若冲に会いに。上野で遊ぶ
若冲(じゃくちゅう)、すっかり有名になりました。おしえてくれたのはU子。北嵯峨高校時代からの友人。音楽選択の人が多い陸上部の中でU子と私だけが美術選択。
卒業後、京都と東京に離れても、3月生まれ同士でプレゼント交換したり、備前焼を訪ねる旅行をしたり、年に一度くらい美術館で会ったりしている大切な友人です。選挙の時サプライズで事務所開きにきてくれた時は感激でした。彼女は古くからの若冲ファン。京都の相国寺や滋賀のMIHO MUSEUM、国立京都近代美術館、萩美術館など若冲を追ってきたそうです。
私も一昨年知った時は度肝を抜かれました。(しかし、財力があっていい絵の具が買えた若冲よりも、画壇の中では不遇で、汗をかいて肉体労働をしながら清貧の中で奄美で絵に魂を注いだ田中一村の方が私は心惹かれるのでした。)
東京都立美術館で生誕300年の若冲展。テレビで特集もあったそうで、今日の上野東京都立美術館は長蛇の列。小一時間待ちました。京都で昔エジプト展に行った時以来の超人込み。
そして、人込み越しであっても若冲のさまざまなトライアル、遊び心、執念を堪能しました。「わあ、これ金閣寺の中にあるんや、公開してほしいなあ」「あの雪はフィクションやなあ」「カタツムリかわいー」「象ほんまに見たことあったんやろか。想像やろなあ」「茶色もいいなあ」「ここに更紗みたいな布つこぅたはるな。表具ってどの段階でだれがやるんやろ。」などふるさと言葉で遠慮なく話せることがまた癒しになりました。
U子は昨日から東京に来ていて国立近代美術館の麗子に会ってきたというので、神奈川では近代美術館鎌倉館というのがあって、公立美術館の草分けで、東京近代美術館にも影響与えたんやで。でも無くなったんや…と話すと、「なんで?なんで美術館なくさはんの?」と問われ…ひとしきり辛い話をしたものでした。
ランチのあとは、上野公園をのんびり見て歩きました。
東京にいた時から動物園動物園動物園、国立科学博物館、お花見、美術館美術館美術館美術館と一か所だけ行くことはあっても全体図をまじまじと見るとなんてすばらしい公園でしょう。
〇そもそも公園という概念が無かった日本に公園が必要だと言い残してオランダに帰って行ったアントニウス・ボードウィンという医師のことを地図の前にいるガイドさん?におしえてもらいました。
〇大道芸一本で生きているお兄さんも見ました。ジャグリング日本一。観客を魅了してやまない笑顔もよかった。
〇海老名香葉子さんが関東大震災や東京大空襲を忘れまじと平和を祈念して建てられた碑
〇上野の西郷さんに会ってみたいということで訪れた西郷像。
私は日本史選択の割には西郷隆盛さんってよく知らなかったけれど、そういえば江戸城を無血開城した人で、なんと碑文によると実は征韓論に異議を唱えた人だったとわかりました。研究している方のサイトをご覧ください。歴史好きな夫に帰宅後西郷さんのことを聞くと、征韓論を唱えた人だといった理由がわかりました。評価が混乱している人物のようです。
しかし、碑文には「明治六年六月、いわゆる征韓論が閣議に上るや断固反対して、大使派遣による平和的修交を主張し、その決定を見るに至ったが」とあります。グッジョブ西郷さん!とご機嫌に撮った写真が上です。あなたが必死で守ったその日本の名誉を今またも崩されようとしていますよ。がんばります。
コメント
わあ!変わらないねー(^ ^)元気そうで良かった?若冲が好きだったのね?うちの旦那さんも高校の時、若冲には学んでいたようです。u子にはずーっと会ってないなあ。また会える日を楽しみにしていますね❗️
さとり
そうやろ?元気やで。
友禅の仕事はやめたけど、今も趣味で着物を作ったりしたはる。
今度みんなで会いたいなあ。
「上野」良いですね。歴史の町ですね。栃木県の実家(小山市)から都心の大学へ通学していた当時は上野が東北線の乗換駅でした。都内のターミナル駅でもなぜか地方の雰囲気を醸し出す独特なまた懐かしさを感じさせる駅でした。今は「上野東京ライン」や「湘南新宿ライン」で横浜の自宅から実家への帰省も楽になり上野駅で下車することも少なくなり。また今の上野駅は近代化してしまいちょっぴり残念ですが。
大学時代は上野が乗換駅だったのでよく下車して映画を観たり(歴史)散策した思い出の場所でもあります。さすがにデートでは縁が無かったですが(笑)。
上野公園自体が徳川将軍家の菩提寺たる寛永寺でした。不忍の池。大山さんのブログでも紹介されていました西郷さんの銅像。西郷隆盛(新政府軍)と勝海舟(旧幕府軍)の会談がうまくいかなければ江戸は明治維新前に焦土化されその後新政府軍の背後のイギリスと旧幕府軍の背後のフランスの植民地になった可能性もあったという極めて重大な歴史の帰路でした。
意外にも江戸の趣の残る上野、あの大学時代のような優雅な時間は今やなかなか有りませんが博物館含めて散策したくなりました。
鈴木さん
いつもに増して詩情あふれるコメントありがとうございます。
あの町は、そんな気持ちになりますね。ま、お互い学生時代への郷愁を遠なうようですが。