母の寝息と小鳥の声と
息子は合宿自動車免許を取りに、夫は実家のお盆。私は娘と母と憧れの京都の旅館。理解ある義母には「お母さん、今年はごめんね。(亡き)お義父さんによろしくね!」といって無礼を詫びつつ。
一家バラバラに、しかし好きなことができている夏休みでした。
近年オープンした京都水族館は、派手さはないけれど、淡水魚の絶滅危惧種や希少種も多い、ノアの箱舟のような水族館だということです。オープン間もないころより、ノベルティグッズが増えたり、イルカのショーのユニフォームがグレードアップしていたり、工夫が見られました。
二枚目の写真はオオサンショウウオ。あまりの愛らしさに前回ぬいぐるみを求め、毎晩娘のそばに寝ています。また、会えました。
大津に暮らす母に買って帰ったおみやげの生菓子も見た目のかわいさのみならず大変に美味でした。
そして、翌日は母と久しぶりの旅。私は灯台もと暗しで、京都の旅館に泊まったことが無かったので、一度でいいから泊まりたいと思っていました。
祇園花見小路界隈を歩いたのもはじめてでした。舞妓さんの置き家が並んでいます。
建仁寺では禅宗のお寺らしい引き締まった空気がありました。天井の龍に驚きました。
着物レンタルのお店が増え、観光客の中に着物姿の方を多く見かけます。
新横浜に支店をもつ「文の助茶屋」を目指します。二年坂ではにせものの舞妓さん(舞妓体験の)たちが。足袋が違うのと、歩き方が違うのですぐにわかりますが、道行く人は大勢カメラを向けていました。にせものと知ってか知らずか。あでやかでした。
三年坂の手前を曲がってお茶屋さんに到着。宇治氷。
ちかくに娘の憧れのろくろ体験ができる工房が。実は私は陶芸教室に一年以上通ったことがあるほど陶芸好き。でも今回は我慢しました。
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旅館で迎えた朝…
母の寝息が聞こえます。
外の小鳥のさえずりとシンクロしている!
(すー、ちゅん)(すー、ちゅん)といった具合。
見事に合っている…。
(私に似て?心臓の強い母はかつて心拍数は1分に60回くらいだったけれども、肺の病を得て、今では平常時でも1分間に100回を越えるのだとか。苦しかろうな。寝息は心拍数と関係があるんだろうか。大きい動物は鼓動が間遠で、小動物は拍数が多いという。小鳥とシンクロする母はやはり鼓動が多いのかな)
母の寝息を聴くという状況は何年ぶりだろう。病を抱えながらひとり暮らしする母の日常をしばし思った朝でした。
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というわけで母の歩みに合わせた目的らしい目的もない旅、とはいっても
こんな昭和9年創業の喫茶フランソアとか行きたくて、娘に高瀬川見せたくて、目的みつけるとついつい早足になる私と違って、いつもばあばと足並みをそろえてくれた娘の優しさを再確認したお盆でした。
コメント
充実した時間でしたね。
石井様
おかげさまで。
お母さま、娘さんと“女三代”の夏休みですね。いつも超多忙の大山さんが幾日かでもリフレッシュされているお便りを目にすると、心なごみ、ぼくまで京都の休日を楽しんでいるような清々しい気分になれました。
よりよきあすへたたかいの中に身を置く人は、休養とか、家族で楽しむということもまたたたかいです(時間の余裕のあるときに、では決して実現しませんから)。
浜島様
ありがとうございます。
自分が枯れないように、人生にゆとりを持ちつつ闘わねばと決意しています。おかげさまで鋭気を養えました。