大山奈々子
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北綱島特別支援学校を視察 

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地元の横浜市立北綱島特別支援学校については突然の閉校計画から、保護者や学校関係者の運動と、議会の追求で、残されることにはなったものの、分校扱い。本校に戻して、と言う願いには応じないが、本校並みの設備や人的配置をすると横浜市教育委員会は保護者のみなさんたちと約束を交わしている。という段階です。

そんな中、屋上の床が方ボコしているという声を地域の学校関係者からうかがい、さっそく白井市議につなぎ、白井市議は教育関係の委員である古谷市議もお誘いし、今日、横浜市の特別支援教育担当課長や、特別支援教育か主席指導主事や校長先生にご案内いただきながら北綱島特別支援学校をこれまで以上に念入りに視察させていただきました。

屋上のプランター菜園をバックに。白井市議、古谷市議。地元の方が花火大会の日はここで花火をご覧になったそうです。

この菜園も畑でできればいいんでしょうけれどね。

柔らかいクッション性のある素材の床がよかろうと作られた当初はそう思われたのですが、それがこのような凸凹になっています。20代の先生が二回も転んだと。グランドが使えるわけではない子どもたちなので屋上が安全でないことは大変です。

「何年間も要望をだしているが改善されない」と校長先生

サンルーフも左は壊れて開閉できず。 

  車椅子想定で作られたスロープは幅が狭くストレッチャーに乗った子は非常に通りづらい。スロープの幅を広げてほしい。

屋上に続く部屋は本来サンルームだったはず。それが過大規模化して物置化していました。

通学バスは最長80分。これはバス停から学校までの時間なのでバス停まで子どもたちを連れてくることを想定すると通学に1時間半もかかる例があるわけです。県内の多くの支援学校で見られる現状です。健常児でもつらい移動時間を同じ姿勢で強いられる…

ここで通学バスの所在地を検知してみることができるそうです。でもこれらIT機器が置かれているのは廊下です。職員室は100%越えです。

プールも入るところが高くなっているので不安定な姿勢の子が落ちる危険性があると言います。そしてエアコンがないため6月から10月までしか使えない。体の緊張をほぐすためにも通年では入れることが理想なのに。プールではなく水治療室と書かれています。

トイレが足りず、教室の一角をカーテンで仕切っておむつ交換することも。

一番大きいホール。当初高等部を想定していなかったので、卒業式などで全員入ると在校生が廊下にあふれ出る形に。

災害用の備蓄庫の置き場が足り無くて必要量が置けていない。

学校は北綱島小学校に隣接していますが、外周のところどころ屋根が無いために子どもたちが濡れないよう先生たちが傘をさして並んで子どもたちを通すような場面も。

給食室は多様な食の形に対応するためにもう一つレーンが必要だけれどスペースがない。などなど。

下校時に当たったので通学バスや、放課後デイのくるまや保護者の車など本当に大変な状況になっているようです。

・・・・

改善しなければならない点は山積しています。昨年7月に保護者のみなさんが教育委員会に請願をだされ、書面でこれを受け止める回答を交わしていると。

分校化で条件悪化を心配された保護者の方々とかわした11項目の約束は例えば

・教育水準の維持、向上

・分校という名前が目に触れない工夫を

・教員のストレスチェックを

・年に二回書面か説明会で報告を

・条件が変化するときは保護者と協議を

などなど…。

北綱問題の発端が突然の閉校通知であったことから、保護者の教委不信を教委側ももっともだと受け止めて真摯に対応しようとしている姿勢は見て取れました。分校ならば配置しなくていい校長を配置するため国費の3分の1補助がでず、3分の1は市費で負担していると言います。

予算も人も変えないというならなぜ本校化できないのかと改めて聞きました。本校として位置づけさえすれば保護者のみなさんも担当課のみなさんも大変なやり取りをせずにすむのに…

肢体不自由児については人口推計がよめないこと、県立の新しい北部方面校の完成や市立左近山の完成、川崎の田島養護に肢体部門ができることなど変化を見定めて、いったんは今の計画に沿って運営してみて…ということでしたので、「ずっと分校のまま行くわけではないという事ですね」と確認しました。しかし、人口推計といってもすでに大規模化していて、居住地が港北鶴見神奈川都筑区という人口増加地帯に位置する学校なのだから、早々簡単に生徒数が減少するわけはなく、いったんと言っている間に子どもたちや保護者のみなさんは不安な状態を強いられるわけです。一刻も早く改善するべきです。

学校の整備に関して課題がたくさんあるところについては市議会で古谷議員がしっかりとりあげてくれるということでした。期待します。苦しい思いをした保護者や生徒のみなさんにせめて良好な教育環境を。

視察後は放課後デイの運営が厳しくなっていること、大きなスクールバスではなくワゴン車の形で小型で看護師を一人つけて医療的ケアに対応できる小型の福祉車両が東京でひろがっていること。看護師の数がたりないこと。子どもたちが卒業後の行き場所も足りないこと。などなど特別支援教育全般の課題が語られ、視察は二時間近くに及びました。

しかし、今日ご案内いただいたご担当は気持ちがある方々だなと感じました。変な言い方ですが、「予算がとれないからしかたがない」、という気持ちの担当者と、「市民県民に満足なことができなくて申し訳ない」と思っている担当者はだんだんわかるようになりました。

横浜市教育長さん、職員が誇りあるしごとができるように予算つけてください。文科省さん、そのためにも特別支援学校の設置基準を設けてください。

また、懇談の中で、「特別支援学校の設置義務は県にある」という言葉が聞かれました。身がすくむ思いでした。県の設置がおくれているので各地で過大規模化が起こっているわけです…。

丁寧に視察させていただくと丁寧にいろいろなことがわかるものだと改めて感じました。

子どもの最善の利益を保障できる社会に一刻も早く!

 

 

 


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