大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

岡本はじめさんと黒岩知事の言葉から

ブログコメント2

 

 

今回の記事は過去最長かも。

県知事選挙、共産党推薦の岡本はじめさんは新聞報道では共産党以外の無党派層に支持が広がらなかったという表現がされており、私は憮然とした思いでいたのですが、岡本さんから関係団体へ届いたこの文はぜひ多くの方に読んでいただきたいと思ったので載せます。岡本さんが願った県民が大切にされる県政実現、私たちが引き継いで参ります。→

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県知事選挙ご支援へのお礼

2015年4月14日

岡本 はじめ

 

4月12日投開票された神奈川県知事選挙の結果は、私、岡本はじめは66万5751票、得票率23.3%を獲得し、過去最低の低投票率(40.72%)のなかで、前回「明るい会」陣営得票を大幅に上回る得票数、率をかちとることができました。

ご支援いただいたみなさんに心からの感謝を申し上げます。

 

私はこの県知事選挙を、

第1 に、安倍政権のすすめる戦争への道、ファシズムの道に痛打を与え、安倍政権打倒の国民的大運動の画期となるような選挙にする。

第2 に、認可保育園増設、少人数学級、中学校給食、全日制高校への希望者全員の入学、中学卒業までの子どもの医療費・65歳以上の医療費無料化、生活困窮者への医療費・保険料無料、商店リニューアル助成、住宅リフォーム助成などで、憲法25条の定める健康で文化的な最低限の生活の保障。

第3 に、公契約条例と併せて全国初のディーセントワーク条例の制定をかかげ、誰もが30歳までに年収300万円以上の神奈川。若者が安定した仕事に就いてまともに暮らせる賃金を得て、結婚して子育てできる神奈川を全国に発信する。

第4 に、以上を通じて多くの県民の支持と共感を広げ、会を構成する各組織の強化・拡大、共闘の広がりをはかる。特に会の一員である日本共産党の県会・政令市議会の議席の大幅増に寄与する。

の四点を目標にたたかってきました。

 

全県を駆けめぐり、多くの県民に政策や思いを訴え抜いて、私たちの声が届いたところでは確実に支持と共感が広がり、行く先々で若者や子育て真最中の男女、高齢者から切実な要求の実現を訴えられ、必ず投票すると話してくれました。

共産党支持者以外の無党派層に支持が広がらなかったという新聞報道などは事実ではあません。単純に比較はできませんが、昨年末の総選挙では日本共産党の比例の得票率は12.23%であり、私の今回の得票率はそれに10%上乗せしています。

 

選挙結果を見ると私たちの政策や声が届いていない人がたくさんいることがわかります。自分ひとりが投票したところでは政治は変わらないとあきらめている人に、知事が変われば確実に子育てしやすい神奈川、お年寄りに優しい神奈川にすることが出来る、青年の雇用も賃金も改善できることを訴えきるには、もっともっと自力をつけることが必要です。また、今声を上げなければ日本が危険な戦争の道に突き進むことになってしまうこと訴えきることも出来ませんでした。

 

黒岩氏圧勝再選の新聞の見出しもありますが、黒岩氏を積極的に支持したのは全有権者の26.6%にすぎません。

 

当初掲げた目標から見ると、

集団的自衛権の発動、憲法9条改悪、労働法制改悪、原発再稼働、沖縄への新基地押しつけ反対、県内基地の撤去、消費税増税、社会保障改悪反対等でたたかってこられた皆さんに、自分たちの意思を表明し、周りに拡げていくという点で、明確な立場を掲げた候補者が出たことで、運動や共同の広がりに貢献できたのではないかと思います。

県民向け施策のあまりの遅れについては、選挙戦を通じて広範に明らかとなり、今後の運動や要求前進の大きな力になると思います。

ディーセントワーク条例はマスコミにも何回も取り上げられ市民権を得て、今後神奈川県でも他の自治体でも、実現に向けた取組みが始まると思います。

会の構成メンバーでは選挙と併行して組織拡大の取組みがすすめられているところもあり、大変だったと思いますが、相乗的な効果を発揮されたところもあったと思います。

 

そして県知事選挙と併せて取組まれた県会議員選挙と政令市議選挙で、会の構成メンバーである日本共産党が全国的にも大きく前進する中で、神奈川でも県議がゼロから6人、横浜市議が5人から9人、川崎市議が10人から11人、相模原市議が4人から5人と、前回比で大きく躍進し、また当選には至らなかった人でも大きく躍進された方も多く、これらに多少なりとも貢献できたのではないかと喜んでいます。

 

選挙戦の冒頭に「安倍政権打倒の国民的大運動の画期となるような選挙にしよう」、最終盤に「あのとき歴史の潮目が変わったと胸を張って喜び合える選挙にしよう」と訴えましたが、その結果は今後の取組みによりますが、その可能性が出てきた選挙になったと思います。

 

今後とも掲げた目標に向かって奮闘することを表明し、かなりの長期にわたり、県知事選挙に取り組んでいただいた皆さんと、支持していただいた皆さんに心からお礼を申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

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一方再選なった黒岩知事。共産党との論戦を楽しみにしていらっしゃるのは、こちらも同じなんですけれど、(ちなみに私、過去に文中にある「知事との対話のひろば」で3回も指名されて話したことがありますが双方向のやりとりというよりは私の質問に知事が返して終わりで反論がゆるされませんでしたので、知事の宣伝の場という趣がありました。)

注・太字は私が加工しました。

定例記者会見(2015年4月12日)結果概要 掲載日:2015年4月15日

発表事項

 (2期目に当たって)

 本日は、選挙後初の定例会見でもありますので、私の実質的な2期目のスタートの会見でありまして、まず、私の方から2期目に当たって一言申し上げたいと思います。 皆様のおかげをもちまして、219万5,000票を超える得票を頂きました。本当に、こんなに多くの県民の皆様からご支援を頂いたということ。その重みというものを、本当にヒシヒシと感じているところであります。投票率は、残念ながら、前回よりも下がってしまいましたが、下がった中でも、これだけの数の皆さんが応援をしてくださったということ、本当にありがたいことだなと思っているところであります。 これまでの4年間で、培ってやってまいりましたさまざまな政策、特に成長戦略の基盤をつくるといったもの、そして、これを次の4年をかけてしっかりと実現をしていきたい。そういったメッセージが県民の皆様に受け入れられたというふうに思っています。 これまでの4年間を評価していただいたということは間違いないと思いますが、それだけではなくて、それを具体化することに対する期待の声が大きかったというふうに受け止めておりまして、それを本当にしっかりと形にしていくために全力を注いでいきたいと考えているところであります。 ただ、投票率の低さというところ、これは非常に残念なことでありました。これは神奈川県だけのことではなくて、全国的な傾向となっているようであります。ただ、神奈川の場合には特に11の県議選の選挙区で無投票当選ということになりました。それぞれの分析を見てみましても、県議会選挙が早く終わったところは投票率が非常に低くなっていまして、やはり全体の足を引っ張っていると、そういう形になってしまいました。 私も、何とかしてそういう傾向に歯止めをかけたいという思いで県内各地を回りまして、選挙ムードを盛り上げるということにもかなり意識をしながら回ってまいりました。だんだん後半に至るにあたって、私自身が感じる盛り上がりというものは、どんどん出てきたというふうに思っているところでありますが、残念ながら前回よりも下がってしまったということ。しかし、こういう民主主義の原点というのはやはり選挙に行くということでありますから、これは、今後も皆さんの関心をしっかり集めていくために、さまざまな施策をしっかりとやっていきたいと思っております。 それとともに、今回、初めてネット選挙というものを行いました。フェイスブック、ツイッターで、随時、随所で私自身がつぶやいて、そして、発信すると同時に、スタッフの方もさまざまな形で情報発信してくれました。そんな中で、いろんな所で出会いがありましたが、その出会った方が、また独自の発信源をもって情報を出してくださるということでどんどんつながってくる感じというもの、これは非常に大きな力になると思いました。 そんな中で、どんなふうに皆さんが具体の関心を持ってらっしゃるのかということについて、我々、ずっとネット選挙を分析しながらのキャンペーン展開となりました。そのときに、どのテーマに最も今、関心を持ってらっしゃるのかということ。それは、選挙のときのホームページ、政策集も出しておりましたけれども、それが今、どのタイミングで、どの政策に対して、どんな方たちが関心を示しているのかということを随時分析しながらキャンペーン活動をやってまいりました。この手法というのは、選挙のときだけではなくて、これからの県政運営の中でも、十分生かしていける形かなということを感じた次第でありました。 そういうことによって、今後、きめ細かい県民の皆様のニーズに応えられるような、そんな県政運営を、このネットを使った形での新たな展開というものもしていきたいと考えているところであります。 それとともに、私自身、今回、あえて県民の中に自ら裸で飛び込んでいくと、そういうふうな選挙展開をしました。それは、なぜかというと、途中で感じたのですが、知事というのは県民の皆様からとってみれば、ちょっと遠い存在だと。何といっても910万人も人口がいらっしゃる中で、なかなか直接お目にかかる機会も少ない。 そんな中で、道を歩いている方に、道路でも駅でも商店街でもどこでも飛び込んでいって、そして、手当たり次第といったら変ですけれども、次々握手をしてまいりました。この握手をしてくださる方が、自分が想像する以上に多かったということは、大変大きな励みにもなりました。それと同時に、その握手をした瞬間にいろんな生の声を聞かせていただきました。その生の声を直接聞けたということは非常に大きな収穫だったと思っています。  私は、なるべく県民の皆様との対話というものを重視したいということで、従来から「対話の広場」というものも何度も開催して、4年間で3万6,000人の方と直接対話もしてまいりました。しかし、わざわざその「対話の広場」に足を運んでくださる方というのは、やはりある程度限られた方であります。その街にいらっしゃる方に、私のほうからどんどん飛び込んでいくと、「対話の広場」だけではなかなか聞けなかったような生の声も聞かせていただきました。 その中で、特に印象に残ったのは、生活の困窮を訴えるという悲痛な声でありました。「年金を3万円しかもらっていないのですけれども、どうしてやっていけばいいのでしょうか。」ということをいきなり言われて、すぐに返す言葉が出てこなかったということもありました。 私は、大きな経済の成長のエンジンを回していくんだ、それがどんどん回っていけば、その恩恵は必ず皆さんのところに届くんだという思いで訴えてまいりました。そのこと自体は決して間違っているとは思っていません。これからも成長戦略の基盤づくりが終わった、これを具体化していく、そして、経済のエンジンを回していく。これは徹底的にやっていきたいと思っているところではありますが、それはそれとしながら、生活困窮されている皆さんのところまで、その恩恵が及ぶというためには、もう一つ二つ、知恵を絞るということが必要なのかなと考えておりまして、そういったことをやっていくというのも重要な課題だということを感じました。 私はもともと、ジャーナリスト出身、キャスター出身でありますから、取材ということによって自分が次の目標を見つけてくるということでありますので、今回の選挙戦も最終的に振り返ってみますと、17日間を通した取材活動だったのかな、そんなふうに思っているところでありまして、ここで得たものをしっかりとした形にしていきたい。そんなふうに考えているところであります。

知事出席主要行事

 なお、本日、発表事項はありませんが、知事出席主要行事につきましては事前送付した資料のとおりです。

質疑

(人事、予算について)

記者: 当面の県政の日程を考えると、選挙後に回すことになった春の人事とか、肉付けの補正、このへんというのは2期目のスタートに当たって、非常に重要な意味を持ってくるかと思うのですが、それらに関しての、現時点での知事のお考えをお聞かせください。知事: 退職等に伴う人事異動、これは4月1日に実施しましたが、定期の人事異動、これは知事選挙の関係で、選挙後に実施するということにしております。速やかに実施できるよう、スケジュールを調整していきたいと考えていますけれども、できれば6月1日実施をめどに考えていきたいと思っているところであります。 きょう、県庁職員に対する訓示でも申し上げたのですが、「脱・役人体質」、「燃やせ、役人魂」ということも言ってまいりました。そういったことも踏まえながら、それにふさわしい人事を考えていきたい、そんなふうに思っているところであります。 予算の件でありますけれども、これも、知事選挙がありましたので骨格予算という形にしておりまして、このあと、肉付け予算といったことにつきましては、これから関係部局と調整を進めてまいります。提案の時期でありますけれども、できるだけ早くということを考えています。6月補正予算で提案することも視野に入れながら、検討してまいりたいと、そのように考えています。記者: 6月補正予算も視野にということですが、予算の方向付けというか、性格的なもので、今、イメージしているものはありますか。知事: これから何をやろうとしているのかということは、大体、メニューは全部お見せしていると思っています。政策集にも出していますけれども、三つの大きな課題を乗り越えるのだということ。新しいエネルギー体系をつくるということ、それから、超高齢社会を乗り越える神奈川モデルをつくっていくということ、外国人観光客をどんどん集める国際観光戦略拠点をつくっていくということ、これを成長戦略と位置付けまして、その基盤ができた。それを具体化していくということが、これからの仕事ですというふうに申し上げましたが、今度の肉付け予算といったものも、そういった内容に沿ったものになるというふうにお考えいただければと思います。記者: けさの職員の方への就任あいさつの中で、減点主義ではなくて加点主義、そんな人事評価のようなものを考えなければいけないというようなたぐいの発言もされていたと思うのですが、人事評価制度で、何か新たに考えているものはあるのでしょうか。知事: 今、おっしゃるとおり、減点主義から加点主義へということです。これは、さまざまな企業等々で行っている人事評価システムというものも参考にしながら、早急に検討してまいりたい、そんなふうに考えています。記者: 新しいものをということですか。知事: そうです。

(生活困窮者への対応について)

記者: 2期目の課題として、選挙戦を通じて見えてきた生活困窮者のところですが、これから知恵を絞って経済のエンジンを回していくのと同時に、その人たちに恩恵が及ぶための知恵を絞っていくとのことですけれども、今の時点で何かお考えとか、あるいは補正のところに絡んでのお考えですとかありましたら、お願いします。

知事: いろいろな形のものがあり得ると思います。まず、原点としては、経済のエンジンを回していくことによって、ある程度、ゆとりというものを全体に持たせるということは、非常に重要なことだと思います。みんなが、大変だ、大変だという状況になっていたときには、なかなか血液が皆さんのところに回っていくという形になりませんから。ゆとりができるという中で、そこで生まれたお金をどのように回してくるかというところの工夫です。 これは実は私自身の以前から持っていた課題でもあったのですけれども、私、アメリカのワシントンに2年間おりました。アメリカというのは、非常に競争の激しい社会であります。競争社会、格差も確かにあります。しかし、格差もあれだけある中で、それが大きな社会問題となるのをうまく避けていく取組み、そういう知恵が実はあるわけです。ここが面白いなと思ったところでした。 その困窮者の方に対して、政府が徹底的に支援するのかといったら、必ずしもそうではないです。そうではなくて、民間のお金というもの、ビジネスで成功したというふうな人たちのお金とかというものは、うまく皆さんのところに回っていくような、そういう仕組みが実はあるわけです。 これは、向こうではNPOといっています。日本でいうNPOとは若干ニュアンスが違いますけれども。日本でいうと「官」と「民」。「官」か「民」か、という中で、もう一つ、「NPO」という第三極、こういう捉え方があります。そういう捉え方の中で、この官から民へだけではなくて、NPOを通してそういうものを支えていくという、そういう一つの流れがあるわけです。 だから、そういったものをしっかりと県としての枠組みづくりという中で、工夫ができるのではないかというふうに思っているところであります。

(知事選挙の結果について)

記者: 先程、投票率が下がったことについて、全国的な傾向だとか、県議選の無投票が11あったことが原因というようなお話もあったのですけれども、県議選の無投票だった所以外をみても、軒並み、ほとんどの所で投票率が下がっていることについては、どういう原因が考えられるかと思ってらっしゃるのかということと、無投票の所で20パーセント前後、一気に下がっていることを考えると、県議選との同日選挙でなければ、首長を選ぶ選挙なのにもっと投票率が低かったということも想定されるのですけれども、こういった首長を選ぶ選挙がこれだけ投票率が下がるということはどういうふうにお考えですか。知事: これはまさに、皆さんに聞きたいくらいな感じです。どうしてなんでしょうか。そもそも、投票率が上がるときは、どういうときかと考えたときに、やはり目が離せなくなるというか、つまり、意見の対立が非常に先鋭的で、どっちになるのだろうというふうな、ある種の緊迫した状況だったらば、皆さんも関心をもって、「私はこっちだ、じゃあ私はこっちだ」というふうな形での投票行動につながるということは容易に想像ができます。 ただ、今回、投票率が低かったということは、日本全体的に見て、今の気分としては、こっちか、こっちか、という感じではないということではないでしょうか。それは、要するに何なのかというと、これ、いろんな側面があると思いますけれども、基本的に、株もかなり上昇してきたという中で、いわゆるアベノミクスの効果というもの、これを皆さんがやはり実感し始めてきているのかなと。それで、賃上げといったことも行われてきたという中で、何となく、経済のパフォーマンスが上向いているという状況で、右か、左か、とかという、こういう対立構造は、今、見えにくくなっているということが、大きな要因ではないのかというふうに思います。 それ以外の、いろんな課題、憲法の問題はどうするんだとか、安全保障の問題はどうするんだとか、さまざまな問題もあるわけでしょうけれども、やはり、今、皆さんの一番の関心事というのは、経済、これがやっと上向いてきた、この感じを何とか、というふうなことが中心だったのかなと、だから、論点としては、あまり先鋭化しなかったということが原因ではないかと私は思っています。

(政策について)

記者: 今回、マニフェストというか、政策集で発表された中で、あまりがちがちに固めるよりは旗を振ることを目的としているということで、数値目標とかも最小限にしか触れなかったりしたと思うのですけれども、この選挙戦、17日間を終えて政策論争、政策への関心というものが高まったというふうにお考えでしょうか。知事: マニフェストという形に対して、私は転換点を迎えているのではないのかということ、前も、選挙戦を始まる前から申し上げました。数値目標というのは、私は、出せるものはかなり出しているつもりではいるのですが、ただ、私の4年間を振り返って見てみたときに、今から考えて見て、今、メインでやっている政策、4年前にあったのかというと、エネルギー政策以外はほとんどなかったです。 今、言っている、ヘルスケア・ニューフロンティア、超高齢社会を乗り越えるモデルをつくるんだと、例えば、ロボット産業にしても、4年前、ロボットのロの字も言ったこともなかったわけです。それが、今、こんなにメインのところにきている。あの当時、未病という言葉も使っていませんでした。それが、未病というものは、産業だ、未病産業だ、なんてことで動いている、ということもあって、やはり、時代の流れはそれだけ速いということを実感している次第です。 ですから、いわゆる計画経済的な、ここまで何年間で、こうやってやるんだ、数値をずっと出していって、というよりも、機動的に、流れにあわせて動いていくぞという、そういう姿勢を見せたいということでやってきているわけでありまして、だから、今までのマニフェストとは少し一線を画しているということだと思います。 そんな中で大きな方向性を見せているということです。大きな方向性は見せている中で、新たなことにどんどんと取り組んでいこうということだと思うわけです。 大きな方向性、一言で言ってしまえば、「いのち輝く神奈川」と、ヒト・モノ・カネを集める「マグネット神奈川」、この二つのメッセージに集約されるわけでありますが、そこでさまざまな具体の政策の項目を書いてあります。 それで、我々が気を付けた部分は、パッと見ていただいたときに、チラシの1枚の中で織り込めることは限られています、そんな中で、関心を持っていただいたことはネットで次のところにいって見れば、いろいろと具体策も書いてあるという、そういうふうな仕掛けにしたわけです。 そんな中で私自身が飛び込んでいって、街で、従来型だったら街頭演説でこうやってやったのでしょうけれども、あえてそういうことよりも、直接飛び込んでいって、直接のスキンシップによって、まずは関心をもってもらって、というところでチラシをどんどん配っていったときに、皆さんこうやって見てくださっていました。 じっと見てくださっている。音声としてはスタッフが呼び掛けている。「未病を治して健康長寿」というようなことをずっと言っていたりするわけで、その音声を聞いて、パッとチラシを見て、そういう中で関心をもっていただいた方は検索をしてくださったとか、というふうなことにもなっていると思いますので、これだけぐるぐる回ってきて、あれだけの大キャンペーンを行ったという中では、それはやる前とやった後では政策の浸透度というのは相当違うと思います。 ですから、ある程度、言葉も聞いたなという感覚でもいいと思います。何かそういうことをやろうとしているのか、大まかなイメージでいいのですけれどもつかんでいただいたということであったら、これからそれを、実はこういうことだったのかという具体的な策をどんどん提示していきたい、そんなふうに考えています。

(県議会議員選挙の結果について)

記者: 最後に今回の県議選の結果についても何かご表明があればお願いしたいのですが、例えば、自民党が議席を伸ばしたり、共産党が6議席取ったり、第三極がなかなか伸びなかったりとか、いくつかポイントがあると思うんですけれども、今回の県議選の結果をどう見てらっしゃるかということと、今後の議会との関係が何か変わるとうふうに考えてらっしゃいますか。知事: 今回、一番大きな出来事というのはやはり共産党が0から6議席になったということです。私自身、4年前に知事になったときに県会議員に共産党の議席がないということを知って相当びっくりしたことを覚えています。 神奈川県という、これだけの規模であって、こういう感じの県だったら、当然、共産党の県会議員がいらっしゃるものだと思っていたのに、いなかったということです。そのことによっての県議会との関係性、おかげさまでほとんどの方から支援をしていただいて、これまではなっていたわけです。当時、私は、ある種オール与党みたいな感じで臨んでいたらば、実際に議会に臨んでみると、全然雰囲気が違うというか、議会というものは、国会とはやはり全然違って、地方の議会というのは二元代表性だということなので、与党であっても論戦の中ではかなり野党的にアプローチしてくるということがあって、最初は大きくとまどいましたが、「あっ、そういうものなんだな」というのが分かってまいりました。 激しいやり取りをやってきた中で、最後は予算案にしても、人事案件にしても、いろんなものにしても、賛成してくださるということが多かったわけです。ただ、今回、共産党が6議席取られたということは、これまでの議会運営とは変わらざるを得ないだろうなと思っております。 ただ、それがどんなふうに変わってくるのかということは、実際に始まってみなければ分からないところでありますので、私としてはどんな議席構成になろうとしても、県議会の皆様に対してはしっかりとお答えしていく、それをやはり徹底していきたい。 私自身は県庁の職員にもいつも言っているのですけれども、議会の論戦というのは聞かれた議員に対して答えているわけではないんだと。聞かれたことに対して私の答えは、県民の皆さんに答えているんだ、ということですから議会の構成がどうあろうと、きちっと説明責任を果たしていくという、その方針には何にも変わりはないと思います。記者: 今回共産党が6議席取ったということは、どういう民意の表れというふうに分析されているかということと、今回知事選で対抗馬だった方は共産党の推薦を得ていたわけですが、従来の共産党の、衆院選の比例で取っている票などと比べると、ずいぶんと得票を伸ばしているかなという気もするんですけれども、そういった票が増えているということについてはどのような民意の表れというふうに思っていらっしゃいますか

知事: こういうことも本当は皆さんと意見交換をしたいぐらいなところだと思います。皆さんご自身がどうしてなんだろうなと思っていらっしゃるのではないでしょうか。ですから、カチッとした答えはきっとないとは思いますけれども、私自身が思っているのは、やはりこれまで、二大政党制的なる感じという中で、論戦というものが明確になっていた。 そうした中で、かなり、そういう感じが崩れてきて、自民党が巨大になってきている、与党がすごく大きくなってきた。それに対する、対抗する部分が、対抗するぐらいの固まりになってきていない、しかも、これは国政の話ですけれども、今の野党も政権運営というものをやったと。昔の、要するに、自社対決みたいな、55年体制というと、もう徹底的な、政府与党側と野党側というのは、はっきり分かれてやっていたんですね。ところが、政界再編もいろいろあり、政権運営を経験した人たちがたくさん出てきたという中で、かなり皆さん、ある種の理念だけで、イデオロギーだけでぶつかるということができなくなってきている、そういう流れで、明確な対立軸というのはどこにあるんだろうという中では、やはり共産党というのは、ある種はっきりしているというところではないでしょうか。 だから、そこに対して、最近そういう言い方をしているのかどうか分かりませんけれども、確かな野党とか何か言っていました。やはり、一つの軸というもの、それが見えているというところに対しての、期待をされている方もいらっしゃるということではないのかというふうに受け止めています。

(生活困窮者への対応について)

記者: 先程からお話になっている、生活困窮者、いわゆる社会的弱者の方々に対する支援ですが、これは、選挙戦を聞いていて、あるいは1期目の会見とかで聞いていて、知事が言わなかっただけかもしれないですけれども、多少唐突感があるというふうに個人的には思いまして、こういうお話をされるというのは、1期目でその部分が弱かったということなのか、あるいは対立候補がここの部分をかなりやり玉に挙げていたと思うんですが、要は、現職は福祉が弱い、後回しというふうな話を、ずっと批判されていたと思うのですが、そこに対するカウンターなのか、あるいは、選挙期間中の中で知事がおっしゃったように、月3万円で暮らしていますというような方々の話を聞いて、そういうふうなことになった、これはどれなんでしょうか。知事: 私はもともと「いのち」、平仮名で書いた「いのち」輝く神奈川をつくりたいと、ずっと言っているわけです。「いのちが輝く」ということというのは、まさに生活困窮されている方も、「いのち輝く」ような、といったイメージでずっと自分では持っていたつもりでした。それが、皆さんにどれだけ理解をしていただいたかというのは、別として、突然生活困窮者のほうに目を向け始めて、それを言い始めたということではない、自分の中にはずっと、もともとあったつもりです。 ただ、それはそれとしながらも、ある種の取材活動、先程言いましたけれども、生の声をいっぱい聞いてきた中で、そういった声を発する方がたくさんいらっしゃったということです。私の県政運営4年間に対しても、いろんなご意見も頂いたし、それから、相手の候補もいろんなことをおっしゃっていたという中で、自分の中ではもともと思っていたのですけれども、それが十分伝わっていないということであるならば、やはりそこのメッセージは、今回受け止めたということも含めて、しっかり出したほうがいいかなというふうに思って、今、申し上げているところです。

(成長戦略について)

記者: 分かりました。そこのところで関連するんですが、成長戦略のところで、ここもかみ合っていたかどうかは別にして、選挙戦中は、議論があって、成長戦略の部分で対立候補から批判を受けたということなんですが、要は、言ってしまえば大企業優遇だという話ですね。4月9日のブログでも、これ、お答えをいただいているのかもしれないですが、要は、成長戦略は大企業だけではなくて、中小企業とか零細企業、商店、農業、漁業等にまで波及効果がある、それはなぜかというと、いずれ波及効果がありますというふうにお答えにはなっているのですが、ここの部分で多分、ちょっと答えにはなっていないと思うんですけれども、つまり、例えば成長率が6パーセントだ、7パーセントだというのであれば、トリクルダウン、それは可能かとは思うんですけれども、現状の低成長率しか望めない中で、波及を求めるというのは、要は、少ない果実をどう分配するんですかという話になってしまって、ちょっとこれは、反論にはなってないと思うんですけれども、成長戦略はどうして社会的弱者の果実になるのかというところをちょっとご説明ください。知事: これ、逆に本当は論争したいくらいですね。だったら、成長はしないほうが、中小企業の救いになるのですかという話。私はそうは思わないです。今、マクロ的におっしゃいましたけれども、成長戦略という中で、今、全部具体策があるわけです。例えばロボット産業、どんどんやっていこう、生活支援ロボットというものを、これをどんどん開発して製品化していこうという話を今しています。 そんな中で、ロボット産業というのは、これからの大成長産業だと思います。そうすると、では、どうやって、どんな企業がそのロボット産業に参画できるのかというところ。なぜ、そもそもさがみロボット産業特区という、あのエリアにその特区を持って来たのかというところです。それは、あのとき、もともと一番最初から申し上げたのですが、圏央道、その周辺だというところです。あそこのポテンシャルは何なのかといったときに、まず申し上げたのは、あそこにたくさんある中小企業のさまざまな技術、きらりと光る技術、そんな蓄積、集積がもともとあるんだというところです。それと、研究所なんかも集まっている、あとJAXAもあるという、そうした潜在力をどうやったら生かしていけるのかといった中で、一つの形として、ロボット産業といったものを、提起したわけです。 それをどんどん加速させていくために、あえてさがみロボット産業特区といったものに手を挙げて、全国からの激しい競争ではありましたけれども、勝ち抜いて特区をとることができた。その特区を取るプロセスのことを考えてみても、もともと中小企業の持ってらっしゃる、きらりと光る小さな技術をどんどん花開いてもらおうということでつくった大きな方向性、それが成長戦略といっているわけでありまして、例えば、ある町工場で小さな部品を作ってらっしゃると。これは車のある種の部品だったと。ところが車の部品だけだと、車の形も随分これから変わってくるという中で、その部品がいつまで要るのかどうかみたいな問題も出てきます。それが、新しいロボット産業といったときに、その部品が実は車ではなくてロボットのこの部分に使えるんだ、なんてことが、実はたくさんあるわけです。 ですから、中小企業の方に恩恵が広まるようにということをもともと考えてやっている政策が成長戦略です、というふうに申し上げているところです。 例えば観光にしてもそうです。私が商店街観光ツアーとずっと言ってきて、それを実験的にやってみたら、かなり大好評です。私も今回いろんな商店街を巡りましたけれども、やはり商店街は面白い。非常に創意工夫で頑張ってらっしゃる商店がすごく面白いです。生活の香りがするというところ、そこにどんどん観光拠点としての商店街、これから外国人観光客を呼んできても、それに皆さんを商店街にお連れするというようなツアーも組んでいこうといったときに、商店街が活性化してくるというところが成長戦略だといっているのでありまして、成長戦略が大企業のためだけにあるというのは全くの誤解です。記者: 先程、アメリカの話をいただいたのですけれども、成長戦略の果実というのは、NPO、サードパーティーの活動もあるんでしょうけれども、基本的には、そういうまだ果実が行き届いていない人たちのところに分配するというイメージでよろしいでしょうか。成長戦略の果実というのは、つまり、どこに分配するのかという話なのですけれども。それは、例えば生活困窮者であるとか、中小企業零細の方々とか、そういうところに配分するように施策を打っていくということでしょうか。

知事: 別に県がそのように配分することは特に考えていないですその全体のパイを大きくするということ、それが皆さんのところまでに及ぶためには、ひと工夫、ふた工夫がいるのではないでしょうかという、こういう話をしているのです。そこに思いを致すかどうかといったことで、だいぶ違うと思いますけれども。

(知事選挙の結果について)

記者: 選挙結果の話をお聞きしたいのですけれども、念のため、何度もお聞きしているかと思うのですが、得票数が219万票、得票率が76パーセント、絶対得票率でいうと約30パーセント、投票率が40.71パーセントですか。という数字は例えば、知事が歴史に残るという言い方をされているので、ざっと見ると、長洲一二さんが3回目、今回と同じく、現新一騎打ちのときが、238万票の得票率が86.69パーセントとなっているのですが、こういう歴代の知事と比べて今回の成績というのはご自身で満足のいくものだったというふうに考えてらっしゃるのでしょうか。(※)知事: 219万票も頂いたということは大変重いことだというふうに思っています。長洲さんのその選挙というのは3期目の挑戦ですね。私の場合は2期目ということです。しかも投票率は、当時はもっと高かったのではないでしょうか。当時はもっと、いわゆる政策論争的なるものといいますか、ある種のイデオロギー体質的なものがあった時代で、今と状況が随分違うのではないでしょうか。 その過去と比べるというのはなかなか私もよく分かりませんけれども、私がやろうとした、4年間でやってきたこと、議会でもいろいろなお話もありました。皆さんからもいろんな評価もありました。しかし、結果的に多くの皆さんが、やってきたことを評価してくださったという結果だと思っていますので、大変ありがたい結果、数字だと思っております。記者: 選挙戦後半のほうで、得票数は今後4年間の経済のエンジンを回すための燃料だというふうにおっしゃったのですが、この219万票というのは、この4年間、経済のエンジンを回すための、燃料足り得るとお考えでしょうか。知事: これは圧倒的なるご支援を頂いたと私は思っています。200万票を越えられるかと皆さんからいろいろ聞かれましたが、また余計なことを途中で言うと、あとでいろんなことあるかもしれないと思って、あえて、口にはしませんでしたけれども、自分の中で200万票というのは自分の中で一つのバロメーターかなと思っていました。それを下回るとちょっといろいろと言われるかもかもしれない、200万票を超えるということが一つの目標だなと自分の中ではひそかに思っていました。 そんな中で、それを20万票近く上回るといったことは、私の言っていた圧倒的なご支援を頂きたいという中での、圧倒的なご支援を頂いたと、結論としては受け止めていますので、もう、あとは迷うことなく、経済のエンジンを回すために成長戦略の具体化、全力を挙げて取り組んでいきたいと、そう思っているところです。(※)絶対得票率:有権者数に占める得票数の割合

(中小企業への支援策について)

記者: 先程、やっと景気が上向いてきたというふうにおっしゃいましたが、まだ中小企業にとっては厳しい状況が続いていると思うのですけれども、これからどんな支援策を立てていかれるのか、具体的なものを教えてください。知事: 先程申し上げたことが全部つながっていると思うのですけれども、今やっている県の施策、大きな方向性を向いているという、この三つの大きな課題、これを乗り越えていくプロセスそのものが成長戦略ですといったことの正しいご理解をいただくことによって、ビジネスチャンスがこんな方面でこんなふうに広がっているのです、ということをしっかりとこれからもご説明していくということが、まずは基本だと思います。 それから、中小企業の支援策といったことについて、本当に困窮されている中小企業がまさにあるかもしれないし、今、ちょっと手を差し伸べれば将来は爆発する、そういうところにいらっしゃる中小企業もあるかもしれない、そういったところに対してきめ細かく、我々は目を向けていくということ、これが必要なんじゃないのかなというふうに思っています。

(経済のエンジンを回すことについて)

記者: 今回、経済のエンジンを回すということを多くのスローガンとして示したと思うのですけれども、実際に中小企業なんかに話を聞きますと、知事のおっしゃっていることは、この4年間、非常に期待感を、夢を語られたと、その中で、2期目に示したものも具体なものではなくて夢だとか期待をあおる内容が多かったと思うんですね。 実際、数字を見ても神奈川県は景気が回復しつつあるといいますけれども、全国の動向に比べて半周遅れぐらいのペースで回復傾向にあるんですね。今後4年間で知事は、景気回復を、神奈川県のエンジンをしっかり回せるのか、ここに非常に注目が集まっていると思うのですが、そのための具体策というのはいつ頃発表される予定なのか、また、今まで4年間、これは振り返ってみると経済のエンジンを回せなかった、もしかしたら回すための準備期間であったという認識なのか、そこをお願いします。知事: 経済のエンジンというのは、パッとスイッチを入れればバーンと回っていくようなそんな簡単なものじゃないとは思います。長いデフレという時代があって、そこから立ち直ってくるという中で、火を付けてパッと燃えるんだったらいいですけれども、そうではないという中で、やはり大きなビジョンを示すということは大事なことだと思います。 大きな方向性を示すということ、これは大事なことだと思います。今、目の前にある苦しい、そこを救うことで、果たして、先を展望できるのかといったところ、私はトップリーダーというものは、やはり何と言われようと大きなビジョンを示すことが大事であるといったこと、そのビジョンを示したら、その恩恵がすぐに目の前に来るのかと期待されても、それはなかなかそう簡単なものではないです。 でも、大きなビジョンを示した限りにおいてみると、それはもう、がむしゃらにそこに行くんだという鉄の意志というものを見せ続けるという中で、皆さんがだんだんとそこに参入してくるということではないかなと思います。 大きなビジョンを示していて、やはりこれはこうではなくて、次はこうです、ああですと言い始めると、成長のエンジン、経済のエンジンが一番回らなくなってくる、そんなことだと私は思っています。 それは政府も今、同じ思いでいると思います。成長戦略、経済のエンジンを回していく、そして、本当の意味でのアベノミクスの成果を出したいと言っている中で、我々は神奈川県を預かる身として、やはり同じ思いの中で県としてどんなことができるかということを徹底的にやっていくことだと思います。 ですから、対話型行政というのは、これからも進めていくつもりです。それは、私はやはり原点だと思います。今、おっしゃったようなことがあるのなら、そういう話を、直接私に話をしながら、ではどういうことが必要なのかということをこれからも模索していく形だと私はそう思います。記者: 知事が今回訴えられたようなことが全て回り出せば、例えば、経済指標なんかを見てましても、東京のほうが当然、数字が良くなっていると、景況感なんかも東京のほうが良かったりというところがありますけれども、それが神奈川のエンジンが回り出すことによって、東京の成長を上回る成長を神奈川県が実現できるのか、そのあたりについてどう考えますか。知事: それは、頑張りたいとしか言いようがないです。ただ、選挙戦の最中にも皆さんに申し上げたのですが、アップル社が横浜、神奈川に進出を決めたということです。これはどういう意味があるのかというところをしっかりと考えてもらいたいなと思います。 我々がヘルスケア・ニューフロンティアだと言っている、未病を治す、科学的に治していくんだと言っているという、大きな旗を振っている。まったく同じ思いを持っているのがアップル社です。アップルウォッチなんていう、時計をはめているだけで、まさに我々の言葉でいうと、未病という状態を日常の生活の中でデータ化していくという。だから、ヘルスケアの分野がまさにニューフロンティアだとアップル社も見ているということでしょう。それを最先端で動かしているというところにアップル社は魅力を感じて、進出を決めてくれた、それに違いないです。 つまり、そういうことの積み重ねです。企業がそういうことで、神奈川は魅力的だぞ、面白いぞと。サイバーダイン社もそうです。もともと筑波大学の先生がやっている会社ではないしょうか。それが川崎の殿町地区にサイバーダインをどーんと持ってきてくれた、藤沢に湘南ロボケアセンターで、ぼんと来てくれた。ああいうことですね。大きなメッセージ、ビジョンを示していると、それに引き付けられていろんな企業がやってくるという、ヒト・モノ・カネがまさに集まってくるということ、これが、神奈川から経済のエンジンを回していくということ。 こういう明確な形でのメッセージを出しているというのは全国でどこにもないと私は自負していますから、これが本当にうまくいけば、それはもうどこにも負けないような神奈川になっていくというふうに、私は信じています。

(生活困窮者への対応について)

記者: 生活困窮者への支援についてお伺いしたいんですけれども、アメリカでの経験から、知事が今後やっていきたいという構想を少し具体的に伺えればと思います。成長戦略だけだと末端の末端まで血液の流れが行かないから工夫が必要とおっしゃっている、工夫についてもう少し具体的におっしゃっていただきたいと思います。

知事: アメリカのいろいろな例というのが参考になると思います。これからみんなで知恵を絞ろうと。知事選が終わって戻ってきたばかりですからね。こういったことに対して県の中の職員とともに、またあらためて知恵を絞っていこうということで、その作業をこれから始めます。 ただ、先程少し申し上げたように、行政が困窮者のためにお金をどんどん出していくという形でいくというのはなかなか限界もあると思うのです。 だから、向こうではフィランソロピーという考え方がありますけれども、ビジネスで成功した人は、それを自分の意思によって再配分していくという、こういった流れです。こういった流れをうまく仕組みづくってくるということにおいて、行政は何らかの施策ができるのではないかというふうに思っているところです。 今もNPOを推進していこうという政策を今までやってきましたけれども、こういったものをもうちょっと、今、言ったような思いの中で、もっと機能するように、さらに工夫をしていきたいと現時点では思っているところです。

(人事について)

記者: 6月1日の定期人事の関連質問なんですが、例えば公約を具体化していくために大規模な組織再編ですとか、外部の人材登用、まあ女性登用など、そういった構想があればお聞かせください。知事: 今回は、大胆な組織変革というのは基本的には行わないつもりです。大規模な組織変革となりますと、条例改正というのが必要になってまいります。議会が新しくなったときにいきなり、というのはなかなか厳しいものがありますから、しばらく様子を見たいと思っていますけれども、公約で掲げた政策を、スピード感をもって取り組むような組織体制、例えばヘルスケア・ニューフロンティアの体制強化、これが一つあると思います。それから、外国人観光客の誘致推進、このための新たな体制づくりといったものも必要ではないか、スマート県庁、これのさらなる推進に向けた体制づくり。こういったものを今、想定はしていますけれども、条例改正に伴うような大胆、大規模な組織変革は今のところ考えていません。 人材に関しては、民間も含めて、いろんな形でちょっと検討したいと思っています。記者: 関連で6月1日のことなんですけれども、今、おっしゃったのは、組織ではないと。というと、ポストのようなイメージで捉えておいたほうがいいのですか。担当とか新たなポストを設ける、そういうイメージなんですか。知事: ポストは、前もヘルスケア・ニューフロンティアというところで設けましたからね。だから、ポストを新たに設けるかということも含めて、ちょっと検討したいです。

(政策目標について)

記者: 今回も公約というか目標値の中で、100社以上の企業誘致ですとか、待機児童ゼロですとか、外国人観光客数200万人というような目標値を掲げていらっしゃいます。今、振り返ると4年前は太陽光200万戸というような、掲げながら、なかなか進まなかったという経緯もあるかと思うのですが、それで1期目4年間を踏まえて今回示された公約というものの重みというのも、また違ってくるかと思うのですけれども、そこらへんのご認識というか決意のほどがあれば、お願いします。知事: 公約というのはやはり重いものだと思っています。4年前は急な立候補の中で、太陽光発電200万戸分といったことについて、それは確かに現時点では達成できていません。今、進めている「かながわスマートエネルギー計画」の中では、これは実現していく方向になっています。それは皆さんもご承知いただいているとは思います。 そんな中でさっきマニフェストという話が冒頭ありましたけれども、マニフェストというのは、言ったこと、約束したことを、そのまま絶対に守らなくてはならないものだと、私はそういう認識ではなくて、出して、もしそれが現実にあたったときに、それが違うんだということになったときに、それをきちっと説明していくということ、それもやっぱり必要となるのだと思っているのです。その説明ということ、200万戸分といった中で、それをいろいろ精査した中で、新たな計画に、私はあのときバージョンアップという言葉をずっと使っていたのですけれども、バージョンアップしていく中に、そのプロセスを丁寧にご説明したつもりです。 あのときはそれぞれの対話の広場に行っても、全部そのテーマで直接お話をして、忘れちゃったとか何とかって言われても、そんなこと忘れても何にもいません、バージョンアップして、こんなふうに変えていったのですと。だから、約束したことの重みを忘れたわけじゃなくて、約束したことをこんなふうに新たなものに変えていっていますということを丁寧に正確にご説明することが大事。こういうふうに思っているところです。 ですから、今回出した政策に関しても数値目標にしても、同じ思いでありまして、出した限り非常に重いものだと思っています。そして、それを今、実現に向けて全力を注いでいきたいと、そんなふうに思っているところです。

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生活困窮者と直接ふれあいをもたれたことは貴重な体験だったと思いますが、そこへの援助は記者に問われても具体策がないことが明らかです。成長エンジンを回せば、漠然と、困窮者も中小企業もなんとかなると思っていることが明らかです。あるいは重視していないか。いずれも具体策がないことは明確です。

東京都では、日本共産党都議団の論戦で、舛添知事は変わって来られました。県民多数の声と道理を尽くせば切り拓く道が出てくると信じています。

 

 

 

 

 

 


コメント

  1. 鈴木やすより

    大山さん最長のブログ読ませて頂きました。神奈川県でもアベノミクスいや黒岩知事の言葉では「経済のエンジンを回せば生活困窮者へ恩恵が及ぶという」ことの効果が出ていないということ。私はあえて「失政」と言わせて頂きます。また黒岩知事には貧困問題やら中小企業対策についての具体的な政策及び対策が無いということがよく分かりました。
    昨年(夏頃)、私が神奈川県主催の障害者雇用のセミナー(神奈川県はワーストに近い:これら殆どがワーストに近いというのが黒岩県政の大きな特徴ですね。)で黒岩知事から直接話聞いたことを思い出しました。「神奈川県は障害者雇用を重点施策と位置づけている。具体的には障害者雇用を積極的に行っている企業の実例をHPにUPしている。」私はその発言に唖然としたのを思い出しました。
    昨日(4/16((木))ブラック企業の新卒求人拒否等を盛り込んだ「ブラック企業規制法案」の一つたる「青少年雇用促進法」が参議院厚生労働委員会にて全会一致で可決されました。私は共産党の国会論戦や地道な運動の賜物だと思います。この法案でも地方公共団体の責務及び国との連携(第12条)や労働法教育(第26条:条文上は、国が、学校と協力しての労働法教育の努力義務等)盛り込まれています。これら雇用の問題は国(厚生労働省、神奈川労働局、ハローワーク)だけの問題ではありません。
    「雇用対策法」第五条
    (地方公共団体の施策)
     「地方公共団体は、国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。」
    というような法律及び条文もあります。
    私は大山さんはじめ6名の共産党議員団に期待しております。課題は多々ありましょうが「全国一働きやすい神奈川県」達成も決して夢物語では無いと痛感している今日この頃です。

  2. 大山奈々子より

    鈴木さま

    全国一働きやすい神奈川県、というフレーズ、前に選挙応援の時に話されていたのを私も使わせていただいています。
    障害者雇用対策、茫然としますね。お金ださないんですよ。商店街の振興策もなんかフェアの告知を手伝うにとどまっていました。

    この知事の再選会見は本当に考えさせられました。ある意味大変だなと。丁寧に取り組んで何が県民の暮らしを豊かにするのか考えるよう迫りたいと思います。

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