大山奈々子
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佐治さん判決 国民を見棄てる国。

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根岸米軍住宅の中にあって1947年米軍による接収から免れた日本国民の住宅5世帯(経緯は不明)

ここに住まう佐治さん夫妻は、日常生活を規制されているとして、国を相手取って2013年、損害賠償を求める長い闘いが始まりました。国政マターであり、水道の問題など市政マターでもあるけれども、県としては何も応援できず、申し訳ない思いでいました。13日に判決言い渡しがありました。

横浜地裁

「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする」

あっという間でした。

ご家族で陳述された本人尋問の期日では、切実な状況をうかがいました。子どもさんが小さかったとき、庭に米兵が迷い込んできて恐ろしかったこと。学校の帰りに追いかけられたこと。自宅への道なのに、通行するたびに許可証であるパスが必要で、来客や郵便配達や、救急車などにも要求されたこと。イラク戦争など政情不安の時にはそれをもってすら通行を規制される事態があったこと。平穏な日常を過ごすことすら許されなかったこと。

2014年のカナロコの記事

南関東防衛局に要請に行った時の私のブログ

2015年の赤旗の記事

2018年 本人尋問を傍聴した際のブログ

冷たく判決を言い放った裁判長。それが公正な判決だと思うのか。何年もそこに住んでいた国民が普通に生活できない状況を国が作り出している。世界に例がないという、離れ小島のような自国民の土地。そこの住人と他国の土地を占有している基地との関係を定めるルールは、安保の運用協定である日米地位協定にもなんら定めがない。国が主権国家として毅然と自国民の権利擁護の立場にたてばいいこと。それを怠ってきた。そして償わない。

佐治さんたちの日米安保に対する考え方(「日本の安全保障のため、一定程度は必要」と考えている)は私たち日本共産党の立場とは異なる。(党の綱領には、「日米安保条約を、条約第十条の手続き(アメリカ政府への通告)によって廃棄し、アメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。対等平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ」と明記している)

思想によって差別されるべきではないのだけれども、国の方針に一定の理解を示している国民に対しても、この扱いか!と怒りは深い。

自国民が被る被害に関して国が責任を持たずに突き放している状況は沖縄の辺野古の米軍基地建設にも通じる。

諦めることなく米軍と交渉しながら暮らしを守り、政府に果たすべき役割を迫り続けた佐治さんの闘いは、米軍の奴隷ではない日本国民の矜持を示してくれていると私は大変はげまされている。


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