台風の爪痕 二宮町視察
今回の台風10号で二宮町を流れる2級河川の葛川が氾濫し、甚大な被害が発生しています。二宮の渡辺町議から、今町議会で県知事宛の河川整備に関する要望を検討しているところ。県議誰か見に来ないかというお声がかかり、確かに、と時間が取れた私が6日、行くことになりました。
渡辺議員によると、8月29日1日積算雨量149.0mm。30日235.0mm最大雨量は30日6時から7時の63mm。町内4カ所の避難所に避難したのは8世帯13人。台風19号に比べると避難者は少なかったが、被害は大きかった。配布した土嚢は700袋。土砂崩れは4か所。罹災証明書は床上浸水10件、床下7件、その他2件の合計19件。ごみの受入れは16件36回。総重量6.95t。問い合わせは30件あったそうです。
渡辺議員が朝の5時に、心配な葛川の内輪橋を見に行くと雨は川の水面は端から1メートルくらい下だったのに、あっという間に橋を越えて道に住宅にと広がったとのこと。
海沿いの道路から切通しの道路が伸びていますが、そこのアンダーパス※に川の水があふれ、大型車と普通車が浮いていた。でいっぱいになったとのこと。(※線路や道路などの下を通過するために周辺の地面よりも低くなっている道路)排水溝がきちんと配水できているのかとか、県のポンプ場は機能していたのかとか検証が必要だと。
(写真:指さしているところはそこまで水が漬いたところです。レンガの敷いてある写真は図書館前でこのあたり一帯が海のようだったとか。最後の一枚は車が引っ掛かっていた橋です)
「70年ここに住んでいるけれど、こんな床下浸水は初めてだ」と語る方にお会いしました。床上浸水した店舗では「この場所では営業が続けるのは難しいかも」とオーナーさんが語っていたとか…。町の図書館の前の庭が海のようだった、田代川と葛川の合流点には流された車が引っ掛かっていた。ボランティアの人が家の泥を掻き出してくれている。案内してもらっている途中で「あ、昨日はありがとう、申し込んできたわ」と渡辺議員にあいさつしていかれる女性がいました。昨日、町が床下浸水した部分の消毒についてご案内をお渡ししたのだそうです。「耳の悪い方は防災無線が聞こえないんだよね…防災ラジオの活用をお勧めしているんですけど…」防災ラジオ!知りませんでした。横浜には防災無線もありません。情報が入らないことで取り残される人への対策、重要です。「県のライブカメラ(川の状況など映します)はこっちについているのはよく見えるけど内輪橋のところのは曇ってよく見えないんだよね…」「あー、そういうお声を受けて他の地域のカメラですけど前に県土整備局に聞いたらもっと性能のいいのだといいのですが財政上の問題が…って言ってましたね」
他にも渡辺議員を呼び止めて、庁舎移転問題や町長に関するご意見を述べる方など、地域に密着し町民の皆さんに寄り添っておられる姿も垣間見ました。そのあと土砂崩れのポイントも見せていただきました。法人の所有地らしく対応は早かったそうです。
さあ、県にやはり河川整備急いでもらわないと。短時間ではありましたが課題をいくつか把握することができました。
そして二宮町駅前のガラスのうさぎを抱く少女像と写真を撮りました。「ガラスのうさぎ」の作者高木敏子さんが暮らしたのはこの町だったのです。東京大空襲で母と姉を失った後、疎開先の二宮で機銃掃射で父親を失った後、二宮の人たちに優しく励まされて暮らしたそうです。渡辺議員は高木敏子さんと交流のあった方々のお話を聞く機会があったそうです。この像を知らなかったということはやはり、二宮は私に残された宿題だったと気づきました。県内33自治体は全部回ったかなーと思ったのですが、二宮は行った記憶がなかったのでした。本日でコンプリート。地理に弱い私も各地に行きながら少しずつ神奈川県を知るのです。