朝鮮学校差別の根っこに。生徒たちと対話
川崎や相模原でヘイトスピーチが相次ぐ中、行政が差別を行っている現場、朝鮮学校を県議団と野末明美予定候補、白井横浜市議も誘って5月23日視察させていただきました。
神奈川区にある横浜朝鮮中高級学校。この学校がある坂のふもとあたりに朝鮮総連の事務所があり、なんと毎週ヘイト街宣が行われているとのことでした。視察や懇談、記念行事と何度か来ていますが今回は授業を見てくださいと言っていただき、初めて中学生高校生の授業を覗かせていただきました。どこの教室も少人数で先生との距離が近くいい感じでした。母国語で楽し気にやり取りする姿に民族教育の場の意義を感じました。
前回70周年記念の時に、大勢の方の寄付を集めて3億円かけて校舎の大改修に取り組むときき、少し安心しました。神奈川県が経常費補助に引き続いて学費補助も絶つ事態となって、年間6000万円の支援がなくなりました。耐震診断することもましてや改築する財源もない…。水道が壊れても雨が漏っても対応は保護者や先生による…先生の人員削減、給料のカットや遅配もあるという。小学校でも月に3万円、中高では4万円の学費がかかるという。
朝鮮学校補助金問題は、私が議員になって一番に取り組みたかった課題であり、取り組んできた課題です。いろいろな経緯は前出、前前出のブログに詳しいので今回は省略しますが、官製ヘイトともいうべき、人種差別であり民族差別、国際的恥だと思うので。









拉致問題を教科書から削ったと言って、それを書いた教科書をつくることを条件に補助金交付するという神奈川県。
かつて日本が朝鮮半島で何をしたか。慰安婦や強制連行の都合の悪い事実を政府が葬り去ろうとしているのに、干渉してはならない私学教育の中身に立ち入り、教科書改訂を条件にする…。しかも全国一律の教科書編纂委員会が編纂するというが、朝鮮学校側が毎年要望しても、人材も財政もなくて教科書改訂がかなわない。県の要望に応えようと副読本まで作成して活用しておられるのに。原爆投下を教えたかとインターナショナルスクールに干渉したりしていないのに。
生徒会の子たちと話しました。日本で生まれ日本で育ち、民族の誇りをもって日本で生きていくと語る子どもたち、日本と朝鮮の懸け橋になりたいと語る子もいました。補助金復活を求めるスタンディングでは、応援してくれる日本の人がたくさんいると励まされるという子どもたち。学校の先生は「子どもたちが本来勉強したり部活したり遊んだりする時間をこういう運動に費やさなければならないことがかわいそう」と。子どもたち全員が語った言葉は「なぜ」でした。なぜ朝鮮学校だけが差別されるのか。高校無償化からも、幼保無償化からも、コロナ禍、大学への補助金も、隈なく差別。
なぜの答えを知っています。仮想敵国がいた方がいい。とんでもない国だと刷り込みたいのでしょう。軍拡に前のめりな現政権ならばこそ。
拉致問題を解決するためにも、そのためにこそ、差別はやめてどこの国の子もたいせつにして、拉致被害者返還の外交努力をするべきです。私はそう思います。共産党の安全保障の提案と同じ。敵国を憎悪する関係はよい結末を招かない。包括的な、信頼と友好に基づいた国際関係を構築していきましょう。
政治的な問題だからと議会で取り上げない議員団もあるようですが、全国では取り上げ続けている議員団もあります。国が補助金を出さなくても自治体が支給しているところもあります。入国管理局問題もそうですが、悪しき島国根性と政治的思惑で朝鮮学校差別を作り出している現政権と、それに乗せられるこの社会、本当に変わらなければなりません。差別はやめようと美しいことをいう政治家が朝鮮学校補助金問題を問題視しないいびつさ。闇は深い。
国連人権委員会から勧告を受けても、神奈川県弁護士会から警告がでても差別を続ける根性とは…