一般質問 無料低額診療事業
大山奈々子議員一般質問
大山議員:次に無料低額診療事業の充実 です。
無料低額診療事業とは、経済的な理由で必要な医療を受ける機会を制限されないよう、診療に当たって患者の一部負担金を無料または低額な料金にする制度であり、社会福祉法で定められています。
厚生労働省によると対象者は「低所得者」「要保護者」「DV被害者」などの生計困難者です。世帯の実収入額が生活保護基準の 140%以下に該当する世帯員も対象となります。事業を実施している医療機関の窓口において、生活困窮の状況を相談して、福祉的な支援制度を検討した後、必要に応じ、医療費自己負担分の一部または全部の減免措置が決定されます。県内には46機関があるとのことですが、この事業は医療機関に対しては税制上の優遇があるものの、対象者を診察するほどに持ち出しになるリスクを抱えながらも事業を担ってくださる使命感には本当に頭が下がります。しかしながらこの制度の認知度が低く、必要な人に情報が届いていません。
さらに、今や院外処方を行う医療機関は2023年7月時点で約8割に上り、そのため院内処方が多かった時代につくられた現制度では、院外薬局では処方箋に基づいて無料または低額での薬の提供を行うことができません。同事業を行う医療機関からは、「せっかく診察しても、薬の段階で治療を断念させることになる」との声があります。同事業の意義を発揮するためには院外薬局においても無料または低額で薬の提供を受けられるようにする必要があります。全国では高知市や青森市、那覇市などいくつかの市で無低診患者を対象に、薬代の窓口負担分を助成する事業を行っている自治体があります。
そこで知事にうかがいます。
制度の意義を貫徹させるために妨げとなっている薬代への支援制度の創設を国に働きかけると同時に、県としても支援制度を作るべきだと考えますが、見解をうかがいます。
また、無料低額診療事業についての認知度が低いため、実施医療機関のHP上での紹介にとどまらず、ポスターやパンフレットを作成し、役所やハローワークなどで、公的機関や生活困窮者への支援に当たる自治体職員等に制度の周知を行うべきと考えますが見解をうかがいます。
【答弁】
黒岩知事:最後に無料定額診療事業の充実についてです。この事業は、生活困窮者等が無料または定額な料金で診療を受けられるようにする事業であり、受診と併せて医療や生活上の幅広い相談に応じ、暮らしの立て直しや福祉等の支援につなげることができる重要な取り組みとなっています。県ではこれまでこの事業をホームページで広く周知するほか、生活困窮者等の相談支援を行う職員への研修を実施し、相談者が 無料低額診療を適切に利用できるよう取り組んできました。しかしこの事業では薬代について院外処方 などの場合に減免が受けられないといった課題があります。ただこの課題について県は詳細な実施基準を定めている国に対し今後検討を働きかけていきたいと考えており、県独自の支援は予定していません 。また相談支援に繋がっていない生活困窮者等は、この事業を知らずに受信できていない方もまだまだ少なくないと考えます。そこで、県では新たにリーフレットを作成し、市町村の福祉窓口に加えハローワークなどにも配布することで、より効果的な周知を行い生活困窮者等の受診につなげてまいります。私からの答弁は以上です。
【時間がなくて言えなかった要望💦】
次に無料低額診療事業の充実についてです。
広報はさらに充実してくださるとのこと、ありがとうございます。(支援者のみならず、医療を必要としているのに財政的に断念しようとしているすべての人にとどく広報が待たれます。)
そしてやはり薬を入手する際の壁については、国の支援を待たず、先行自治体が踏みだしているように、薬局への助成制度をもうけ、すべての人の受療権を保障していただけますよう要望いたします。