横浜母親大会 労働問題分科会
港北区では20年ぶりに横浜母親大会が開かれました。
冒頭の実行委員会からのご挨拶の中で、戦争を止められなかった母親の思いから母親大会は始まったとうかがいました。憲法9条の改悪に王手がかけられようとされている今年、この言葉は重い。母親大会のあゆみはこちら。
午前はドキュメンタリー「不思議なクニの憲法」の鑑賞か、
教育「横浜の教育の今とこれから」か
労働「働く者の権利はどうなっているの」の分科会。
どれも魅力的でしたが、次の常任委員会との関係もあり、労働に参加しました。神奈川労連は年間1300件もの労働相談に応じておられます。その事務局長の澤田さんが講師です。
〇数字で特徴的なのは、
神奈川が全国一通勤時間が長いこと。
神奈川の女性非正規労働が6割を越えていること(EUでは1割です)、最低賃金と平均労働者の賃金との国際比較では、フランスは50%、ニュージーランドは52%、日本は35%。
年間労働時間の国際比較はアメリカ1790時間、フランス1482時間、ドイツ1371時間、日本は2000時間
労組がある労働者は17%。
〇寄せられる相談の中身、分科会参加者の若者たち、母親世代の訴える現状のすさまじさ…
・同じ会社にいて夫は単身赴任、妻は往復5時間以上かけて通勤するも配置転換要求に応じない大企業。
・勤続3~4年以上でないと病気で休めない
・失敗した社員はピンクのタスキを掛けさせられる大手通販会社
・週休二日のはずが、ふいに一日3~4時間出て来いと言われる職場
・帰って来てから翌朝出て行くまで6時間しかない…
・組織率10%の医療現場でも院内保育所を開設させたり権利を守って闘ってきた。多くの同僚に喜ばれた。しかし昇進の道からは外されることになった。
私は、働くルールを知らせ、相談窓口も載せたワークルールブックを県がすべての高校生に配布することとなった経緯と合わせ、「一方使用者側はルールをどう知るのか」と質問しました。10人以上の事業所では就業規則を作って労基署に届けることになっているが形は整えるものの、社労士にお願いしたりして事業主がその中身をわかっていない例がある。<社長が憲法>みたいな旧態依然とした働かせ方が後を絶たない。
それでも経営者団体が学習会を持ったりして労働法を守る意識が定着してきてはいるとのこと。
パワハラやセクハラに対抗するため、どんな小さなことでも記録を撮っておくことの必要性を教えていただきました。タイムカードをスマホで撮っておくことも大事。セクハラでは加害者がしらばっくれることが多い。例えば上司に手を握られたら「手を握られましたがあれはどういうおつもりですか」と後にメールし、返信に「あれは本の遊び心で」とでも書いてあれば事実の認定にはなる。など。労働者が自衛するとともに、ユニオンにつながって闘い方を知る人たちの力を借りる事。そして、働かせる側に抜け道の無い労働法を守らせることが大切です。
23日に強行採決されそうな高度プロフェッショナル制度が盛り込まれた働き方改革一括法案は見直すこと。「8時間働けば普通に暮らせる社会」の実現を目指さねばと決意新たに。