かながわ環境整備センター(産業廃棄物最終処分場)
「産業廃棄物の適正処理を推進するために、公共関与により、安全性のモデルとなる最終処分場を建設しました。」と、県のHPにはあります。
横須賀地区視察の最終ポイントは住民と行政の関係性について考えさせられる場所でした。冒頭、井坂議員は、「私たちも一緒になって反対した施設ではありますが、工事がどのように進展しているのか見せていただきます」とご挨拶。
当時の環境問題に造詣が深い岡崎知事が取り組んだ産廃施設のモデルという構想、頭では理解できるのですが、地元の皆さんにとっては迷惑施設だというのもわかります。
そこで私の知らない当時の地元のみなさんの運動の一端をみてみました。
こちらの横須賀市芦名地区産業廃棄物最終処分場を考える会Hi-HO
のHPを見てみました。この事業の持つ危険性や問題、実施過程の疑問など丁寧に書かれています。住民のみなさんのご懸念に県は真摯に応えていけるのか、検証が必要ですね。
今回の視察で印象的だったのは施設長さんが繰り返し語られた「住民のみなさんとのお約束ですから」という言葉。反対運動があったからこそ、
有害物質除去のために徹底して配慮がされているのだと感じました。
廃棄物を埋め込むフレコンパック(福島で放射性廃棄物が詰め込まれているのをよく見ました)は中にさらに分厚いビニール袋で補強。とはいっても劣化はまぬかれませんが、土中に埋めてしまうと十年はもつのではという説明でした。その後は?廃棄物と覆土を重ねてサンドイッチのように幾重にもして埋めて行きます。埋め立て区域内の浸出水が区域外に漏れないよう、国の基準を上回る安全性を備えた遮水施設を設けているとのこと。
ここはダイオキシン除去装置があるところ。浸出水の処理を行って公共下水道に流します。
ここで搬入廃棄物の徹底した審査が行われるそうです、目視、サンプリングで迅速溶出分析を行い、重金属類のカドミウムや鉛、クロム、ヒ素、セレンについて、基準を越えた場合はトラックに帰ってもらうのだそうです。
(で、この基準外の廃棄物は結局どこに行くのでしょう…)
ひろい施設に職員さんは25人。女性は2人だけだそうです。私は、設置の経緯はともかく、埋め立てを続けるこの地で、県民の安全を守るために日夜努力しておられる県職員さんがここにもいらっしゃるということに感慨を覚えました。周辺の敷地では田植えや蛍狩りなど、周囲の学校の子たちが利用しているといいます。
埋め立て期間 2006年6月~2029年3月(23年間)
2015年度実績。搬入量26,033t 収入額 589,939千円
埋め立て量 約28万㎥、埋め立て進捗率 約37% (2016年3月31日現在)
跡地利用 都市計画道路坂本芦名線の建設 緑化復元
都道府県のこの手の施設は全国では岩手と神奈川だけだといいます。今着々と埋め立てが進むこの地に多くの住民の嘆きがある、あったということ、県行政の歴史を把握することの大切さを思います。議員も学ばねばなりませんが、行政のプロであるはずの職員が、3年ごとに部署が変わる今の職員配置で果たしてそういう機微を把握することが可能なのか。
たとえば、県立高校にしても県立公園にしても、県立の施設になるならと地権者の方が土地を県に提供してくださって完成した経緯があるということはいろいろな問題を調べる中で聞いてきました。
県立福祉福祉大学が独立行政法人化しようとされていますが、これもまた、県立大学は県民の悲願でもあったとききました。
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ふと、憲法に反して南スーダンに向かわされた自衛隊のことも思います。
1946年、戦争続きの日本に生まれた日本国憲法を当時の日本人は歓喜の涙で受け止めたと言います。そういった歴史を学ばず、戦争できる国へと回帰しようとする現政権…
歴史を学ぶことは社会が真に発展するためにこそ大事なのだと心底思います。