保育「無償化」問題と、自治体の責務。
保育研究所主催の議員セミナーに参加し、保育「無償化」の実態と自治体が果たすべき役割を学びました。復習しつつまとめてみます。
最初に衝撃的な事例をご紹介します。「赤ちゃんの急死を考える会」の、保育園で赤ちゃんを亡くした阿部一美さんからの報告です。
●認可外保育施設の死亡時事故発生率は、認可施設の25倍
●死亡事故を起こした施設は立ち入り調査で基準違反の指摘事項が多い。
亡くなったお嬢さんの写真を示しつつのお話でした。辛かろうに、
二度と同じ悲劇を繰り返さないために、署名や国会請願、講演活動など続けておられるみなさんです。頭が下がります。そしてその思いに応えるのが議員の使命だと思います。
◆無償化の概要
・2019年10月から 消費税増税とセット初年度は国費で約3900億円。
(2020年度からは地方財政措置。ここの手当てが心配)
・無償化給付の実施主体は市区町村
・無償化の対象は3歳児以上。0から2歳児は住民税非課税世帯限定
・対象施設・事業等
新制度の幼稚園、保育所、認定こども園、地域型保育事業の保護者負担 額は無償 でも、新制度に入っていない幼稚園などは上限月2.57万円(便乗値上げも考えられる)私たち県議団も独特な保育を行う園を除外する問題は指摘してきました。
・認可外保育施設も対象に上限付
上の表にあるような、認可外保育施設指導基準を充たさない施設も5年の経過措置をつけて対象になってしまいます!
今まで守ってきた基準の底が抜けるのではないか危惧されています。
・障害児の発達支援等も対象
・無償化の対象期間は小学校入学前の3年間分の利用料の「無償化」が対象。
・幼稚園の預かり保育も対象に上限付き
・実費徴収等は対象外
行事費や通園バス代給食食材費は無償化対象外
◆問題点
1高所得者に偏った財政支出
2公立施設の統廃合、民営化促進か。
3待機児童対策や処遇改善策の遅滞への懸念
◆自治体の課題
・無償化にむけた膨大な実務作業
・認可外保育施設問題
子どもを守るために、指導監督の強化と認可外施設に支援を。
認可化移行運営費支援事業などを活用しする。
◆先行例
全国ではすでに給食費の単独補助を決めた長崎県議会や名護市、
認可外保育施設の無償化対象を絞り込んだ世田谷区の例などたくさん資料示されました。
◆県でできること
指導監督を強化すること
(私たち県議団は、保育園の監査に回る人員増員を求めて実現しました。しかし、予告しての監査では実態が見えないの予告なしの監査を求めています)
さらに個人的に思うのは、市町村の命を守る支援策を働きかけることも可能ではないかと。広域自治体の役割を果たさせるためにやらなければならないことがたくさんあります。