小田原で地域循環型エネルギーを考える
小山田大和さんを知ったのは昨年の参議院選挙の時でした。保守本流。でも共産党あさか由香を応援してくださっている方として面白い人だなと。
3.11以来国のあり方を考え、地域の力を信じ、エネルギーの可能性を追求しておひるねみかんプロジェクトやソーラーシェアリングに取り組んでこられているのはFB上でも見ていました。
井坂議員が環境農政常任委員で、ぜひ視察をということで、うかがいました。
これはこの山を持っていらっしゃる方のご先祖が100年前につくられたという小水力発電の遺稿。3.11後にご子孫の方と一緒にみなさんで発掘されたそうです。山から流れてくる水をここでためて砂を沈殿させ、100mの落差を落として発電したと言います。
大正7年にもうそんな取り組みがあったとは。
これがソーラーシェアリング。全県で6例だと言います。千葉では220例…県の許可がなかなか下りないという…。農地の有効活用。下の畑ではサツマイモを収穫し、上の太陽光パネルで発電する。20年の期限で3年に一回更新し、事業計画の見直しをする。まだ二年目ですが一反当たり2割以上収量が落ちたら撤去しないといけないという。
自営業者の二代目三代目が集う異業種勉強会から生まれ、会社と地主さんと小山田さんの三者で取り組んでいる。城南信金がスポンサー。さすが、脱原発の城南信金!一日に15.2ワットの発電。年間60万円を越える売電収益。100坪くらいのところでこんなに稼げるところは珍しい。米ならよくて3俵で3万6千円にしかならない。県の地域主導型収益還元補助金を受ける。
農業と何かを組み合わせて総体の収益を上げていく試み。変わったことやっているねと言われているが、これが全国で広がって行けばと思っている。
こちらはメガソーラー。中小企業が集まって出資。179人のうち半分が小田原市民。550世帯分のエネルギーを生み出す。平均出資は55万円。元本だけしか返ってこないけれど、純然たる志ですよ。
(私も千葉の太陽光発電事業にほんのわずか出資していることを思い出した。返礼品のフルーツも目当てだったりするわけですが。)
この方は二宮尊徳さんですか、と聴くと、そうです。小田原の出身です。このメガソーラーも報徳思想です。と。⇓
※報徳思想:二宮尊徳の根本思想で、人は天・地・人の徳に報いるために、水から徳行を実践しなければならないとの考え。財政再建に取り組むうえで経済力に応じた消費支出限度を守り、勤倹節約し、倹約して生まれた余剰を社会公共のために提供する(推譲すいじょう)生活態度によって困窮をすくいことができると説いた。
鈴廣本社のZEB(ネットエネルギーゼロビルディング)
知事がよく議場で語っているあれかと思って見せていただく。
小山田さんは郵便局員もやったことがありつつ、鈴廣さんでも働いたことがあるという。
井戸水を絡めた断熱システムがあり、外気を井戸水に入れて熱交換をし、68%エネルギーをカットしています。断熱材やペガラスを使用し、太陽光発電もしている。熱は熱としてつかい、太陽光を光として使う照明もある。床は箱根の寄木細工風。気が呼吸するためのニスを塗る床になっている。エネルギーが自己完結しているわけです。
いたるところに地元木材がもちいられ、ゆったりした休憩室など、こんなところなら職場として居心地いいよねと。
最後のこちらのミーティングルームで、エネルギーの未来を語る。小田原では外からのエネルギーを300億円ン分買っている計算になる。それをうちで作ってうちで回せれば、需要は300億あるんだからいろいろな可能性がひらけると。
県が後押しできる可能性もまたひろいと夢が広がりました。