだけれども神奈川もやる気だから一緒にみなさんとつくっていきましょう」

「地域のつながりをいうわりには学区を撤廃して地域がばらばらになっているではないか。10倍も予算がかかるといわれるインクルーシブを本気でやる覚悟があるのか」

などなど、うなずける内容のフロア発言が相次ぎました。特に最後のこの発言は私も気になるところです。今後注視していく事が必要です。

会場からは批判的な意見もありますがそれでも何度もこういう場を設けている姿勢は大切です。

そしてこの日は入口にはためく神奈川の旗を誇らしく思いました。多文化共生の場として作られた本郷台の駅そばにあるあーずぷらざ。不覚にも利用したことがありませんでした。楽しそうな催しが多く、子どもが小さい時に連れてくればよかった!もっとこれ知らせなきゃ。タダの映画もあるし…。などとおもったものでした。

美術館も図書館も、女性センターも、県が作って運営し、県民に愛されてきた施設を次々と壊そうとしている黒岩県政。老朽化は想定内のはず。それを口実に県民サービスを削っている県政にあって、しっかり機能しているここは神奈川県の(昔の)心意気を感じる場所でした。一人で参加しましたが、会場には特別支援教育に携わっておられる先生方や保護者の姿が目立ちました。

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コメント

  1. 鈴木やすより

    9月16日の大山さんの県議会での一般質問で「障害者権利条約」を「特別支援教育施策」においてどのように生かすかという質問が最初だったのを思い出しました。私はこの問題は素人の域ですが「インクルーシブ教育」を「財政削減の口実」にだけは使って欲しくないというのは全く同感です。
    さて「あーすぷらざ(正式名称「神奈川県立地球市民かながわプラザ」」ですが私もたまに利用させて頂いております。タイムリーな展示(写真展)、考えさせられる内容の映画鑑賞会、戦争体験談等子どもからご年配の方まで勉強にあります。因みに常設展示室以外は原則として無料です。
    指定管理者が公益社団法人青年海外協力協会で「青年海外協力隊と世界を語ろう」というセミナー(10/18(日))に私は参加しようと思っております。この施設は特に参加された方々にアンケート等で真摯にご意見を募る(今後の活かす:常に前向き)というスタッフの方々のスタンスに好感が持てます。
    私は神奈川県の施設でも「かながわ労働プラザ」や「あーすぷらざ」等、県民に対して非常に有益な情報を発信する施設は万一にも「財政削減の口実」にせず存続すべきと考えます。

  2. 大山奈々子より

    鈴木さん

    ほお、ご愛用者でいらっしゃいましたか。素敵なところなんですね、本当に子どもたちが小さいうちにこの情報を知るべきだったと後悔しています。

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