大山奈々子
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横田滋さんご逝去に思う

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神奈川県庁新庁舎正面にはめぐみさんや早紀江さんとともに横田滋さんの泣き顔が横断幕になって飾られ続けています。「めぐみを助けてください」の言葉とともに。

以前、社会科見学に来た大勢の小学生が見上げていました…。横断幕を作られたのは「あさがおの会」横田夫妻に近い支援者の方々のようです。その思いは真摯なものでありましょう。

しかし、これを庁舎に掲げる政治的意図を考えると見るたび暗澹たる気持ちになります。

安倍政権と歩調を合わせ、朝鮮学校への補助金をカットして差別意識を助長させている黒岩知事は、私は拉致問題解決を遠ざける役割を果たしていると考えます。

朝鮮学校では副読本を作成してまで拉致問題を教えています。県が確認しています。(本来、私学の教育は私学の主体性にまかされているのに)県は授業参観も繰り返し、学習指導要領にのっとった内容であることを確認し、学校側も常に学校と教科書を公開されています。それなのに拉致問題を載せた教科書改訂が叶わないことを理由に補助金カットです。

国連からこの学習権侵害に対して是正勧告を受け、弁護士会からは人権侵害で警告を受けています。

横田滋さんはかつて補助金問題に拉致問題が利用されることを憂える発言をされた記憶があります。子どもたちの学習権を侵害してまで近隣憎悪を育くむ我が国の政治家たち。県に連動して川崎や横浜でも同様の差別を行っています。都道府県の中には政権の意に反し、補助を継続しているところも1昨年段階で8つありました。8つしかありません。

朝鮮半島と日本の虹の橋になって友好的な関係を築きたいと頑張る子らを傷つけ続ける我が国政治家には、友好が深まっては都合が悪い事情があるようです。

同じく拉致被害者の蓮池透氏がFacebookで発信されたメッセージをお読みください。


【横田滋さんの訃報を受けて】
いつか、この日が来るのは分かっていたし、怖かった。

滋さんは、公には政治家に対しても、右派的思想家に対しても決して異論を唱えることのないジェントルな人だった。しかし、プライベートではお酒が好きで、日ごとにその量は増えていった。その時に発する言葉は耳を疑うような内容だった。ある人を大きな声でストレートに批判する姿には、日ごろの悲しみ、怒り、苛立ち、苦しみ、焦りなど全ての感情が込められていると推察するのは容易だった。どちらが真の滋さんか?間違いなく後者だ。ただ、めぐみさんに会いたいだけ。だから宥和的にことを進めるべき、経済制裁には反対。本心はそうだったのだ。

こんなことがあった。戦後、日本への帰還が果たせず、中途の朝鮮半島で息絶えた人たちが2万人以上いる。その遺族はほとんど80歳を優に超える高齢者ばかりだ。遺骨を収容することが叶わず、せめて訪朝して弔いたいと考えていた。しかし、訪朝することにより拉致問題に悪影響を与えるのでは、と躊躇していたという。その折に私に見解を問いたいとの連絡があり、滋さんに相談してみた。滋さん曰く「人権に優先順位などない。気兼ねなく訪朝して欲しい」。私と同意見だったことに感激したものだ。「死んでいる人たちより生きている方が先だ」との意見があった中、家族会代表としての滋さんの発言には感銘を受けた。それを聞いたときの遺族の皆さんの安堵する表情は忘れることができない。

そういう意味でも、滋さんの存在は重要だった。世の中はコロナ禍で拉致問題どころではない状況。収束まで動かないのか?滋さんの心中も不安で一杯だったはず。言うまでもなく、その前に動いておくべきだった。「40年以上救出を先導」とか「再会の願い叶わず」とか言っている場合ではないのだ。また「断腸の思い」と繰り返した安倍首相。「申し訳ない」は付け足したが。自分たちの無為無策を棚に上げて、拉致問題が進展しないのは国民の関心が薄れているせいだ、と平気で言う政府。

みなさん、いい加減気付いてください。安倍首相は拉致被害者を救出するなどという気はさらさらないのです。この期に及んで「早期」救出とか言っているではありませんか。今こそ、安倍首相責任を取ってください!と叫ばなくてはなりません。そうでなくては、滋さんのご冥福を祈ることはできません。

それができるのは、拉致のおかげで二回も総理になった安倍氏が恩返しをして、めぐみさんの問題が解決したときです。

合掌


港北区内の新潟出身の方が語っておられました。「めぐみさんがいなくなったあの時、僕たち中学生も、浜の松林を棒で草をかきわけて探したんだ。だから本当に他人事とは思えない」

多くの国民の思いもそうだと思います。横田滋さんは全国で1300か所も拉致問題の解決を願って講演されたとか。政権との関係や家族会の中のいろいろな意見の対立など本当にご苦労されたと思います。

拉致問題を解決できない国の国民の1人として申し訳ないという気持ちでいっぱいです。お疲れさまでした。いつの日か本当に安らかな眠りについていただける日が来るよう、努力したいと思います。


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