元国立市長 上原公子さんに町づくりをきく
綱島と日吉の間、野村不動産が開発しているマンション計画。高さ制限20メートルを一挙に規制緩和して60mにまで拡大。
小学校も中学校もあふれている地域に1300戸のマンションをつくる計画に妥当性はないと、景観に見合ったマンションをと運動をしているみなさんがいます。一連の経過は日吉新聞に詳しいのでこちらをご覧ください。
9日夜、港北公会堂に元国立市長の上原公子(ひろこ)さんを迎えてまちづくりを考えました。1999年に東京初の女性市長になった方です。「国立の人は国立が好きなんです。」
上原さんは町の景観を守ろうとする住民運動から生まれた市長で、マンションの高さ制限を20メートルとする条例も制定。しかしのちに損害賠償を求める裁判で高裁敗訴、最高裁では20メートル以上の部分の撤去も撤回されることに。のちに元市長個人に損害賠償を求める訴訟も起こる。詳しい経過はこちらの東京新聞を。
最終的には5%の利子を含む4000万円余りを請求される。公共の利益をめざす市民自治の問題を一私企業と市長個人との「個的な経済的利害」の問題にすり替える手法は全くスラップ裁判そのもので、翁長知事を攻撃するための布石ともいわれています。
「かく闘えり」というタイトルでしたが、子どもをいい環境で育てたいという願いから、車窓からみたこの国立に住むことを決めたという導入から驚きました。
複雑な高層マンションで子どもが迷子になった時、子どもがただいまと帰ってこれないようなところで育てられない。と。高層マンションでは外界と隔絶されているが故の母子密着のダメージがアメリカなどではいわれているといいます。
市議の時代に4年間で10年分の勉強をした、大学を一つは聴講生、二つは盗聴生として必死で勉強をしてきたというところに頭が下がります。私は…しなければいけないと年々思うようにはなっています。
70000万人の町で50000人の署名が集まるような運動。議会野党の嫌がらせから市長を励ますため毎回定員をはるかに超える傍聴があったという住民パワー。
市長としては課長以下の職員とも月に二回は話す機会を持った。
市外からも専門家集団を呼んでことに当たった。職員の意識も変わって住民とよく話し合うようになった。話し合った方が住民運動が起こらないということを職員は学んだと。
お話の端々に憲法がでてくる示唆に富んだお話でした。
こんな字数ではとても語りつくせないので、上原さんのお話を聞く機会があれば、また著書を読む機会があればぜひ。市民自治とは何なのか。励まされます。
この会には40名を越える参加がありましたが、知らない顔もたくさん。多くの方が軍艦のようなマンション建設をわがこととして闘っておられます。20年近く前の国立の状況とは人も時代も違うのですが、自分たちの暮らしを守りたいと願う熱意は同じです。
徹底して住民の側にいた市長とくらべて…住民に必要な情報をあきらかにせず、住民の声を聞く努力をしない横浜市、そして林市長は町の中の景観にあった開発という基本を守るべきです。
例えば、かつて米軍が接収していたというこの建設予定地。土壌汚染の危険性が指摘されているけれど、野村不動産(事業主)の調査で問題なしとなっているから問題はないのだと強弁するそうです。小学校用地として野村不動産が市に提供…いえ、買わせた土地です。この汚染は見逃せません。港北版森友学園問題はうやむやには出来ませんね。