BTS活動休止と日本語学校での見聞
BTSには御多分に漏れず、子どもたちの影響で私も魅了されているが、まだ7人の顔を判別できないそんな段階。
#BTS活動休止 の背景に兵役問題があると報じられている。最年長のメンバーが兵役に行くことになるのか免除されるのか韓国の国会で議論になっているという。
日本語教師時代、韓国の留学生たちは兵役を終えてからの子がほとんど。「2年間も?…恋人とは…?」と聞くと「100%別れます」と。
「兵役の悲しさを歌った〝入営列車の中で”というヒット曲もあるんですよ」また、「兵役を終えていても非常時には呼び戻されます」とも。
戦争するかもしれない国は、戦争していなくても青春の貴重な日々が奪われていることを知りました。
そして、ベトナム戦争で米軍と共に従軍した息子を亡くした父親が「息子は外国で殺されるために軍に入ったのか」と涙する報道もみました。
また、こんな事件がありました。廊下で中国の学生が韓国の学生たちに袋叩きにあっていたのです。私が割って入って彼をかばいながら「なんで殴ってるの⁈」と聞くと…「そいつが教室で騒いだから」(大きな声で話すくらいのことだったのですが)「や、騒いでいたら騒ぐなって注意すればいいでしょう⁈」「そんな奴は言ってもわからないですよ」
この事件は学校の中で問題になり、学校側の立場としては、韓国の学生に中国の学生に謝罪するよう要請しましたが、これがなかなか納得してもらえなかった。暴力事件に携わっていない学生たちにも、いつもはジェントルな学生たちのなかにも、教室で騒いだんだから殴られてもしかたない風な空気が流れていました。
私は日本社会の中で生きて来て、殴ることが正当化される局面を見たことがなかったので、ちょっと衝撃でした。思えば、軍隊を活用する想定は、話し合うという知的な営みを放棄すること、軍隊をもつ国で生きるとこういう発想になるのか。(と決めつけるのは問題で、党員仲間から韓国人差別だと言われ、心外すぎて倒れそうでしたが)ともあれ、戦争しないと決めている国に生きる価値を再認識したものでした。
自分が極論を言っているのはわかります。10年間、日本語学校で働きましたが、こんなことが始終あったわけではありません。誰しも自分が出会った限られた人たちを、その属性を代表すると判断するのは早計だとはわかっています。それでも、憲法9条を持つ国が国民に与える微妙な心性と申しましょうか、ちょっと考えさせられました。
今、日本は貧困が加速し、徴兵制を敷かなくても、生活を保障すると言えば軍に入る若者は確保できるという声もあります。やはり参院選で絶対憲法を変えさせない結果を導かなくてはと崖っぷちの闘いに決意新たに。