大山奈々子
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県立高校を12年で20~30校削減!?

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thYQ196DXY耳を疑いました。県立高校の再編計画について質問した自民党議員の本会議での教育長答弁。概略は…

「12年計画で20から30校削減。横浜北部と川崎?や湘南三浦など県内を5ブロックに分けて検討中。地域づくりも含め検討。第一期は最初の4年間。第一期の対象校名は12月に発表。」こののち民主党議員の質問で「第3期計画策定時には実施状況を検証し一旦見直しをする」

これは全く許しがたい。

「15の春は泣かせない」長洲知事時代に県立高校100校計画が策定され、県内に高校が次々建設されました。

この間の経緯については自民党のこの方、私と同じ文教常任委員の長田議員のブログをご参照ください。神奈川の教育行政の経緯が書かれていて参考になる面があります。

(がしかし、後半の解釈は私の見解とは大いに異なります。

例えば県の一般会計予算の3分の1が教員の人件費だと嘆いておられる部分があるのですが、それは知事のいう財政難論と同じトリックで、神奈川は政令市を3つも持っているという意味では異例の都道府県といえます。ために税収の割には諸施策の県費負担分が少なくて済むわけです。

教職員給与は政令市の義務教育学校分も県持ちなので人件費率が高いのは必定です。おまけにそれは国庫負担が1/3。高校や特別支援校の幼稚園、高等部は国の地方交付税措置がされます。人件費率だけをもって、だから神奈川の財政難は先生が多いからだとはいえません。

東京の私立の多さや、イギリスの非常勤教師の話などありますが、「公」の果たす役割に関する認識が違うのでそこは論議がわかれるところです。)

本題に戻ります。松沢知事の時代に25校つぶし、今また20から30もつぶそうとしているわけです。もちろん、人口減少に伴って地域格差を見てあまりに過疎の地域は統廃合も必要になるかもしれません。しかし、神奈川の人口推移推計は実はそれほど大幅に少子化が加速するわけではありません。それなのに、これだけたくさんの県立高校を削減ありきの計画は、公の責任放棄と言わざるを得ません。

全国的に一学年6~8学級が適正規模と言われているのに、ここにきて神奈川独自で一学年8~10学級が適正だといって一つの高校の収容人数を増やすのです。6~8では学校に活気がないのだそうです。これはひどい。現場を見てモノを言っているのか。

今まで地域の核となってきた高校をつぶすことの悪影響は?東京都の校長会は人口減少を好機ととらえて、過大規模校を解消していくことを提唱しています。(これは6月の文教常任委員会で、高校再編を行き過ぎないよう求めた私の質問の中に使いました)

今の神奈川は全日制高校進学率は全国最下位クラス。46位だったかな。全日制を望む子の90,2%しか行けないのです。これは高校を削減しすぎたため。

今月開かれたの公立と私立の割合を決める協議会では全日制進学率90.3%という数値目標が出されたそうです。+0.1??私立の助成を厚くして私立に通う子も私立の経営もサポートするのももちろん必要です。しかし、県立高校をこんなにつぶして進学率向上をめざすと表面だけ言いつくろっても、空々しく聞こえます。

不登校であったり学びに困難を抱える子どもたちのために過程に余裕を持たせたクリエイティブスクールが二つ増えるのは現状では必要でしょう。

しかし、本来必要なのは、勉強がつまらない子、学校がおもしろくない子を生み出さない生き生きした学校です。多様な学びを標榜しつつ、その実、公の責任を放棄して勉強嫌いを量産し、進学できない子がいても知らんぷり。

これは本当に大問題。議会でもしっかり追及しますので、おかしいと思われるみなさん、ご一緒に声をあげてください。

追伸:数十年前、ある社会科の先生が「どの子にもわかる授業を」と学校で発言したら校長先生が「それはキミ、アカのいうことだよ」とおっしゃったとか。赤でも青でも結構!本当に強い国を作るには根っこを育てることが必要。教育は国家100年の計。

 


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