県立高校入試採点ミス問題で文教常任委員会が開かれる
2016年度と2015年度の県立高校入試問題に関し、採点ミスがあった問題で、第三者委員による再発防止の調査改善委員会が設置されました。
メンバーは、大学教授等有識者と、高校や中学の校長、PTA代表など10名程度で構成されています。
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スケジュール
平成28年3月中 調査改善委員会設置
4月~ 調査改善委員会による原因の究明及び再発防止策の検討
5月中 調査改善委員会検討結果とりまとめ・報告
6月 平成29年度入学者選抜の再発防止策を教育委員会で決定
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中間まとめが発表になり、この件に関して5月12日に文教常任委員会が開かれました。
4月の委員会の調査会の中で私は校長のみならず採点に当たった教員現場意見を反映できる仕組みを求めていました。
【中間まとめ】
〇採点の日程が厳しくてプレッシャーがあった
〇いろいろな科目を一か所で採点したので早く終わった科目など周りが気になって焦りを生じた
など、当事者ならではの意見がいくつも挙げられていました。
さらに〇採点日数の長さと、採点ミスの発生数の相関、〇受検数と採点ミスの発生数の相関などが表として表されていました。これらには強い相関は見られないという分析がされていました。
(相関係数 0.7以上だと強い相関を認めることになるのだそうです)
しかしある程度の相関関係は見られました。「やはり大規模校になるとこういう面でも支障をきたすものだ」と思いながらその表を見ました。
実際の改善委員会による分析でも県立高校の再編統合で受検者が集中した場合の懸念がしめされていました。
改善策の一つに、
〇採点に集中できる日程をもう一日増やすこと
〇マークシート方式の導入等が挙げられていました。
【質疑】
この件に関しては私は入試の採点業務に携わった複数の教員の方から原因分析をしたご意見をうかがっていました。その観点も含め質問しました。
①問題の発端をさかのぼって明記すべきということ。
Q.経緯を説明した中で、採点ミスの発覚した3月からの経過説明となっているが、2月の試験当日、板書で問題の修正が行われ、それに伴い正答例の修正も行われたと聞いている。こういったことが記されていない。これも採点に影響がなかったといえるのか。学校現場の改善を求めると同時に、作問者である県教委の側にあったミスも率直に提示して改善点を求めるべき。第三者委員会に委ねるのであればこそ、教育委員会側から報告されなければ把握のしようがない。
A.当日の訂正が国語1か所、理科で9カ所に及ぶこと、影響がないとはいえないので、最終まとめには反映させるという答弁がありました。
②試験科目の見直しはされないのか
Q.どの学校でも面接試験が実施されていて二割から三割の配点を占めるが、試験の準備にも試験の実施にも時間を割くわりには、決まった表現を覚える練習を重ねてどの子も違いがなく、試験科目として疑問の声が親の側からも学校現場からも聞かれている。
A.今回の調査改善委員会の検討項目ではなく、今後の検討になる。
③マークシート方式導入について
Q.マークシート導入は現場への負担軽減になるが、(その外部委託や学校への機器購入で)受験料があがるということはかんがえられないか。
これに関しては国で一律定められている(現行2200円)のでその範囲で徴収するとのこと。
Q.マークシート導入で想定されるデメリットは?
A.記述問題が少なくなる可能性があるのでそこは調整を図りたい。
コメント
この問題も重要ですね。「人間はミスをするのは当然。だからミスを起こさない体制。チェック体制を構築すべき」等は私が以前、安全衛生に携わっていた頃、労働災害の多い現場で実践していましたが現実は難かったです。やはりきちんと再発防止対策を講じて末端の意見を聞きまた末端までフィードバックすることが肝要だと思います。単に第三者員会等設置して儀礼的対応では真の改善は難しいと考えます。また個人の責任を追及する方策はやめるべきと考えます。
鈴木さん
色々な場面で頭を下げる教育長をみてきただけに、県教委の責任の重さを感じていました。にもかかわらず作問段階でのミスを報告しないうえでの対応にとどまるところが儀礼的と思わせてしまうところでしょう。
一番の被害者は子どもですから、私たちも一緒になってよりよい態勢づくりを目指す必要があります。