大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

特別支援学校視察 上菅田・北綱島・中原 横浜北部に必要。

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f4f0f77d5ddc横浜市議団のツアーに便乗し、横浜北部の特別支援学校事情を視察しました。

3年後の閉校とその後の分教室化が決まった北綱島特別支援学校。当初、3年後に閉校、子どもたちは近くの県立や市立の特支、(旭区に新設の左近山特支、青葉区の中里学園跡地の新設校も含む)に行くようにと言われました。周辺はどうなっているのか。市議団が作った図です。

赤い色は市立。青は県立。長方形は現存。楕円は建設予定。

もしも北綱がなくなったら本当に横浜北部は空洞化することが明らかです。

・・・視察・・・

【毎日が生死のはざま】

比較的障がいの程度の軽い児童生徒が多い横浜市立上菅田特別支援学校、重度の横浜市立北綱島特別支援学校 と県立中原を見せていただきました。北綱島では保護者の3万筆を越える存続署名を集めた保護者の方々もお話ししてくださいました。

「お医者さんが常駐しているわけではないのでチューブが外れた時などいつ学校から呼ばれてもいいように遠出はできない」「毎日が生死のはざまを生きている。一度は心肺停止になったこともある」

「自分の子はなんとか卒業できるけれど、後に続く子が行き場所をなくすのが困る」

これらの言葉には本当に胸が痛みました。保護者のみなさんは今後も生徒募集を続けるように市に求めて行くということです。今いる一年生が卒業するまでは分教室として存続するといいながら、生徒募集に関してはいつまで行うのか明らかにはされていないといいます。分教室になっても基本、今の施設や人的配置は変わらないと言っているそうですがなんとか存続か北部に新設が叶えばと思います。一番の願いはそれだとおっしゃった先生もいらっしゃいました。

〇上菅田

IMG_4156 参議院比例予定候補の椎葉さんも一緒です。国会議員がこういう実態を知ることは本当に有意義です。

IMG_4128 去年から司書の先生が配置されたとかで、こういう貼り紙もうれしい。

IMG_4131図書コーナー。図書室はなくなったのかな…過大規模かは共通の大問題。北綱島の場合でも理科室や美術室をつぶして普通教室に転用しています。

IMG_4133no1刻み食、ペースト状など5種類を作り分ける給食は大変ですが、中等部高等部でも食べられるのはよかった。これが分校になっているとままならない特別支援学校もあります。

IMG_4134職員室がいっぱいで壁も取り払われ、机があふれています。視察した3校とも、設立時の定員をほぼ倍加する児童生徒を受け入れています。

〇北綱島

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私が嬉しかったのは、訪問籍という、学校に来ないで家で先生の訪問を受けている籍の子たちのコーナーがしっかり設けられ、どういう学びをしているか紹介されていたこと。一人一人に寄り添う姿勢が感じられました。

IMG_4139 securedownload[6] 〇中原

市立が先生1に生徒1~3人となっているのに対し、県立は先生1に生徒6、(重複障がいの場合は3)と市立の方が教員を多く配置している、校舎もきれい、体育館の床暖房もあるなど、施設面でも改修が遅れている県立は改善の必要を感じました。

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車椅子が通る廊下にこんなものがあってはいけません。

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IMG_4162これも早く直さなければ。最初、「ほら、県会議員の仕事だ。」と軽口のようにいっていた皆さんもこういう要補習箇所の多さに黙っていました。

 そんな中でも、先生たちの努力で工夫されています。

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車いすの子が手を洗いやすいように工夫された洗面台。高さを変えることもできます。

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 18歳選挙権実施を受けてこういう主権者教育がされているのも励まされました。ちょっと、自民党と民主党を想起させる政党が勝ったようなのは複雑ですが(笑)

視察が終わって校長先生に北綱島の子どもたちを受け入れる状況になった際、余地があるのか何人かが質問しましたが、校長先生ではなく、県教委の方がマイクをとって「具体的な情報がないので答えられない」「仮定の話にはお答えできない」ということが続き、参加者からはあれはおかしい、なんで校長先生に話させないのか、と声が出ていました。

そういう役回りの県教委の担当も気の毒ではあります。県民のために働きたいという志を持ってその職に就いた方の働き甲斐のある仕事ができる県政にしていかなければと思います。

(知事の本会議答弁でも原子力艦災害想定に関して避難計画を聞いた時に「仮定の話には答えられない」という珍妙な答弁がありましたが、いろいろなケースを想定して対策を考えるのが行政機関の役割です。)

県立特別支援学校独自の課題として、先生の配置を増やすこと。老朽化対策を急ぐこと。

県市共通課題として、横浜市北部に学校を確保すること。通学時間を適正化すること。(そのためには学校を増やさなければならないのですが)

(北綱島ではバス停から学校まで87分という例があり、自宅からだとおよそ実に2時間にもなるといいます。片道です。)理学療法士、作業療法士、言語療法士も今は数校のグループに1人か0という実態ですが、こういう方々も増やさなければなりません。

特別支援学校の視察で、いつも思うのは、大変ながらもマンツーマンに近い形で先生と生徒が交流している姿自体は温かいものを感じます。そして、今回、どこの学校だったかで、先生から聞いた衝撃の言葉は「こどもたちにはここしかないんです」

障がいのない子のように自分で公園や友達のうちに飛んで行けるわけではなく、家庭と学校と病院しか行かない日常。こどもたちにとって安心できて楽しい学校を保障する責任を改めて感じました。

 

 


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