県政ウォッチング 医療特区京浜臨海部国際戦略特区
明るい神奈川県政をつくる会主催の県政ウォッチング第二回目
県会予定候補も集まってまず川崎の殿町国際戦略拠点視察。殿だからキング。羽田が近いから
キングスカイフロントというそうです。
川崎市の総合企画局臨海部国際戦略室の方の説明を受けました。
ここは縮小移転されることになっている川崎図書館を視察した際、おとずれたことがありました。広大な草原に多摩川を挟んで羽田空港を望む位置に医療特区。医療ツーリズム(医療観光)も視野に入れたものだということがこの立地で納得したものでした。
今日は各研究施設の説明を受けました。
再生医療・新薬開発センター(CIEA)、川崎生命科学・環境研究センター(Lise)、ものづくりナノ医療イノベーションセンター。(iCoN)等の説明は正直、面白いものでした。CIEAでは動物実験がおこなわれるけれども、普通のマウスやラットと違ってスペシャルな人間に近い内臓をもった動物がつくられ、それを使って実験する。例えばサリドマイドは動物実験で異常が認められなかったが実際に人体では異常をきたした。ここでつくられるようなマウスを使っていれば事前にわかったはずという。iCoNでは抗がん剤が患部に到達するまでに途中の臓器に副作用を起こすのをふせぐため、コーティングして途中の経路にあたる臓器は守り、ピンポイントで癌細胞を叩く、副作用の少ない抗がん剤の開発をしているとか。
ここでは市側の説明をもっぱら聞いた。治療の場にもなるのかと質問したら、まずは研究機関、そうして実証の場としての治療の施設も考えられるだろうとの回答。
各種規制緩和で安全性は?なども聞いてみたいことの一つでした。
難病に苦しむ人にとっては先端医療は待ち遠しい。県も何らかの形で支援が必要なのかもしれない。
しかし、である。県民の犠牲の上にこの手の産業を過剰に支援していいのか。
小児、重度障害、ひとり親世帯の医療費補助を削って先端医療?
財政難だからと図書館の貸し出しも閲覧もやめさせようとまでしてこの産業支援には税金をそそぐ。財政難という口実はなんだったのか。
本来いずず自動車の土地だったというこの広大な場所の一角は神奈川県のライフイノベーションセンターになる。県の有する部分は意外に狭いと見た。しかし近接する土地を県が16億円も出して買ってあげて大和ハウスに無料で20年間貸し出すという。先端医療を研究する企業のために県民財産を削り、広範な補助金をカットしていいのか。
神奈川臨調の会議の場でゼンショーの会長が
「そうなったら中国の富裕層をよびこめるし、空港も要るという話になる。大胆な改革が必要だ。補助金カット施設廃止、民間売却など、市町村や関係団体にいちいち意見をきくまでもない。」というニュアンスのことを発言していたことを思い出しました。
このあと、場所を移して教文会館で県のヘルスケアニューフロンティア推進局の特区連携グループの方から県の3つの特区について説明を受けました。やたらカタカナ語が多いということ、黒岩知事が外遊しては海外の大学や政府機関と覚書を交わした写真がたくさんあったことが印象的。アベノミクスの第3の矢の実践として特区認定されたとを喜ぶ黒岩知事だが、
労働法の治外法権エリアになるのではという疑問も出す時間はありませんでした。
というわけで今回は行政側の発想と計画を聞くという意味で有意義でした。論戦するうえで相手を熟知することは大切です。イノベーションに夢を抱くことがなければ人類の進歩もありません。しかし、です。
コメント
なるほど「キングスカイフロント」なんて名前は立派でね。最先端医療研究は必要です。しかし社会的弱者の方々の医療費・生活が先決です。
おっしゃる通り県のお金の使い方が間違っていますね。
「論戦するうえで相手を熟知することは大切」この、大山さんのお言葉、勉強になりました。
私は意外にカタカナとか英語(横文字)を駆逐する用語に一種の胡散臭を感じます。特に黒岩知事にはその傾向が顕著だと感じます。
全て否定するわけではありませんが、この「特区」なる単語、安倍総理、菅官房長官、黒岩知事、林横浜市長がイメージされます。
「雇用特区」も即実行という訳には現行法令上はいかないようですが、今後その危険性(可能性)もあり注視が必要ですね。
海原様鈴木様
ありがとうございます。
そうですね、カタカナは聞き手を煙に巻くときに多用されがちですね。
これからも相手を知り、相手を見ていきます。
おっしゃるとおり、特区の具体化を率先してやっているのが神奈川。
先日は教育特区という単語が公私協議会できかれ、薄気味悪い気がしました。