かながわの栽培漁業の課題
9日。大井町の後、午後は三浦市城が島。県内を西から東に真横に横断するイメージで、車窓が美しかった。真ん中のヨコハマあたりはビルビルビルですが、基本、山と空が広がる景色に癒されました。
環境問題に取り組む方から、神奈川県の栽培漁業の問題を小耳にはさみました。業界の広報を読むと、小耳どころではないなと思いましたので、栽培漁協教会を訪ねてお話を聞きました三崎口駅のこのユーモアが私は大好きです。ここからバスにのり、北原白秋の城ケ島の歌の碑があるという「白秋碑」というロマンティックな名前のバス停でおります。
栽培漁業とは農林水産省の「こどもそうだん」がわかりやすいのでご紹介します。
栽培漁業(さいばいぎょぎょう)と養殖漁業(ようしょくぎょぎょう)の違(ちが)いについておしえてほしい。
栽培漁業とは、卵(たまご)から稚魚(ちぎょ)になるまでの一番弱い期間を人間が手をかして守り育て、無事に外敵(がいてき)から身を守ることができるようになったら、その魚介類(ぎょかいるい)が成長するのに適(てき)した海に放流し、自然の海で成長したものを漁獲(ぎょかく)することです。
養殖漁業は、出荷(しゅっか)サイズになるまでを水槽(すいそう)やいけすで育てます。即(すなわ)ち、魚の子供の頃から大人になるまで、人の管理下で育てられています。
一番大きな違いは、栽培漁業では魚を海に放流しますが、養殖漁業は魚を水槽などで育て、放流はしないというところです。
漁業・養殖業の生産量のうち養殖業は約25%を占(し)めています。
参考
水産庁水産白書
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/index.html
ということで、赤ちゃんから子どもまで育てて放流するのが栽培漁業。子どもから大人まで育てるが放流しないのが養殖です。
協会の専務理事の方にお話をうかがうと、ヒラメやマダイ、サザエやアワビは漁獲量において天然の魚に比べて放流魚の方が割合がはるかに多い実態がわかりました。
赤ちゃんと書きましたが、魚の成長過程を学術面で表現すると仔魚(しぎょ)・・・孵化直後から各鰭の鰭条が揃う直前までの魚. ・稚魚(ちぎょ)・・・各鰭の鰭条が揃うが体の多くの部分が発育途中の魚. ・幼魚(幼魚)・・・種の特徴がほぼ分かる体つきだが体形や模様が成魚とは異なる魚. ・若魚(わかうお)・・・外見は成魚と変わらないが繁殖の準備が整っていない魚
そして幼稚仔(ようちし)保育場という言い方もするようです。
運営には育てた魚介を漁協に販売する事業収益、漁協等からの負担金、遊漁船や釣り人からの協力金などがあてられますが、コロナ禍のもとで漁獲高(量ではなく金額換算するもの)が下がっている中でとても運営が厳しい状況にあることをうかがいました。県とのかかわりなど続きは委員会質疑で取り上げていきたいと思います。
この日は併設の水産技術センターも少し見せていただき、あこがれのムラサキウニをみることができました。ムラサキウニに関しては後日。