子どもの権利擁護センター視察
子どもの権利擁護センターが日本で初めて伊勢原市に開設されたのは2017年のことでした。現在でも日本で唯一の施設です。運営母体の認定NPO法人チャイルドファーストさんのHPはこちらです。
3日、畑野衆議院議員と秘書のみなさん、おなじく法務委員会所属の藤野衆議院議員の秘書さん、伊勢原市議、横浜市議、神奈川県議と大勢で視察させていただきました。
CFJのHPから引用してご紹介します。
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子どもの権利擁護センター(Children’s Advocacy Center: CAC)とは、子どもが虐待・ネグレクトなどの人権侵害を受けたり、DVや犯罪を目撃したりして、子どもから事情を聴かなければならない場合に、その子どもがそこに行けば、調査・捜査のための面接(司法面接)と全身の診察を受けられるワン・ストップ・センターのことです。
CACは、性虐待などの被害を受けた子どもにトラウマ・フォーカスト認知行動療法などの専門的な心理ケアを提供したり、子どもが警察署や地方検察庁、裁判所などに行かなければならないときに同行して子どもと非加害親をサポートするアドボケイトを派遣したりします。
『子どもの権利擁護センターかながわ』には、2台のビデオカメラを備えた「司法面接室」、専用の診察台とコルポスコープを備えた「診察室」、さらに、「観察室」が設置されています。
◎司法面接の様子を映すカメラ
◎こちらは子どもの動きに合わせて動く方の監視カメラ
◎診察室にはコルボスコープというフォーカスされた部分を拡大するカメラ(一台300万円!)
「観察室」は「MDTルーム」とも呼ばれ、児童相談所職員・警察官・検察官で構成される多機関連携チーム(MDT)が、モニターを通して司法面接を観察し、マイクを通して診察の様子を傍受します。
MDTメンバーが必要とする情報を司法面接者が聞き取っていない場合、MDTメンバーが司法面接者に電話で指示を出します。これによって、1回の司法面接で、MDTメンバー全員が必要とする情報を聴取することができ、子どもの負担軽減と証言の信憑性の維持に役立ちます。
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観察室にはお人形が用意されていて、性被害に遭った子が説明しやすいよう、衣服の下にも様々なパーツがしっかり作られています。
ご説明くださった山田理事長はアメリカでも性虐待対応について研修を積み、国際シンポジウムなども企画される中で、日本の性虐待対応が先進諸国に30年は遅れをとっているという実感から、CFJを立ち上げ、司法面接プロトコル(手順)を確立し、研修も行っていあす。内科医や児童精神科医、弁護士などの専門スタッフをそろえたこの施設は、個人の依頼、行政からの依頼など、二年間で30件近く対応してこられたそうです。なぜか東京からの依頼が多いといいます。
子どもたちがなんども辛い話をしなくてすむような工夫。
性被害を受け、「自分は傷がついて汚れてしまっている」と思っている子たちを、しっかり診察して、あなたは大丈夫、いつか恋をして結婚することもできるよといってあげることがどんなにその子たちを励ますか、どんなにその子たちに生きていく希望を与えるか、とおしっしゃる先生の熱意が、ここまでの道を切り開いたのだろうと思えました。松沢元知事の感謝状の他、壁一面にCFJの活動を称える感謝状、表彰状でいっぱいでした。
課題は、この活動がクラウドファンディングや、民間の基金、個人の寄付などに財政運営をたよるものであるということ。伊勢原市は電話相談の経費を補助しているそうですが、県も国も支援はない状況です。本来ならば公立で整備運営できたらと思う施設ですが、民間が先行しているならば、民間に援助をし、県民を守る役割を支援する責務が行政に求められます。
今日の視察を生かしていきたいと思います。