沖縄視察2日目 基地返還後の成功例
注:今回の投稿は、ヒアリングの中身をほぼほぼそのまま載せたので、大変長いものになっております。
二日目は北谷長役場で建設経済部都市計画課にお話を聞き、美浜地区の見学し、うるま市で企画部防災基地渉外課にヒアリング。後に米原子力艦船が沖合に停泊するホワイトビーチを見学、辺野古の新基地検閲予定地を回りました。
昨日県庁で聞き取った基地返還後の街づくりについて実地に現地自治体でお話を聞こうと北谷(ちゃたん)町役場にうかがったわけです。レンタカーを役場の駐車場に停めましたが、無料でした。行政機関まですべからく民間の駐車場業者に任せて高い駐車料金を取る横浜あたりとは違うなと思いつつ。
冒頭、横須賀選出の井坂議員から、米第七艦隊の中心地横須賀で、基地がなくなったら新たな街づくりになると周りの人に示したいとご挨拶させていただきました。
■■美浜地区地区計画
小さな町。町域の52.3% 半分以上が米軍基地。第三次産業が75.6% 県内有数の観光地 サービス業が多い。米軍の返還を契機として、土地区画整理事業 埋め立て事業に取り組み。フィッシャリーナ アメリカンビレッジ 北谷運動公園 を整備。行政で社会資本整備し、 上物は民間事業者に 北谷町が定めたコンセプトをもとに企業にはいってきてもらう。13.93㎢のうち52.3%がいまだに米軍基地
真ん中に4.5㎢の公共駐車場があるが、誘客にもつながるので、 無料駐車場としている。
開発当時は北部の方にリゾート施設があったが、北谷町を通り過ぎて向かっていくので北谷町に安金楽をテーマに一日遊んでもらうために、アメリカンビレッジの真ん中に広大な駐車場を確保していることが来場者を増やすためには大きな要因となっている。
稼働率は80% 11のリゾートホテル1783客室
嘉手納以南第一桑江タンクファーム2022年度以降、など返還が予定されている 普天間の移設が条件
キャンプ桑江:軍用地跡地特措法の活用で、 学校用地公園緑地など公共施設の先行取得
買取を行っている。返還後公共施設を配置できるように。キャンプ瑞慶覧:今年度末返還予定3月北谷城が国指定の文化財になるか先行して協議 立ち入り調査もできない状況。今年の1月から一部立ち入りして調査開始。地権者にどのような土地活用を行いたいか 意向調査。
大きく定まっていない。各地権者一人一人に個人面談させてもらう。
キャンプ瑞慶覧インダストリアルコリドー: もう少し幅を持たせて返還できないか要請に移っている
再整備の中で油臭土壌や 不発弾、鉄くずなど出てくる。地区内にイレエバル遺跡国指定がみつかった
民間地にも投棄物が発見された。画地については93.5%宅地の造成は完了
美浜地区地区計画:土地は当初なくて海を埋め立てて土地を造成した地域
建築基準法の適用を認める。通常は建築基準法を設定するとある程度幅広くつくる
建築基準法より厳しく作る。建築基準法を離れた設定。あまり細切れで使ってもらうと困る
1500㎡を最低基準。ゆとりを持つため道路境界戦から1m以上離さなければならない
建築物の形態、または意匠の制限 色、明度など。
企業に一定程度の面積を切り売りしたが、こういった条件を了承していただいた企業に買ってもらう
北谷町で埋め立てをやっているので北谷町の思惑でこういう規制がはめられる。
区画整理に関しては沖縄県外だと国有地が主だけれど、沖縄は民有地が多い(県庁で聞いた話もそうでした)
欲しい地権者との交渉が始まる。こういう厳しい制限がある厳しい制限を設けてくれるなという悩みどころがある。
一定の合意を受けて+アルファの制限を設けた。建築基準法で行くともう少し高く建てられる地区もあるが、国道8号に面した建物
合意形成を図ってきた(もっと高く建てさせて収益を上げさせてくれ)緑化率は県内で当てはめたのは北谷が初めてかも
地権者 車庫を作りたいんだ、なるべく有効に活用したいからといわれたりするが個別に計算、理解してもらう。
高さ制限と緑化率は思い切った条件。行政側の思い通りの制限をかけた 地権者の思いを過度に制限しないよう。
●質疑の中で。
◆産業構造の変化…観光前も米軍施設だったあまり産業構造は変わらなかった。
沖縄の中でもリゾートホテルは恩納村とかに多かった。地元の方が利用するには県内の方が利用できるような安くて近くて楽しい。「安近短」をテーマにした。
◆雇用は?お願いベースで地元の人を雇用してもらっている。コールセンターで400人が働くが。何十人の雇用を生んでいる。
◆県の関与は?:県の主導区画整理をいれて面的なエリアを整備する。県の方でも地区計画を入れてくれと。
米軍の跡地乱雑に建築基準法だけだと限界がある。・日本政府が引き取ってから除去。県や国も返還跡地利用後の経済効果があることはわかっているので返還跡地に向けた協議会や勉強会を高い頻度で行っている。令和4年度以降の特措法に向けた勉強会が進んでいる。
◆米軍から奪われた経緯の中で、土地が不明な方がいたか?いらっしゃらなかった。軍用地料が入るのでその権利もあるし固定資産税もあるので。
◆ご理解・区画整理事業をやるにあたって。桑江地区の地理的な特徴を説明して国道に面しているエリア。ご本人も土地が明確にわからない段階からポテンシャルを持ってますねと国道沿いは商業地がふさわしいですね、と土地活用を説明した。 後で換地の変更を行った。あとで交換してくれるよねと。
付加価値をあげるために陳腐化しないように緑化が必要だよねと。区画整理上「照応の原則」
◆人口の当初の推計に減家はないか?人口動態を入れてh4~推計値を修正する。
埋め立て事業費51億円 道路や駐車場に15億円 誘致しようとしていた事業者が否決され、発生した利息で40億円一日100万円の利息
誘致活動300回 県外県内の事業者 当時は処分ができないと大変だった 処分金でペイできた。
埋立地を売却する場合には埋立地にかかった費用以上では売れない。固定資産税が入ってくる児童福祉高齢者福祉に回すことができている。
歳入の中で固定資産税や町民税でなど地方税で31%を賄えている
◆基地で働いていた人をどう雇用が移行したか。:どういう減らし方をしたかわからない。この場での職業がなくなっていくので別に配置替えしたとか…。米軍の中での異動もあるので…
我々の中で返還された後で「除去でこんなに困ったんだと」町長が国会で証言したりして前向きの変化を生んできている。廃棄物の除去の仕方も当初は蓋然性のある所だけを掘り出して調査して終わっていたが、廃棄物がでてくる中で全面調査が行われることになった。
●●現地視察●●
共産党の視察でこんな感じのところに来ることは普通ないよね、といいながら、アメリカンビレッジを視察。
県内唯一の観覧車のもと、街のビジュアルを重視して整備されただけあって、ハワイのような、アメリカのどこかの街のような、楽しい街が展開していました。修学旅行生や、アメリカ人はじめいろいろな国の観光客が訪れ、空港から北谷のバスライナーもあり、平日だというのに賑わいをみせていました。基地返還後おきの成功例だといわれているのも分かります。
■■うるま市 企画部防災基地渉外課
うるま市のホワイトビーチは、井坂団長によると、横須賀、佐世保と並んで原子力艦船が寄港する基地。沖合に停泊しているだけのホワイトビーチは、原子力空母の母港化されている横須賀と違って、避難訓練やヨウ素剤の配布など、原子力防災の取り組みは、途上にあるという感じでした。過去1000回寄港して半年以上停泊する港との違いなのかもしれませんが、見えない潜水艦だけに、心配です。
また、こちらで聞いたお話で驚いたのは米軍関連の事故や犯罪が、報道で明らかになるもの以外にこんなにもあるのかということでした。基地問題に関する抗議と要請はこの14年間で99件に上ります。基地の存在に苦しむ沖縄のリアルを感じました。
うるま市の西側にあるホワイトビーチを視察し、名護のホテルに行く前に辺野古のテント村に立ち寄りました。二年前とは違って立ち入り禁止区域が増えましたが、それでも粘り強く抗議行動をするみなさんが活動をつつけておられるテントの前で連来の一枚
★★★銃剣とブルトーザーで奪った土地をわがもの顔に使い、返還後に廃棄物の処理もせずにいる米軍の姿、そこから再生を図る自治体と市民の努力をみました。