みなと会で新市庁舎見学をしましたが
横浜選出県議による会。例年、横浜市幹部と懇談、県政要望を聞き取ったり県議の方から市へ質問したり。県庁に来てもらうことが多いが、市長公舎にいったりもし、今回は新しく完成した市庁舎を見学。
その前日、カジノ関連会議でこの市庁舎内の会議室に来た際、入館カード的なものを下げさせられ、ゲートでチェックを受けるセキュリティの厳しさに、市民と隔絶した市政を感じてしまいました。突然のIR推進を表明して以来、旧市庁舎の市長室前は物々しい警備になったという。市民を敵に回さなければならない市政。
今日の視察ではゆったり広い空間に、デザインが美しい本会議場を見ただけに、この市民の宝がよそよそしい代物になっていることが残念でした。
さらにグループ閲覧室。市民が利用できる…はず。
この日、市長は収束をみないコロナ禍にいら立ちを隠せないようにメディア批判をしてみたり…その中に、「国を信頼しないと何も始まらない」みたいな言葉があり、さすが国家的プロジェクトだからと、市民の声を無視してカジノを推進する人物。信頼するに足る政府なのかと問う姿勢に欠ける。
毎回短い質疑時間に私はカジノに関する質問をしてきたが、今日も絶対聞こうとおもっていたことがあった。感染症対策に何をしているかという資料がでてきていたので、それに絡めて…
「コロナ危機のもとにある市民を支援するためにご尽力いただきありがとうございます。ただ、県内自治体は独自の財政支出でなんとか住民の暮らしを支援しているところが多々あるのですが、横浜市は財政力のわりに市単独の支援が薄いのが残念です。(2回の補正予算で約23億円…)財政を考えるうえで、今後の支出が心配されるのがIR です。インフラ整備には約2千億円みこまれるそうですが、コロナの影響で大赤字に陥っているカジノ事業者を誘致するにあたり、民設民営といいながら、施設や運営にも市税を投じるということが絶対にないと言い切れますか。」
結局この質問は言え、いかなる質問もする余地なく時間切れになりました。あまりに聞きたかったので、こののち県庁でIR整備法のレクチャーをうけた政策局自治振興部広域連携課に同様の質問をしてみました。市民の方から実施方針を策定する協議会において構成員の一人として知事の権限は大きいのではというお問い合わせがあり、確認したものです。結果、協議会の設置も実施方針もすべて市の主導だという答えではありましたが、確実に県知事は協議していくメンバーではあります。
担当課の回答は「IR整備法のつくりから考えてそれは常識的にはあり得ないと考えます」と民設民営の部分を指して語られました。「ええ、でも常識を超えたことがある政権なので何がどうなるか怪しいとおもうんですよね」
それ以前に断念させなければ。
さて、そういえば新市庁舎にたくさんの委員会室を確認した今日、市民活動スペースが限定的になったという話を思い出すとともに、教科書採択の際の教育委員会傍聴が相変わらず20人定員とはあり得ないと怒りを覚えました。100人を超える傍聴者が詰めかける関心事なのに。多くの自治体が広い会議室を用意するのに。
開かれた議会という理念だそうです。今まで傍聴席がなかった委員会室に傍聴席ができたのは前進ですが、運営そのものがどこまで開かれたものになるのか問われます。税金の無駄遣いだとの批判を受けながら作ったこの新市庁舎が市民と市政を隔絶する白い箱になるのではなく、市民に憧れられる期待される象徴になるためにはこの市長ではだめだと改めて感じた日ではありました。