大山奈々子
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アスベストを知るワークショップで学ぶ。@横須賀

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「1960年代の高度経済成長期に建材などに大量に使用されはじめ、関連の製造工場や建設現場労働者だけでなく、工場周辺の住民にまで被害が及び、2015年には1504人が中皮腫により死亡しています。

2012年に全面使用禁止となりましたがすでに使用されていた大量のアスベスト含有建材が私たちの身の回りに残されています。今後適切な解体工事が行われないとアスベストを飛散させ、作業者だけでなく、周辺住民なども吸い込んでしまう危険性があるのです。」

ということで東京労働安全衛生センター主催のイベントを教えていただきました。

自治体学校で横須賀の大村市議に会った時に、「横須賀ではアスベストの条例がつくられるんですって?どういう経緯でそうなったんでしょうね。PCで議事録見たんですけど追えなかったんです…」と話しかけたことがきっかけで、今日のワークショップ参加となりました。

これも今後の被害が甚大になろうとしているときに県の姿勢も問われることになるので、参加させていただくことになりました。

①アスベストの危険性についてレクチャーを受けました。花粉の粒に比べてアスベストの単繊維が1500分の1 という細さであることが衝撃でした、また、クボタショックといわれる旧クボタ神崎工場(190年代からクロシドライトを使用した水道管を製造)の周囲の曝露(有害物質にさらされること)が半径2キロ被害者は2017年で311人にも及ぶことは衝撃でした。世界では19400人もがアスベストが原因で亡くなっています。日本では2030年が被害のピークと言われています。

②次にアスベストマッピングということで街歩きしながらアスベスト建材を使用している工場群を確認しました。どこの町でも普通に目にする波型スレート版を使った壁や屋根がたくさんみられました。現に、むき出しの形で重機を使って解体している工場がありましたが、大丈夫なのかはなはだ心配です。横須賀ではこれから石炭火力発電所の大きな煙突を解体するといいますが、煙突の内側にはアスベストが使用されており、厳重な対策が必要です。

③最後にスマートフォンを使ってアスベスト繊維を目にするというワークショップに取り組みました。

井坂団長は環境農政常任委員会でもアスベスト条例の必要性を求めています。

 

井坂団長の古巣、横須賀市議団。今の団長は大村洋子市議です。右端は根岸和子市議。左は井坂直市議。

被害の範囲。石綿作業による職業曝露、だけではない。建物内の吹き付け材等による建物曝露、発生源の周辺での曝露である環境曝露、と誰にでも危険性が及びます。

 

この工場も外壁はアスベスト含有です。下のがれきの山、適切に処理されるのか、解体時は作業員は防護しているのか心配です。

アスベストを用いた素材のいろいろ。

お餅を焼く石綿網というものもありました。ドライヤーなどに使われている例も。

一口にアスベストといってもそれは総称でクロシドライト、クリソタイルなど鉱物の種類はいろいろありました。材質ではなくその形状が病気を誘発するのだそうです。

 

国によって、自治体によってアスベスト規制の強度が違います。国と建材メーカーの責任が問われている今、国を動かしつつ自治体がしっかり住民の健康を守る手立てを講じることが求められています。

地元でアスベスト被害に取り組んでこられた横須賀中央診療所の安元先生にお部屋をお借りしました。本当に学ぶことの多かったワークショップでした。これはぜひどこかで講師の方をお招きして実現したいと思いました。横須賀のみなさんありがとうございました。

この催しは2017年度「NPO法人じん肺アスベスト被災者救済基金」の助成を国から受けて開催されました。こういう補助金の使いかたも次に生きますね。


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