大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

文教常任委員会が始まっています。主権者教育について考える。

ブログコメント5

securedownload委員会では提出議案のほかに委員会の所管事項を取り上げていいことになっています。委員が当局に質問することを通じて自分の主張を明らかにしていくという形。

今回は28年度当初予算と当初予算主要事業の概要関連の議案。

報告事項は平成28年度 組織再編について。神奈川県まちひとしごと創生総合戦略(案)について。県立体育センター及び総合教育センターの再整備について。県立学校の耐震化等の取り組みについて。県立歴史博物館の空調設備改修工事に伴う休館について。などなど。

次のテーマのものがありました。

「18歳選挙権に伴う校内の政治活動について」

現在、文科省の動きはこんな感じです。まず昨年9月の記事。次に今年の1月の記事

つまり、今まで政治活動が禁じられていたけれども18歳選挙権になって、学校外では認められることになった。けれども活動を行うことを届け出制にさせる学校もでてくるかもしれない。ということです。都道府県の教育委員会の担当者で会議を行ったという記事が見えます。→この日の会議に出席したある県教委の指導主事は「届け出制は生徒の信条に立ち入ることになり、難しいと思う」。別の県教委の担当者も「校則で縛ると、生徒が萎縮してしまう。主体的に考える力を育む妨げになり、本末転倒ではないか」と語った。一方、西日本の県の私学担当者は「届け出制なら、許可制ではないので問題ないのでは。学校は勉強の場なので、校則による禁止も踏み込み過ぎとは思わない」と話した。→自分の考えをもって意見をいったり発信したりするのは憲法で保障されている権利です。

「校内で政治的な話をすること自体は歓迎だ。しかし、それが高じて選挙活動となると、それは国で禁じていることだ、校内の処理でいいのか。警察や選管につなぐというようなことはしないのか」という趣旨の質問があり、このあと、あくまで校内でという方向で答弁は終わったものの、この意見を賞賛する声も上がっていました。

テーマがなんであれ、教育現場と警察を結ぼうとする発想は私にはありません。また、憲法が保障する表現の自由を禁じる国の方針自体が問題であるという認識が必要です。

表現の自由はすべての国民に保障されています。年齢制限はありません。もちろん、教育現場ですから、学校の壁に支持する政党のポスターを貼るなんで行き過ぎは咎められるかもしれません。でも、たとえば「若者の学費を無償にする、というこの候補者を私は推すんだ、あなたも入れてよ。」と語ることさえ禁じようとするのが今の国の方針です。人権が保障されていない。

児童の権利条約には子どもの意見表明権も謳われています。フランスでは、中学生以上の生徒が学校運営や教育行政に参加することが「民主主義の訓練」として認められているそうです。

また、本会議でも委員会でも教員の政治的中立を徹底するようにという発言が聞かれます。

模擬選挙まで行って政治教育に取り組もうという局面で、先生や生徒の意見を封じるというのは上に引用した会議の参加者のいうように、主体的に考える力をはぐくむ妨げになります。

東京新聞のコラムで、「政治的中立ってなんだ。選挙にいくんだから、中立という考え方はありえない。」というのを読んだことがあります。本来、偏向教育を避けるために気を付けて工夫をしたうえで意見を表明していく闊達な論議が教育現場でも必要です。

ドイツの素晴らしいシステムがあります。

グローバル教育推進というのであれば、基本的な人権を尊重している先進諸国に私たちは学ばなければと思います。

 

 


コメント

  1. 鈴木やすより

    「主権者教育」私のような素人には難しい概念です。素人の意見ですが「表現の自由」に国家や勿論、教育委員会等の介入も許されないと一般論は理解しますがこのあたりの今後の動向含めて注視することが肝要と考えます。以下参考までにタイムリーなシンポジウム「法教育から主権者教育を考える」(横浜弁護士会主催)が2月26日(土)(10:30~16:40神奈川県民ホール6階大会議室)で開催されます。一応事前申し込みで参加費は無料とのことです。私は参加する予定でおります。

  2. 中村 孝より

    ドイツのシステムは重要ですね。
    今朝の新聞にも、人は生まれながらに主権者と記されていました。

  3. 大山奈々子より

    鈴木さん

    情報ありがとうございます。
    3月26日ですよね?行きたいですね。時間が長いですが、参加できたらしたいと思います。昨年も主権者教育のシンポに参加して大変勉強になりました。今回は法教育というところが興味深いですね。

  4. 大山奈々子より

    中村さん

    生まれながらに…なるほどですね…。

  5. 鈴木やすより

    3月4日にコメント欄に記載しました「法教育から主権者教育を考える」(横浜弁護士会主催)2月26日(土)(10:30~16:40神奈川県民ホール6階大会議室)、昨日(3/7(月))主催者側から連絡が入り参加を断られました。参加者を教育関係者に限定させて頂きたいということでした。時節柄盛況の様子です。ご参考までです。

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