大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

黙祷…。安全管理の徹底、そして命を守る外交を。

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62歳の作業員さんだといいます。奈落に落ちていく中で、息を引き取るまでに頭に去来したのはどんな思いだったでしょう…

公園整備中に重機ごと転落という事故があったのは、8月25日横浜市金沢区小柴の元米軍貯油施設。地中にあるタンクを埋め戻す工事中でした。地中に埋まった開口部の蓋に土がのり、草木が生え、それとわからなくなっていたといいます。重機の重さに蓋が耐えられず落下しました。

この土地に関する経緯は横浜市のHPはこちら

戦前、旧日本海軍により燃料の貯蔵基地として建設戦後は米軍が航空機燃料の備蓄基地として使用して2006年12月に国に返還され、横浜市は2013年に無償貸与を受け、2017年から公園として整備することになっていました。

事故について建設労働者に聞きました。「なぜ重機が危ないところに乗ってしまったのか。俺たちは危ないところは必ず目印をつけて注意して工事するようになっている。ロープやコーンはなかったのか。」

31日に国県市の議員団で行った視察は黙祷して始まりました。現場は入れなかったものの、事故があったものより小規模のタンクが高くそびえているのが見えました。広い空があるところです。広大な土地がすべて公園にされること自体はよかったのに、本当につらい事故が起こってしまいました。

横浜市の管理責任は?施工主は?下請け会社は?どの段階でも安全配慮が適切に行われていなかったのは明らか。どうか亡くなった方のためにもごまかしのない真摯な検証がなされることを期待したいと思います。

そして一方、人の土地を借りて返すのに原状復帰義務もないという日米地位協定は屈辱協定です。人に家を借りたら釘の穴まで補修して返すものなのに。県の基地対策課によると、県内に小柴のような貯油施設は現在米軍が使っている鶴見貯油施設だけだと。タンクの危険性はないにしても、不発弾があるとか危険なものを管理していたとか、県内で返還された基地の危険物の一覧みたいな地図はないとのこと。返還された土地の管理責任は国か譲渡された自治体が負うことになります。(ちなみにこれほど広大な土地をなぜすべて公園としての整備で、宅地用に売却しないのか横浜市らしくないと不思議に思って聞くとそもそも地中に汚染物質が多くて買い手がつかないからだということでした…)

日米地位協定第4条1 合衆国は、この協定の終了の際又はその前に日本国に施設及び区域を返還するに当たつて、 当該施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供された時の状態に回復し、又はその回復の代りに 日本国に補償する義務を負わない。

やはり日米安保下であっても地位協定は一刻も早く抜本改定することを求めて行きたいと思います。それは基地関係の渉外知事会のみならず全国知事会も求めているところです。例えば在韓米軍地位協定では2次改訂でアメリカ側による環境管理実績評価の実施、主要汚染源の除去努力原則などを盛ることになりました。首相が変わるなら、日本も主権国家らしい交渉に努めて、国民の安全と命を守るべきです。


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