反知性主義との闘い 日本共産党がんばれ!図書館の会
上記の会が設立されるというので、世話役?の元日本図書館協会の事務局長の方からのお声掛けで、川崎図書館をめぐる運動をお話しさせていただくことになり、17日に党中央本部に行きました。川崎図書館に関しては本当に愛してやまない利用者、あるいは図書館問題に造詣の深い方々が守る運動を展開されていますが、党としての取り組みや議会の様子をまとめて語る必要があって議員になる前の2012年に持ち上がったこの問題の軌跡を振りかえってまとめました。
私のブログを読んでくださっている県職員の方へ。知事や当時の県議が県民にしっかり諮らないままに推進した緊急財政対策に対して、議席のなかった共産党としては「神奈川臨調から県民の暮らしを守る闘争本部」を組織したのでした。削られる県民サービスの防波堤になろうとして諸課題に関して情報発信、学習、県への要請に取り組んできたのでした。私は県政をめざすものとして、事務局次長として闘いました。微力ながら、(本当に県が振るおうとしていた大ナタの前には微力でしたが)歴史的な経緯や関係者の合意を無視した県有施設、補助金削減に立ち向かってきました。
図書館も何度か説明会は行われましたが、肝心の利用者にはほどんど知られないままに移転へ向けてのプランが進行していきました。当初打ち出され、後に撤回された貸出閲覧中止に至っては前代未聞で県民の多くが呆れかえったものでした。県立図書館も、川崎図書館も司書や職員の方々が本当に自身の仕事に誇りをもちつつ、県の方針につらい表情でいらしたことを思い出します。
話せば長いのですが現状は、川崎図書館は市内のかながわサイエンスパークKSPと横浜の県立(紅葉坂)に分散という方針になっています。川崎の地元の皆さんの運動で、川崎市議会では全会派が賛成して市内存続を望む請願が提出されています。川崎市から借りていた土地の借地権が切れるからという理由で半世紀を越える知の財産の集積を、機能特化という名で実質分散し、使いにくいものにしてしまおうとしている県の方針は県民が本当に広く知ったら到底理解できないものです。
中央本部前のウインドウでは巨大赤旗を掲示していました。中央に勤める友人のFacebookによると立ち止まって熟読していく方が増えているそうです。記念講演をされた不破(←クリック)さんが、戦争法強行採決のその日、「ここで国民連立政府のことを話し合いました 」と話されたので「そうだよねぇ…ここでかぁ」と感慨深いものがありました。
18日付の赤旗では、申し訳ないことに私の写真が掲載されていて、不破さんの写真が載っていなかったので、ここにご紹介します。お話のおもしろさは、勉強好きそうな司会の方が「初めて聞く話ばかりでした」と。睡眠不足で途中不覚にもふっと眠りに落ちた自分の頭を殴りたい思いです。これ講演録でないかしら…
不破さんの記念講演は「本と私の交流史」。本は古本屋で買うものだと思って育ったお話から、古本屋めぐりが好きで、外国に行ってもその土地の古本屋でいろいろなものに出会ってきたという話。登場人物だけでも、マルクス、スターリン、チャーチル、劉少奇、チャウシェスク…ドイツ外務省の資料、米英ソ秘密外交史、ひとつ面白いと思った話は、不破さんがフィンランドの共産党と話した話。「日本の共産党の自主独立路線は評価するけれども自分たちはそれはできない」と言われた。その時に渡された資料を長らく実は紐解いていなかったが、スターリン秘史を書く前になって読み返してみると、スターリンがいかにフィンランドに対しても強圧的であったか、フィンランド共産党の代表が言った言葉の意味がわかった」と。マルクスの大英図書館活用法もユニークな話でした。
最後には戦争法廃案のための国民連立政府の構想に関して「日本の政治が新しい局面への〇〇になる」(正確に伝えたいのでメモがよめないところは〇にしておきます)「いろんな政治指導をしてきたけれどこれだけ広がりを感じるのは初めてだ」と話されました。
そして共産党を応援しようと集まった図書館関係者愛好者に対して「あなたがたが〇〇…その役割を意義ある形で実現されるよう…」と締めくくられました。みなさん、ではなく敬称でありながらも先生に呼ばれているような「あなたがた」が不破さんぽくってカッコよかったものでした。
司会者が記念講演に質問はなしと言われたけれど司会者特権でうかがいますが、何か国語おできになるんですか、との問いに、「話すのは全く駄目ですが、読むほうは、高校が仏文科でしたし、英語はまあ、ドイツ語は独学でなんとか…中国語は簡体字さえわかればなんどかなりますから」と。原書で政治史の本を読める四か国語の力があるということです。
140冊の著書があるといわれている不破さん。私の世界史の知識のみならず何かと頭が足りないことを思い知らされる講演でした。もっといろいろ知っていたらもっとおもしろかっただろうに。源氏物語で相手が素晴らしすぎることを「恥ずかし」という、と古典で習ったものでした。いと恥ずかし。恥ずかしすぎて不破さんにご挨拶しに行くのも嫌になって遠くから背中を見送ったのでした。
日本共産党の国会議員の質問にはよく国立国会図書館の〇〇によりますと、という引用がされるそうです。党の資料室の充実ぶりも音に聞こえるもので、このあと私を含む各地からの報告を聴かずに資料室ツアーに参加した人もいました。
全国初TSUTAYAに委託した佐賀県武雄市の江原市議が参加されていて、今は1議席になってしまっているけれど、市長リコールの取り組みなど闘っておられる様子が報告されました。若い市長が図書館関係者を既得権益者だといって叩いて民間委託し、武雄図書館はアベノミクスの一つだと豪語しているそうです。江原市議は私をネット上でご存じだったとか。共に頑張りましょうと握手させていただきました。
愛知県小牧市が指定管理者導入をめぐって住民投票を行って食い止めた話。
図書館職員の雇用継続を求める裁判に勝利した報告などもりだくさんでした。神奈川は黒岩知事になって以来、貸出閲覧中止という極めて反知性的な方針を打ち出してしまったため注目されています。取り返しのつかないことにならないよう川崎図書館を守りたいと思います。川崎図書館への思いのある方、メッセージをくださいね。
コメント
私事ですが神奈川労働プラザの「労働情コーナー」(労働専門の図書館)は勤務先の至近距離なので週2~3回は活用させて頂いております。正直県立図書館自体の活用は少ないのですが土日は時間のゆるす限り自宅の至近距離の市立図書館も活用しております。いわば図書館通いが習慣化しております。これに加えて書店巡りも習慣ですが(笑)。因みに過去半年の私は平均でも月10冊は専門書含め図書館の図書のお世話になっております。
私は図書館設置の目的は憲法で保障する「市民の知る権利の保障」だと考えます。また図書館は地方の文化発展に寄与するものでありこの要請は本来の地方自治が行うべき大きな課題であると考えます。
確かに利用者には神奈川県立図書館の現状が聞こえて来ませんが県民の声を聞き安易な切捨ては反対と考えます。
最後に本件は、赤旗日刊紙10月18日(日)に掲載されておりました。僭越ながら私から一部紹介させて頂きます。「大山奈々子神奈川県議は県立川崎図書館の存続を求める運動について、県議会に共産党の議席ができたことによる運動の前進などを紹介しました。」
最後に当該誌面での代表世話人の方のコメントも紹介させて」頂きます。「図書館は平和の時代でしか生きられない。」先日、映画「真空地帯」(山本薩夫監督、1952年作品)でも軍隊の中でどちらかというと反戦系(軍隊の中では思想は消されてしまいます)の社会科の先生だった兵隊が部下の学卒の兵隊に社会主義系の書籍を渡してそれは上官に分かり制裁を加えられている場面を思い出しました。平素からの図書館愛用者として図書館活用が出来るのも「平和」であるからこそとあらためて考えました。
鈴木さん
やはりかなりの読書家でいらっしゃいますね。
ある意味安倍政治を物語る問題としてシンボリックだと思います。