「蛇口をひねればミネラルウォーター」TSMC誘致の影と 水俣病からの再生 視察2日目
19日、県庁でお話を聞いた最後に「ちなみに誘致要件に、県内雇用は位置付けておられますか」と聞くと「え、それは当然…」とのご回答でした。その当然のことをやっていない県が神奈川県です。視察先ではいろいろな住民の方の声を聴きたいと思っていますが、移動にタクシーを使ったとき、できるだけ現場の状況を聞くことにしています。「TSMCがやってきてどうですか」と聞くと「渋滞がひどくなった、そして公害が心配だ」とおっしゃっていました。熊本県は水俣病という企業排水に起因する公害に苦しんだ過去がありますからね。
このドライバーさんの心配が杞憂ではないことを翌日痛感することになりました。今大きく注目されている有機フッ素化合物PFASがJASMの排水から検出されていることがわかったのです。
※写真はJR熊本駅 駅前の屋根付き歩道といい歩道橋といい、優美なフォルムで美しい駅だと思いました。市電も乗り入れています。


20日■当初、立地自治体である菊陽町に話を伺う予定でしたが、日程的に対応が難しいとのことで、現地の県議に話を聞こうとなりました。今、共産党議席は残念ながらゼロということで、元県議の松岡氏に話をうかがうことに。タイトルのキャッチコピーは熊本県のスローガンだそうです。地下水を飲料水にする割合は全国的には平均2割、熊本県全体では8割、熊本市と菊陽町ではほぼ10割!だそうです。



この松岡氏は「くまもと地下水政策研究会」の肩書も持っておられました。7つもの水関係の団体が一緒に地下水問題を監視しているとのこと。共産党県議がいなくなり、議会に声が届きにくくなりこの間25回も県に要請行動を行ってこられたとのこと。地下水のモニタリングも昨日聞いて熊本県はエライなーと思っていたら、それはこの会で求めたものだということでした。北海道のラピダス(同じく半導体企業)誘致問題で北海道の立憲民主党の議員さんたちも話を聞きにこられたとのことでした!
こういった市民の運動(街頭宣伝、署名、SNSなど)と議会での質問が力になり切り開いてきたこと地下水保全対策、交通渋滞対策(時差通勤など)農業支援など住民の暮らしを守る市民力に感動しました。
長いブログがお嫌いな方はここから先は資料編です。
2022年時点での共産党熊本県委員会の「見解」抜粋
1.TSMC支援の4000億円(国費)は、電機・自動車などのユーザー企業の自己責任で。(ひとつ前のブログに書いたようにこの金額は、その後膨れ上がるわけですが、TSMCのCEO最高経営責任者シー・シー・ウェイ氏が述べたように熊本への進出は補助金に関係ないと言われている以上、経産省の年間予算を超えてまで支出することは問題だったと言わなければなりません)
2.TSMC及び半導体企業集積と地下水の枯渇と汚染のリスクについての科学的検証と保全対策を
(1)台湾の水不足とTSMC
2021年4月27日の日本経済新聞では、半導体産業が集積する台湾で水不足が深刻さを増している、蔡英文総統が「非常に深刻だ」との見解を示し、半導体の生産に支障をきたす恐れがある、と報じ、2021年4月14日の東洋経済では、「半導体メーカーに水奪われた台湾農家の憂鬱」として「世界では電子機器への需要が高まり、半導体不足がただでさえ深刻な問題となっている。そこに台湾の水不足という新たな不安要素が加わったことでテクノロジー業界の台湾依存、中でも特定の1社に供給を依存している現状に懸念が深まるのは間違いない。その1社とはTSMCだ」と報じられています。半導体と水は不可分であり、地下水が豊富な当地への「水」をあてにしたものであることは疑いないとのことです。
(2) 熊本地域の地下水は水量、水質とも危険信号を示している。
(前略)しかし、その地下水が今、水量、水質とも危険信号を示している。地下水かん養域※の減少による地下水位の低下や湧水量の減少が観測されるほか、硝酸性窒素濃度が環境基準を超える井戸が分布するなど地下水汚染が顕在化しつつある。
※【涵養】(かんよう)
一般に、降水、湖沼水・河川水、貯水池・浸透ますなどの水が地下へ浸透すること(地下水(1)
となること)を指す。また、涵(かん)養が起こる場所を涵(かん)養域(11)と称する。なお、対比される言葉として、流出あるいは湧出が使われる。
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■国会と結んで追及。使用PFASを明らかにさせました。
次に示された資料は TSMC第一工場でのPFASの使用中止をJASMに求めることなどについて。簡単に要約すると、JASMはPFOS・PFOA・PFHxは使わない他に3種類を使うとされており、このほかの3種類の公表を求めましたが、熊本県は「企業秘密にかかわることであり、わからない」という姿勢で明らかにさせることを頑なに拒んでいました。日本共産党の辰巳孝太郎衆議院議員のJASMへの問いに対して、JASMは使用する3種類についてPFBS、PEPES、PFBAであると、経済産業省を通じて回答。後に日木村知事が共産党県委員会への回答は間違っており、訂正する」と釈明するという経過があった。
JASM第向上・ソニー新工場対応の下水道計画では有明海に現在の浄水場・下水道の坪井川ルートと白川本流ルートに2ルートからPFASを含む水が大量に流されることなり、白川の水に依存する農地は4000ha.新下水道計画は熊本市民生活、農業、有明海にとって死活的な大問題
折しもこの「地下水を守る熊本の会」など7市民団体は、私たちが熊本県庁を訪ねた当日、1月19日「地下水保全条例の改正を求める署名を熊本県に提出されていました。地元熊本日日新聞によると、▶要請では、台湾積体電路製造(TSMC)進出に伴う白川中宙域の大規模開発に懸念を示し、水を地下にしみこませる土地の面積の減少や、有機フッ素化合物(PFAS)などによる水質への影響を防ぐため、規制強化を求めた。
交通渋滞や農地減少、地価高騰などについては「税金が豆乳されている企業側にも責任を求めるべきだ」と主張した。
県側は環境立県推進課と環境保全課が「意見も含め関係する部署に共有する」と応じた◀とのことです。
後継者に悩む農家は高値での用地買収は渡りに船。半導体企業を招いて巨大工場用地が増える一方で緑が失われ大地が涵養力をなくしていく、由々しい問題です。
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次の目的地は、市内の陸上自衛隊健軍駐屯地。長射程ミサイル配備計画に反対する1200人規模の大きな反対デモが行われたということで私たちも現地に行ってみました。。本当に閑静な住宅地にあることを実感。デモに関する熊本日日新聞の記事はこちらです






