さらに、本会議で県職員の期末手当削減に反対しました。
うちの議員団は総務常任委員会に所属できずにいるので、県職員の期末手当には意見をいえませんでしたが、本会議ではすべての議案に言及できるので、教職員と合わせて一般県職員の期末手当削減に反対する討論を行いました。25日は討論に立ったのが二党。反対討論が共産党、賛成討論が自民党という構図でした。先に投稿した文教とはまた違う視点の論になっておりますのでご一読ください。
20211125 本会議 反対討論
共産党 大山奈々子
日本共産党県議団を代表し、本定例会に付託された定県第156号議案「職員の給与及び通勤に要する費用の弁償に関する条例等の一部を改正する条例」について反対する立場から討論いたします。
本条例改正案は、2021年度以降の期末手当の支給月数を0.15月引き下げるものです。人事委員会勧告に基づいてなされた決定ですが、本来、人事委員会は公務員の争議権等労働基本権が制限されていることの代償措置として設置された人事行政の専門機関です。その決定は尊重する義務はありますが最終的な法的拘束力を持つものではないとされています。よって自治体としての判断が求められます。
そもそも人事委員会勧告と類似の機能を有する人事院勧告は、国家公務員法第3条2項において「給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告」と規定されています。本来改善されていくべき方向性をもって議論することが期待されています。地方公務員法第3条第14条には「地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。」とされています。この間、最低賃金が引き上げられていることや、公務員賃金が地域の賃金水準に影響を与えていることを考慮すれば、公務員賃金に関しては改善の方向が明らかです
この間、本県職員はコロナ禍という誰も経験したことのない事態に直面し、人口比、全国で一番弱い人員体制のもと、奮闘してこられました。医療分野、産業分野の局はもとより、全庁コロナシフトのもと、横断的支援体制も組まれました。医療機関をはじめ県内外の自治体や公民問わず外部機関との調整、協力金関連をはじめ各種委託業者との連携、各種相談業務など神経を使う業務に対応されています。度重なる補正予算審議のための臨時議会への対応も通常に加えた過重な業務負担となりました。
教育現場においても、通常業務に加えて感染予防や、短縮授業、分散授業の実施、オンライン授業への対応、出欠席管理、進級進学への対応、感染者発生時の対応、保護者対応、近隣住民対応、学童保育はじめ放課後の子どもたちを支える機関との連携、対外的な児童生徒の精神的なケアなどあらゆる場面で通常業務と異なる丁寧かつ繊細な対応が求められています。
人事委員会からは、公務運営に関して、人材の確保・育成、働き方改革と勤務環境の整備及び定 年の引上げ等、人事行政に関する課題や今後の方向性等に関する報告が行われており、
それら改善に向けて不断の努力が求められるのは言うまでもありません。
しかし今回の期末手当を減じるという給与改定については、コロナの収束とコロナ禍の県民生活を支えるために強い使命感を持って奮闘されている県職員並びに教職員のみなさんの士気の低下につながりかねず、民間給与が下がっているから公務員の給与も下げる、だけでは賃金引下げの負の連鎖を断つことができません。国内総生産の6割は個人消費が占めます。今は国民の購買力を高め、経済のエンジンを回すことが求められている情勢です。期末手当を減じるべきではないと考えますので本条例改正案に関する反対討論といたします。
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文教委員会が終わった後、経済のエンジンという言葉をご理解いただいていないような廊下での他党の声を聞いたので、急遽最後の2文を加えました。