大山奈々子
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一般質問 有機フッ素化合物汚染の原因調査

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9月16日の質問です。実際に原因調査に踏み切ることになった質問なのですが、これ以上ないほどの悪文での答弁でした。この質問を機に調査することになったのではなく、やるつもりでした、もう取り掛かっていますという、印象操作。定期検査を続けていて前回、君嶋質問でいい回答をしたわりに、特に調査する意向がなかったことを確認して答弁調整に入ったのにひどいなーと、その不実な答弁をその場で指摘できなかった己の力量不足を痛感しつつ。

イ)発がん性が疑われる有機フッ素化合物汚染の原因調査について

次に、発がん性が疑われる有機フッ素化合物汚染の原因調査についてです。

第二回定例会の代表質問で、わが会派の君嶋議員が米軍基地由来の可能性があるPFOS、PFOAの汚染について原因調査を求めたところ、知事の答弁は「継続的な監視等を行うとともに、濃度に明らかな上昇傾向が見られた場合には原因の調査を行います」というものでした。

その後6月には、横須賀基地の排水処理場の排水から高濃度のPFOS、PFOAの検出が判明したことから、横須賀市は9月に漁場周辺で独自調査を実施するとのことです。このように、県内でPFOS、PFOAの検出案件が頻発しています。

厚木基地下流にあたる藤沢市、大和市、綾瀬市の引地川水系有機フッ素化合物調査結果を2020年度と2021年度で比較すると、共通した調査地点8地点のうち、実に6地点で両年度とも基準値を超え、4地点で前年度を上回り、3倍を超えているポイントが2カ所、倍増が1カ所となっています。これは明らかな上昇です。

しかし、県は明らかな上昇とは見なさず、そもそも「明らかな上昇」を示す指標を設けていないとのことです。議会答弁を行って3カ月、原因の調査を行うに至る指標も検討されていないとは驚きました。その場しのぎの答弁かと思いたくありません。

そこで環境農政局長に伺います。

県民の安心を担保するために、漫然と調査するだけではなく、議会答弁に実効性を持たせ、濃度に「明らかな上昇傾向が見られた場合」の「明らかな上昇傾向」とは何か、明確な指標を期限を限って設定し、原因調査すべきと考えますが、見解を伺います。以上です。

[鈴木環境農政局長]

環境農政局関係のご質問にお答えします。発がん性が疑われる有機フッ素化合物汚染の原因調査についてお尋ねがありました。

引地川水系の調査結果ですが、令和元年度の国の調査とその後の県の調査等を合わせた3年間のデータがある3地点については、いずれも年度により濃度が増減し傾向は一定していません。

PFOS等は水質汚濁に係る要監視項目であり、国も暫定目標値以外の基準を示しておらず、県が濃度の明らかな上昇を示す指標を設定することは困難ですが、目標値を超え、さらに継続して上昇が見られる場合に、原因調査を行うことを想定しています。

一方、最近ではPFOS等に対する関心が高まっており、本県については必ずしも明らかな上昇傾向は見られませんが、住民のみなさまの不安を払拭する必要があると考えています。

そこで県は、原因調査に取り掛かるべくすでに事前準備をしており、8月に実施し現在分析中の令和4年度のデータも確認しつつ進めていきます。県では、これからも県民に安心していただけるよう、適切な調査や情報発信に努めてまいります。私からの答弁は以上です。

≪再質問≫

[大山議員]

また、発がん性が疑われる有機フッ素化合物汚染の原因調査についてです。

原因調査をされるということは評価しますが、先般横須賀において検出された有機フッ素化合物は、米海軍横須賀基地由来であることが明らかです。

今回質問で取り上げた地域で検出された原因として、在日米軍基地が含まれている可能性は高いと考えられますが、沖縄でも普天間基地において立入調査を行ったように、在日米軍基地を調査対象としていずれ据えるべきと考えますが、見解を伺います。

[鈴木環境農政局長]

環境農政局関係の再質問にお答えいたします。

引地川水系で暫定目標値を超える濃度のPFOS等が検出された原因は、現在のところ不明であり、これまでの調査において比較的濃度が高かった地点を中心に調査を行いますので、在日米軍基地は対象になりません。

なお、調査の結果、基地が原因と推定された場合には、対応については地元市を含め関係機関と相談して参ります。以上でございます。

≪意見・要望≫

[大山議員]

危険な有機フッ素化合物の原因調査は行われることになりましたが、濃度の明らかな上昇があった場合、調査に至るその指標は、国が設けないから設けないとのことですが、あまりにも自治体の主体性を失ったご答弁です。「調査します。でも調査する指標はありません」では、県民の理解が得られず、議会答弁の信憑性に関わります。調査に踏み切る根拠を主観に左右されることなく科学的に設定することは、責任ある行政の姿勢を示し、指標を設定することを求めます。

米国環境保護庁は、水道水の有機フッ素化合物に関し、70ナノグラム以下を安全性の目安としてきました。我が国は50ナノグラムですけども、本年の米国環境保護庁はガイドラインを見直し、PFOS、PFOA合算で0.024ナノグラムと、実に日本の2,500倍以上厳しい水準に見直してきました。

以上、要望申し上げ、今後も所管常任委員会で議論させていただくことをお伝えいたします。

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感想:正直、今回の質問で最大の成果はこのテーマだったと考えています。直後24日に厚木基地での大量の泡消火剤(PFOS)放出事故が発生しましたし、30日には横須賀基地のPFOS等を含む排水の流出事故調査結果が防衛省から示されました。(生活排水ライン出口8,592ng/L、産業排水ライン出口 5,450ng/L 暫定目標値の170倍? )県が防衛省に対し、●早急な原因究明と抜本的な対策の実施 ●粒状活性炭の設置等の当面の対策の早急な実施●自治体による必要に応じた立入への全面的な協力 を求めたことも重要です。

当初、事前の打ち合わせと違って環境部局からは米軍基地を調査しないと答弁する予定でしたが、基地対策課との話し合いの中でも必要なら基地対策課が調整すると回答していたのに何のために事前に打ち合わせをしたのか!!!と追及してやっと、追加の答弁で基地も視野に入れたところでした。ずいぶんエネルギーを使った質問でしたが、選挙区である港北区民には、とても関心が薄いテーマであることを承知しつつ(*_*;。有機フッ素化合物は大気からの曝露もありますから全国民的課題なのですが。


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