大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

「跳びあがれ!港北」質問コーナー 宿題②

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山添さんに寄せられた質問を、大山からお答えします。何としても山添さんに、という方はコメント願います。

結構長文です。これで寄せられたご質問にはすべてお答えしたことになります。時間がかかってすみませんでした。

⑬共産党の鉄道維持政策の中で公費投入はあるが、鉄道の活性化がないのはなぜか

A.「全国の鉄道網を維持・活性化し、未来に引き継ぐために」、という提言を2022年12月13日に行っています。具体策としては●1.JRを完全民営から国有民青に改革すること。国衙線路・駅などの鉄道インフラを保有管理し、運行はJRが行う上下分離方式に。●2.全国鉄道網を維持する財政的な基盤を確保するーーー皇居う交通基金を設立し、地方路線・バスなどの地方交通への支援を行う。●3.鉄道の災害復旧制度をつくり、速やかに復旧できるようにする。(詳しくは検索していただくと出てきますのでどうぞご覧ください)

⑭アジア各国の軍拡の現実をどうとらえるのか外交と軍事力は両輪という考え方をどう思うのか

A.握りこぶしを振り上げながら話をしようという姿勢は、対話を遠ざけます。その意味では軍備増強は非常に悪手だと考えます。アジアで軍事同盟に入っているのは日本と韓国のみ。軍事力に頼るやり方はもはや時代遅れで東南アジア諸国では年間1000回に上る会議を繰り返して軍事衝突を避けています。自民党がかつて参加していたアジア政党会議に2013年を最後に参加しなくなったことは嘆かわしい(昨年の参加は日本では共産党のみ)

⑮子ども手当、少子化対策の財源確保のために年金の税金を挙げるとか消費税を上げる等はとんでもない。もっと高齢者に寄り添った対策を取るべき 

A.外国人と日本人、公務員とその他、子どもや若者と高齢者を対立させるなど分団をはかるのは権力者による国民支配の手段のひとつ。

先日も駅で、自分たちには子どもがいないが、子どもに力を入れて高齢者は置き去りにされるのかという質問を受けました。私たちはすべての国民がもっと大切にされるべきと考えています。過剰に税を優遇されている超富裕層や大企業にしっかり公正に税の負担を求め、軍事費や無駄な大型開発など税の使い方を改めて、高齢者も子どもも暮らしを底上げするための使い方に変えていきましょう。抜本的な賃上げを行い、妊婦健診への補助、子育て環境の整備、保育園や学校など教育費を低減し、高等教育も半額にし、介護や国保の負担を減らし、医療や介護の環境を整備し、暮らしていける年金を保障する。これらの社会保障の充実をはかるために選挙で変えていきましょう。

⑯際限ない増税に歯止めが必要。国民負担率の上限を決めてそれを超える課税を禁ずる法整備をもとめます。

A私たちは応能負担の原則を守るべきと考えます。ですから過剰に優遇されている大企業と富裕層に相応の負担をと求めています。上限設定には限界があります。例えば、固定資産税の税率は原則として1.4%です。 都市計画税の税率は市町村により異なることがありますが、0.3%を上限とする、など上限の定めがありますが、所得税の上限がかつては70%だったのにその後45%に下げられました。上限を設けても法改正されれば抑止力にはなりません。不正な改正を許さないこと、防衛予算倍増という危険な無駄遣いを許さないことで国民の過重負担を避けましょう。

適正な税制を求める国民の声とそれを追求する議席が不公正税制を正す力になります。

⑰財務省に巣くうアトキンソン等の緊縮財政論についてどう考えるか。れいわの積極財政論に共感している。国債を発行して一律給付金を配り、消費税を廃止して国民生活全体の底上げをして内需を拡大して経済回復を図るのが王道ではないか

A.MMT理論ですね。これについては日本共産党前参議院議員の経済通、大門美紀史さんのインタビュー記事を添付いたします。(『本当に野党ではだめなのか』より)

――二〇一九年にニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が来日し提唱してきたMMT(現代貨幣理論)が今もブームです。MMTをどうお考えですか。

大門:最近、「緊縮」か「反緊縮」かという議論がよく聞かれますので、この点を先に述べたいと思います。先ほど述べたように、日本の財務省は、国の借金が大変だ、大変だとキャンペーンを張り、国民に負担増と公的サービスの削減を押しつけてきました。いわゆる「緊縮」路線です。長期にわたる財務省と自公政権による「緊縮」路線は、人々の将来不安を助長するとともに、我慢を強いて、暗い気持ちにさせてきました。そういう「緊縮」路線に対し、「反緊縮」を掲げてたたかうことは理解できます。財務省のバカヤローという意味では、大いに共感もします。

 ただ、かれらの「緊縮」は裏表のある二枚舌政策であり、そこは正確に見ておく必要があります。なぜなら、国民には「緊縮」政策を押しつける一方で、大企業や富裕層には減税や数々の支援措置を大盤振る舞いし、かれらには明るい未来を与えてきたからです。つまり大企業や富裕層には「反緊縮」を行ってきたわけで、「緊縮」か「反緊縮」という問題の立て方だけでは、財務省の狡猾さも新自由主義の本質も見抜けません。問題の核心は「緊縮」か「反緊縮」かではなく、誰のための政治なのかということです。このことを曖昧にしてこれまでの政治をただすことはできません。

 そのうえで国の巨額の借金をどう考えるかです。目の前で困っている人を助けるのは政治の仕事です。財源がないから助けられないなどと言うべきではない。借金してでも人々を救う責任が政治にはあります。この点で、最近クローズアップされてきたのが、ケルトン教授の提唱してきたMMTです。簡単に言うと、国の借金とは返済に汲々とするような性格のものではないということを解き明かした理論だと理解しています。財務省のように国の借金が大変だと人々を脅しつけるやり方への反論としては、有効だと思っています。また国会の質疑でも申し上げましたが、ケルトン教授には心情的にとても共感しています。学者の方々は、どの立場からのどんな考えでも、自由に主張されるべきです。

 そのうえで申し上げれば、日本のMMTを主張する方の中には、極端な方もおられます。 国の借金はいくらしてもかまわないとか、お札をどんどん刷って消費税はすぐ廃止、国民全員に生活費を一律給付せよとか、あるいは、インフレになれば増税して沈静化すればいいんだ(生の経済はそんなに単純に動かない)とか。そこまで言ってしまうと、MMTは荒唐無稽な理論だと聞く耳を持たれなくなり、せっかく活用できる部分まで切り捨てられてしまいます。実際、国会でMMTを極端な形で主張する議員もいますが、政府側に「異端」扱いされ、聞き流されてしまっています。

 またそういう極端な主張に少しでも疑義を挟むと、「おまえは緊縮派だ」とレッテルを貼られたり、「〇〇先生の本を読め」と感情的な反応が返ってくるのも残念に思います。MMTは新興宗教ではありません。ケルトンさんも残念がっているのではないでしょうか。

――MMTは、あくまでもインフレ率が制約になるということであり、そこを過ぎてまでお札を刷るべきとは言っていません。賃金がこれほどまで下がった要因の一つは、デフレスパイラルだと思います。消費税を減税するなどして、経済をインフレ基調に持っていくことが必要ではないでしょうか。「共産党」としては、適切な物価上昇率、インフレ率については考えていますか。

大門:わが党はそういう論立てはしていません。物価上昇という目標を立てること自体が的外れだと思います。なぜならこの二〇年間のデフレは、金融政策の結果ではないからです。二〇〇一年頃はデフレスパイラルがよく議論になりました。竹中平蔵大臣(当時)とよく議論したものです。わが党はそのときから、デフレの原因は、不況下で政府と財界が一体となって賃金引下げを進めたことにある。このデフレは賃金デフレだと明確に指摘してきました。

 九〇年代初めのバブル崩壊で経済が長期不況に入ったときに、先ほど述べた日経連の「新時代の日本的経営」が出され、賃金引下げ路線が押し進められました。不況下でわざわざ賃金引下げ政策をやるとどうなるのか。不況ですからモノが売れなくなります。モノが売れないから企業はモノの値段を下げて売ろうとします。当時は「価格破壊」だの「ユニクロ現象」だの、企業がみんなでダンピング競争を始めた。ダンピング競争に打ち勝つにはコストを下げなければならない。賃金の押し下げ圧力が強まります。そんな折、日経連の要求に沿って、低賃金の派遣労働を増やす規制緩和が断行された。ただでさえ賃金を下げようとする圧力が強まっているのに、賃金を引き下げるような政策を出した。このダブルが効いて、実際に賃金は下降していった。賃金が下がればモノが売れなくなり、またいっそうモノの値段を下げようとする。そういう悪循環が長期のデフレを招いたのです。

 二〇年前、デフレの原因が賃金引下げにあると主張したのは、政党としてはわが党だけでした。他の政党も多くの学者も、デフレは日銀が金融緩和に消極的だったことにある、すなわち金融政策の結果だと主張していた。しかしその日銀が黒田総裁に代わり、「異次元の金融緩和」という大規模な金融政策を行ったにもかかわらず、何年経っても自ら掲げた二パーセントの物価上昇目標を達成できていません。政府の審議会の委員をしていた著名な学者で、デフレは金融政策の結果だと主張していた人が、日銀が大規模な金融緩和をやっても物価が上昇しないのを見て、「賃金引下げがデフレの原因だ」と主張を変えたときはさすがに笑ってしまいました。デフレが金融政策の結果ではなく、賃金引下げ政策によってもたらされたことは、もはや明白になったのではないでしょうか。

 物価の上昇自体が目標ではありません。人々のくらしがよくなって、経済が活発化し、その結果、物価が上がることが大事なのです。ですから、大事なのは物価上昇ではなく、賃金引き上げです。賃金は、労働市場の需給関係、労使の力関係、労働者の生計費、雇用関係などさまざまな要因で決まります。政府が主導的に関与できるのは最低賃金の引き上げです。安倍、菅政権のようなチマチマした引き上げではなく、アメリカやフランスで実施したような、大規模な中小企業支援と最低賃金の大幅引き上げをセットにした大胆な政策を実行することが必要です。

⑱カルトである統一教会の教義や改憲案は自民党の改憲案とそっくりかぶっている。世間に訴えよう

A.「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の友好団体が今年の参院選や昨年の衆院選の際、自民党議員に対し、憲法改正や家庭教育支援法の制定などに賛同するよう明記した「推薦確認書」を提示し、署名を求めていたことが報道されています。選挙で支援する見返りに教団側が掲げる政策への取り組みを求めたもので、「政策協定」ともいえる内容で、文書に署名した議員もいたとのこと。そういえば県議会でも自民党議員が家庭教育支援条例の制定を求める議会質問を行っています。しんぶん赤旗は大手メディアが安倍前首相を忖度してか、統一協会の報道を控える中で、この40年来ずっと報道し続けていました。国民が知るべきことをしっかり報道できる新聞です。統一協会を取材してきたジャーナリストの鈴木エイトさんも赤旗を「独自の取材と調査力で権力を監視するという報道の役割を果たす日本で数少ないメディアです」とジャーナリズム精神を高く評価してくれています。

この問題はもっと広く粘り強く知らせなければなりませんね。

⑲正規雇用と賃金上昇でまず親の貧困を解消し、合わせて学費無料化、医療費拡充等に取り組むよう働きかけてください

A.おっしゃる通りそれ等の施策によって国民のフトコロを温めてこそ購買力が上がり、経済のエンジンを回すことになると思います。

⑲先の選挙では野党共闘のために、れいわと共産党があちこちで候補をおろした。なのに今立憲が維新にすり寄るなど裏切りです。(共闘路線に疑問を感じるという趣旨が続く…。)

A.共闘がまっすぐに実現する状況にはなく、例えば県議会は完全に立民は自民党と同調していますが、国政においては、また地方によっては立憲民主党等と協調してアンチ自民の共闘を築けているところがあります。これを実現しているのは市民力だと思います。例えば横浜のカジノ問題も当初共産党が反対して他がそうでもなかったのですが、市民世論と市民の働きかけで反カジノの共闘が実現しました。県立瀬谷西高校で参院選前に菅前首相が講演をするというプランが発表されたとき、最初、共産党県議団は抗議しましたが、県民が立憲民主党にも働きかけ、立民も教育委員会に慎重に決めることをもとめる趣旨の申し入れを行ったとのこと。日本共産党は、その綱領で民主連合政権をつくることを謳っています。小選挙区制のもとで圧倒的な議席を誇る自民公明政権を交代させるためには、野党が力を合わせなければなりません。私は地方からも共闘を実現させたいと思います。県議会のリアルを必死で発信しているのは市民の皆さんの声が必要だからです。

⑲今の政治のひどさに情報獲得が難しい層は気付いていません。危機感を喚起しましょう。

A.そうですね、国民世論を左右してきたテレビという媒体が唯一の情報源である層には、安倍菅岸と続いた批判力のないテレビ報道で問題が隠されてしまっていますからね。一方、テレビは見ないけれど関心のあることだけユーチューブで見ている層には大軍拡大増勢の事すら知られていないという事態、いろいろな手段で今の政治の問題を伝えていく努力が必要だと思います。


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