大山奈々子
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中央社会保障学校で憲法25条バッジを胸に

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 中央社会保障学校には全国の人が参加されています。フルに参加すると二泊のコースです。昨日のジャーナリスト堤美果さんの講演も「社会保障費は増大しているというけれど、世界的に見たら日本の社会保障費は自然増程度で大げさにいうほどではない」とかおもしろそうです。

今日の講演は神奈川労連の事務局長住谷さんが最賃裁判の切り拓いてきた道と神奈川の課題を。

年金削減反対の裁判と、生活保護に関する生存権裁判と、最低賃金時給千円を求める最賃裁判と三つの裁判をやっているのは神奈川だけだそうです。さっそく生存権について規定した憲法25条を守れと作られた25条バッジを求めました。9条も欲しいなといっていたら、

福祉保育労の方が、「裏が9条になっているのもありますよ」と。なんでもあるものですね。IMG_2623no3

以前、佐渡島に行った時に、見つけた耳かきを思い出しました。佐渡の金山の金貨を頭につけた金色の耳かきが佐渡おけさの傘をかぶっている、つまり金貨が傘をかぶっているというご都合主義的な耳かきを素晴らしいと思い、長らく愛用していたことがありました。

ましかし、25条がその精神を全うするためには9条が生かされなくてはいけないわけで、裏表のそれを早く欲しいと思った次第です。神奈川はこのたび時給905円に引き上げられたけれど、生活保護費との整合性をはかる試算の5つのごまかしなく計算したら時給1500円にしてしかるべきなのだと実証的に説明されました。

最賃の決まり方も勉強しました。中央の最賃審議会の意向を組んで地方の最賃審議会が答申を出して都道府県の労働局長が決定するのだそうです。神奈川は審議会の提示した金額を全国で唯一1円下げての決定だそうです。理由は箱根の噴火で営業が厳しいから。支払い能力ばかりに目をやって、労働者の当然の権利を顧みない方式は問題です。

 

 

しかし10で始まった最賃裁判の原告が130人を越えていること、 裁判所前でのアピールが功を奏していることなど面白くお話しくださいました。

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「戦後七十年。岐路に立つ日本の平和・憲法・社会保障」と題した一橋大学名誉教授の渡辺治さんの講演は60年安保の時に中学生でクラスで安保反対の決議をあげて自身も国会前に行っていたこと、当時とまた違う今の運動の広がりとかつてない共闘が実現したこと、総がかり行動の立役者は二つの労組だったこと。その素晴らしさに涙したということ。朝日新聞の記者が、憲法審査会をへて3人の憲法学者が安保法制を違憲とした日から、「これで運動を報道できる」と。あの日を境に新聞各社で安保反対の報道が広がったこと。国会の勢力図の変遷から今の情勢まで解き明かすダイナミックなお話しでした。安倍首相はこれ以上支持率を下げるわけにいかないから沖縄問題でも民意にそむけなくなっている、など面白い展望をきかせていただきみんな相当明るい見通しを持ったに違いないと思います。

 

 


コメント

  1. 鈴木やすより

    今回の神奈川県最低賃金は905円(平成27年10月18日適用:従来887円から18円UP)に改定されました。私の関係会社でもこの適用でUPする労働者が飲食系及び事務系で複数名存在します。また最低賃金適用でなおかつダブル(2社兼務)で仕事しているシングル・マザーの労働者を知っていますが生活はぎりぎりだと言っております。
    またある学習会でお会いした方の言葉が印象に残っております。「神奈川県はまだ良いですよ。高知県の最低賃金は693円(鳥取県、高知県、宮崎県、沖縄県は最低です。因みに最高は東京都の907円です。)ですから」
    私は「最低賃金」裁判は当然だし、削減された生活保護基準との比較はナンセンスだと思います。「最低賃金」の底上げこそが急務で最低でも1000円。いや1500円(異常に高額な国保負担等のためには)は必要だと考えます。「最低賃金」の底上げこそが貧困問題や広義の意味での社会保障の問題の根幹であると考えます。

  2. 大山奈々子より

    鈴木さん

    生保との整合性を取って設定される最賃にまやかしが五つあるそうですね。
    確かに社会保障の根幹です。
    子どもが放置されて死に至る問題がありますが、ここまではたらかなくてもいい世の中であったならと思わずにいられません。

  3. 吉崎英雄より

    大山様
    身体障害者が働くとなると、どの会社も最低時給です。
    会社は障害者を雇用すれば国から会社へ金銭が支給されるそうですが、国からカネをもらって、最低時給で働かせる。
    これは障害者を使った会社の汚い手口です。
    利用されて、会社に「貢献」する。障害者は損ですね。
    地方の時給がいくらだか知りませんが、本当に会社は悪知恵は働きます。
    「障害年金もらってるくせに」
    はい、もらってますよ、しかし、年金+最低時給では、同年代のサラリーマンよりもかなり低い金額です。生きるギリギリの金額です。
    人情紙風船。やっぱり私の様な障害者は生きる資格がないのです。

  4. 大山奈々子より

    吉崎さん

    誰もが幸せに暮らすために政治があるのだと思います。今は不十分でも、私たち一人一人の力で豊かに暮らせる政治に変えていきましょうね。

  5. 鈴木やすより

    神奈川県の障害者の民間企業での雇用率は2014年の数値ですが全国平均の1.82%に比べ1.75%と下回っております。これは全国で41番目(2013年の順位ですが傾向は同じ)でありワーストに近いです。県の機関(県、市町村、県の教育委員会関係)では2014年でやっと法定雇用率(2.3%)に達したレベルです。因みに民間企業での法定雇用率は2.0%です。
    また2015年4月から「障害者雇用納付金」(法定雇用率未達の企業が支払う納付金)の対象企業が常用労働者201人以上の企業から101人以上の企業に変更(拡大)され労働現場では新たな問題が生じている様子です。
    残念ながら神奈川県の障害者雇用率に対する取組は貧弱ですが神奈川労働局管轄のハローワークでは障害者雇用率に対する改善を実施しています。しかし良く耳にするのは企業の人事・労務担当者は障害者雇用の必要をある程度理解(当然ハローワークの指導のもと)しているものの実際に障害者が配属される現場と意思の疎通(温度差があり)を欠き、私がかつてみた現場では驚くべきことに殆ど障害者に業務が無い状態でその障害者自身は退職したケースがありました。また現場で障害者に対する露骨ないじめ、嫌がらせが生じていたケースがありました。このケースは私が何とか是正しましたが。
    「障害者」雇用は神奈川県も労働局マターとせず本腰入れる必要性を感ずるとともに、真の意味での「障害者雇用」つまり障害者の職業の安定を図ることが肝要と考えます。

  6. 大山奈々子より

    鈴木さん

    なるほどね…考えさせられますね…。なるほど…。

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