大山奈々子
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育鵬社またも。でも横浜市民は負けていない!

ブログコメント4

IMG_1947これは開港記念会館。クラシックな建物です。開港50周年を祝って1917年に建てられました。

ここから通りを一つ渡れば県庁があります。質問準備をしに午前は県庁にいましたが、11時には傍聴券をもらいにここに行きました。大勢の傍聴者が見こされるため、会場をここにし、教育委員会を公開でおこなっ…たわけではなく、抽選して20人にしぼり、あとは音声のみの傍聴です。委員会規則だそうです。

他都市ではあふれた人もきちんと会場を変えたり椅子を増やしたりと極力対応するのに、横浜はそこのところが大変頭が固い。この間の教科書運動で広い会場を押さえるなど改善はみられたものの、まだまだ市民本位の委員会活動になっていませんね。

結論は2016年四月から使用する歴史・公民の教科書は育鵬社に決定しました。すべてのたった6人の教育委員に決定権があります。歴史が帝国書院3対育鵬社3、公民は東京書籍3対育鵬社3。同数の場合は教育長に決定権があり、林市長の意を受けてか教育長が育鵬社に決めました。市長選の時に、教科書に関して自民党と林市長は密約を交わしていたといいます。教育委員人事は市長の権限ですから。子どもに歴史の一面的な見方しか教えず、憲法改正に導く教科書は2012年から数えると10年間で26万人にも与えられたことになります。うち2冊はうちの子たちです。  

非公開の場で傍聴した人たちは、300人を優に超えます。関心の高さがうかがえます。

報告集会では傍聴叶った人やさまざまの立場の人からの声が紹介されました。

直接傍聴した人は各委員の姿勢を。今田氏は自信なさそうだった。組織できていないとみた。などなど各委員の発言をリピートしてもらえました。

元社会科の先生からは、学校や先生が教科書を決めないのは日本と中国だけだと。そもそも学校現場に採択権を、という運動を広げましょうと。

私には使わされている母親の立場でという発言依頼がありましたが、ちょっとうまくいえませんでした。政治の力で変えようと前回の採択は死に物狂いで頑張ったけれどだめだった。運動に少し挫折を感じ、政党の勢力を変えようと。そちらに頑張っている間に教科書の運動がおろそかになって申し訳ないとおもっている。でも県議会では日本会議派が49から39%になった。県立の中高一貫校で育鵬社が変わったのも、県教委がいままでのような露骨な介入ができなくなっている表れかと思う。

地元の教科書運動の地道な活動でさざなみなのように問題意識が広がってきている。子どもたちが与えられたものを疑う契機にもなっている。80才になっても頑張るという方々の声があった。励まされる。今回進歩があったようにこれからも闘いたいという趣旨のことを述べました。

朝から晩までそれこそ寝食忘れるようにしてこの問題に取り組んできた諸先輩方は決定が出たあと、日焼けした顔に一様に落胆の色も見えましたが、報告集会が終わるころにはあらたな決意がみなぎる表情になっているのが頼もしかったです。エレベーターで「あー、今回で終わりにしたかったなあ」という男性に、まあ、この手の闘いは例え勝っても終わりはありませんよねというと、みなさんうなづいておられました。有識者アピールの代表の今は病に伏しておられる藤岡先生は「横浜市民は負けていない!」と4年前におっしゃいました。その言葉は今回の報告集会でも繰り返されました。

歴史修正主義者のみなさん、勝ったと思うのは早いですよ。

私はお昼の集会のあとで、世の中のおかしさに気づいて何かしたいと思っているという女性にであうことができました。運動が生み出すものは大きいのです。

 


コメント

  1. 鈴木やすより

    私は恥ずかしながら「教科書採択問題」に余り興味がありませんでしたが、昨年来、大山さんのブログを読むようになってから問題意識を持つようになりました。
    今回は、4日に神奈川県教育委員会が育鵬社版を不採択としまたその他の地域でも同様な流れがあり横浜市の動向を気にしておりましたが何ともすっきりしない結果となりました。私は最大の犠牲者は生徒ではないかと考えます。
    「教科書問題」の集会で出合った方からもメールを頂戴しました。彼女も「これからまた4年後の採択まで頑張りましょう。」また本日(8/6:広島)被爆者の方のコメントで「あきらめてはだめ、一人になっても死ぬまであきらめない!」と子どもに語っていたことが印象的だったとコメントしておりました。
    また確実に世論は動いていると結論付けておりました。
    私の脳裏にはマーク・トウェイン(米国の作家、小説家 / 1835~1910)の次のことばが蘇りました。
    「やったことは例え失敗しても20年後には笑い話にできる。しかしやらなかったことは20年後には後悔するだけだ。」

  2. 中村 孝より

     傍聴者20人はひどい!
    県の決定も、県議会構成の変化が働いていることを知れば、次回は、と期待したいです。

     最後に、蛇足ですが 「開校」は「開港」?

  3. 大山奈々子より

    鈴木様

    おっしゃる通り教科書は関心の低い問題です。
    しかし、戦前お国のために死ねと子どもたちを導いたのはほかでもない、教科書です。港北でも運動の先頭に立っている人は元軍国少年でした。

    マークトウェインの言葉、いいですね。どこかで使いたいと思います。

  4. 大山奈々子より

    中村様

    ありがとうございます。
    県の決定といえばそう、実教出版問題、これは正しく侵略を書いた教科書だから排除の対象になっているんですが、これも県民の運動であからさまな排除はできなくなっています。広く手を結んでがんばっていかねば。

    文字、間違っておりました。ありがとうございます。

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