大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

県職員パワハラ自死裁判

ブログコメント0

第二回弁論準備が7月30日、横浜地裁で行われ、君嶋議員、上野議員と傍聴をしました。2016年に自殺した県の男性職員について、過重労働や上司のパワハラがあったとして、遺族が県に対し損害賠償を求めている裁判です。

私たちはご遺族であるお母さんにお話をお聞きしました。「事を荒立てるつもりはなかったが、事件後知事にあった際は謝罪の言葉もないままに記念写真の撮影を求められた、他、かん口令が敷かれ、何事もなかったかのような対応もあり、このままでは息子の死がなかったことにされる。二度と息子のような被害を生んでほしくない」という思いから提訴を検討されたのでした。「息子は県の仕事をしていて死ななければならなかった」とつぶやかれた声が私の耳にも残っています。

2月の井坂議員の代表質問でも取り上げ、知事に謝罪を求めましたが、謝罪をしたつもりだとの答弁でした。パワハラの認識に関しては第三者委員会(神奈川県職員等不祥事防止対策協議会パワー・ハラスメント緊急調査チーム)の調査を待つとのこと。今回の弁論準備は、その第三者委員会の報告(5月)後となったので注目されました。

よくあることですが、法廷では原告被告、裁判長ともに何を話しているのかよくわからない感じ(特にマスクで不明瞭に)だったのですが、終わってから弁護士さんたちに話をうかがい、被告側が「原告主張を認めない、請求棄却で争う」との強硬な態度を軟化させ、和解を検討しているという話を伺いました。その要因はやはり県が任命した第三者委員会の報告で、長時間過密労働やパワハラの経緯が明らかにされたことなどが大きな要因ではないかと語られました。

★閉廷後、裁判所の職員に、傍聴席にほとんど声が聞こえなかったことを伝え、せっかくの傍聴制度なのだから、傍聴席に声を届ける工夫を、と改善を求めました。一方、県議会の常任委員会も収音マイクはあっても拡声のマイクがないので、これも改善されるべきですね。


県職労も意見を発表しています。

●裁判期日後の記者会見では知事は「当初から対応不十分だったと認めてきた」「ご遺族とは大きな認識の隔たりはない」「県はおおむね責任を認めるスタンス。私自身も会見の場で改めてお詫びの言葉を述べた」「裁判所から示唆があれば改めて和解に向けたテーブルにつくことは当たり前」という姿勢を述べました。「このような苦しみは二度と味わってほしくない」と戦った原告遺族の粘り強い努力が、知事・当局を事実上の「降参」へと追い込みました。 今後、裁判をどう進めるのかは遺族と原告弁護団が決めることです。他方で、知事・当局が重大事故の原因究明や背金ん所在を問わずに幕引きを図ることは、許されません。と。

そして、繰り返さないため。知事・県当局がおこなうべきこととして、①知事・加害者が遺族に心からの謝罪を行うべきこと➁「業務過重性」の中身を明らかにすること③産業医・保健師の充実強化を図ること④加害者・責任者の処分と是正対応の公表をすることを挙げています。


私自身、第三者委員会の報告書を読み、苦しくても弱音を吐けない強い責任感のある職員を死に追いやったという構造を知り、③の観点の必要性をしみじみ感じました。この問題を取り上げるにあたり、他の県職員もつらい表情をされているのを何人も見ました。県民のために働きたいとの志で、まじめに働いてきた方の命を、間違っても奪うような事態を引き起こさないよう県も真剣に再発防止に取り組むよう注視していきたいと思います。


コメント投稿フォーム
※コメントは、スパム対策のため、一度内容を確認したうえで公開させていただいています。公開まで時間がかかるときもありますが、ご了承ください。メールアドレスは公開されません。
必須

CAPTCHA