大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

医療従事者との懇談

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コロナ病棟で働く看護師さんにリアルなお話を聞く機会を得ました。

・(勤務している病院は)保健所から要請を受けて協力病院になっている。一般患者は他の病棟に押し出したり、早めに退院させたりすることになる。

ベッドを一日10~20床つぶしている。一日3万円、急性期なら5万円の診療報酬がつくが、10床つぶしたら一か月で30万円の減収になる。

・要請されても受け入れを拒む病院も多い。人工呼吸器がないなどの理由、一番はやはりリスクを避けてのことか。個室を確保するために病棟をいくつかつぶして対応することになる。看護師も月に13日間も夜勤になっている。カレンダー通りの休みは取れない。

・家には帰れない。コロナ患者に当たるメンバーは単身者に限られている。疑義患者が急変しても医者はプロテクターつけるまで来られないのでコロナ患者に関してはコードブルー(患者の容態急変などの緊急事態が発生した場合に用いられる、救急コールのこと)ができない。非常なストレスの中で働いている。職場で発熱したらどうするのか、軽症なら寮で待機か。そうなると寮を使えるのか。

朝、職場に向かう際に「次に会うときは骨かもしれないね」と言い交したりしている。原発作業員と医療従事者は似ている。

マスクは一枚3円だったのに今は30円。触らないで捨てろと言われていたのに今では家に持ち帰って洗えと言われている。

悪い夢をよく見る。普段は仕事の夢は見なかったのに。上手に防護服を脱ぐシミュレーションをするが、何回もシミュレーションをして夢の中で間違えてレッドゾーンで防護服を着ていない夢。防護服のままでグリーンゾーンに行ってしまった夢など。

コロナ病棟にベテランが集まると他が手薄になる。若い看護師が緊張の中で泣き出している。脱落していく話も聞く、ドロップアウトだけはさせないと決意している。ラジオを持ち込んだり、コーヒーサーバーを持ち込んで少しでも癒される工夫をしている。ぎりぎりの人数でやっている、ひとり倒れたら他の人の休みはなくなる。医師は休みなしだ。外来も小児科もやっている。

疑義のある人はPCRの検査結果が出るまで隔離する。たらいまわしになった人がどこにも受け入れてもらえない。10か所くらい断られてくる。コロナが疑われてくる人を受けいれるが、他とは区切って面会禁止。部屋から出られず、ポータブルトイレを使う。食事の時も出られない。2人部屋を1人で使うので猛烈な減収になる。

どこがどうなってこんなに具合が悪いのに家に置いておいたのかと思える人が来る。コロナを余裕をもって受け入れられる体制があればいいが、コロナ病棟に入れたら死ななかったのにと思うことがある。進行が速い。医者が来るまで薬も心臓マッサージもやっているのに本人の脈が落ちる。家族を呼ぶ暇もない…。通常の死亡ならおむつを替えたり身体を拭いたりするのにそれもできない。葬儀社も触れない。医者が棺桶に入れる。

危険手当はないのかと聞くと、私たちは一番安全。無症状でもフル装備で仕事を終わったらシャワーを浴びる。介護職の皆さんは感染リスクと直面しながら職に当たっている。危ない職種は他にもある。

医療機関の親を持つ子どもさんが保育園登園を自粛し、おままごとで「ほいくえんいってきます」といっているという。(/_;)

県に望むことをうかがうと、財政的な支援はもちろん、自衛隊のことが語られました。医療従事者が雨合羽や手作りの防護服でしのいでいる中で、自衛隊はフルカバー、ダイヤモンド・プリンセスでも2800人入ったが1人も感染しなかった。細菌兵器の対応部隊がある。スキルと物資を供出してもらいたい。

お金と命を天秤にかけて、お金が優先されている。ダイヤモンド・プリンセスでも入国した人は2週間絶対監禁するという政策をとるべきだった。潜伏期間も治療期間だ。

医療体制のベースが足りない。医者になりたい人の一部、看護師になりたい人の3割しかなれない。医療者を増やしていく政策が必要。

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また、診療所でもお話をうかがいました。コロナ感染症への配慮と、受診自粛が招く厳しい経営状況が明らかです。

トリアージ室(感染が疑われる人を分ける)を設け、インフルエンザなら一度診察室で診察してから部屋にいれるが、コロナの心配があるから、始めから37.5℃以上の方はトリアージ室に、いってもらう。退室後15分は換気する。

PCR検査のための検体を採取することを求められている。採取して検査会社にだす。最初の採取ができれば検査数も増える。採取するキットは保健所から提供されるし、高機能のマスクも保健所から提供されるとされているが、財政的補償が不明。採取の手技につくのは5点。わずか50円。ハイリスクノーペイ(危険性は高いけれど、儲けがない)では踏み切れない。

慢性疾患や子どもの診察などやっているが、3月から長期処方にする。月に一度の処方を2か月にして来所数を減らす。医療経営でみると、診療報酬は5000円くらいとるので、確実に減収になる。4月は患者が昨年の同時期の8割になっている。

4月10日には各健康保険から健康診断をやるなと言われた。健康な方を医療機関に寄せ付けるな。不要とは言わないが不急だから、4月健康診断の収益は250万円くらい。それがほぼない状態。3割減。途方に暮れている。銀行への借入も始めている。

電話やオンラインでの診察に切り替えている電話だと外来管理加算はとれない。電話につく指導料は100点。病院での指導料は147点。来院と同じ加算にしてもらいたい。電話での来院と同じように点数が取れるようにすればより感染を防ぐことができる。初診も電話でOKとされているが、うちはやっていない。顔を見て診療したい。

歯科も行っているが飛沫が飛ぶので資材が必要、グローブもマスクも頻回で必要。資材の不足がはなはだしい。財政的支援が必要。


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