大山奈々子
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一般質問 拳銃による自死事件を重く受け止めた再発防止

ブログコメント2

9月16日の一般質問です。

今回、係争中だからと答弁を避けるかと思いきやそこは警察も向き合ってくれました。そういえば他の案件でも係争中を理由に答弁しないということはなかったなとは思いだしました。係争中であろうが何であろうが県民の不安には応えるべきというこちらの毅然とした姿勢が大事なのかもしれません。一般的にはこの「係争中なので答弁しない」が通ることになっていますがこの理屈に法的にも何の正当性もないことを確認しています。

(2)拳銃による自死事件を重く受けとめた再発防止について

次に、拳銃による自死事件を重く受けとめた再発防止についてです。

2016年3月12日、神奈川県警泉署内において同署の25歳の署員が拳銃で自死しました。ご遺族が原告となり、安全配慮義務違反により発生したとして、本県を被告として損害賠償請求を提起。

7月29日に判決が降り、県は敗訴となりましたが、控訴の手続きを取るということです。県民の人権と命を守る立場から、今後の対応について伺います。

原告の主張する事件の経緯の概略は、命を絶った署員は、飲み会において先輩の体についたアイスをなめさせられたりキスをさせられたりしたことがあった等々、日常的なハラスメントがあったこと、その末にメンタルを病んでいました。実家に戻ってリフレッシュするようにとアドバイスを受けたものの、実は帰省しておらず、寮にいて休み明けに仕事に復帰し、上司に拳銃を保管庫から取り出してもらって受け取り、その直後に自死に至ったというものです。

人一人の尊い命が失われた事件を受けて、警察の自浄努力が問われています。拳銃の厳格な管理と併せ、何らかの悩みを抱えた職員が信頼して話ができる独立した第三者機関など、相談体制の強化が必要だと考えます。

また、本事案に関わりなく、警察組織は一般的な企業や行政機関とは異なり、上下関係が厳しい指揮命令下に置かれている上に、労働組合もないため、恒常的なハラスメント対策を行うことが必要です。

2017年には神奈川県警察ハラスメント防止対策要綱が作成されたとのことですが、それ以降だけを見ても、神奈川県警では、相模原署での暴言暴行、中原署のパワハラ、川崎市警察部警部による警察官へのパワハラ、東京パラリンピック警備での部下へのパワハラなど、残念ながらハラスメント事案が多発しています。有効なハラスメント対策のためには、不断の見直しが必要だと考えます。

そこで警察本部長に伺います。

この事案を受けて、一つには、拳銃の管理や悩みごと対応について警察署内でどのように再発防止を図ってきたのか、二つには、諸問題で悩みを抱える職員が信頼して相談できる第三者機関を整備すべきと考えますが、見解を伺います。

また、恒常的にハラスメント対策にどのように取り組んでいくか、見解を伺います。以上です。

[林警察本部長]

拳銃による自死事件を重く受け止めた再発防止についてお答えいたします。

はじめに、亡くなられた職員のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族に心からお悔やみを申し上げます。

県警察では警察官が拳銃を使用して自死したという事実を重く受け止め、心情把握の徹底を図るとともに、職員が悩みを相談しやすい職場環境の構築に努めております。拳銃の管理につきましては、引き続き関係規定に則った適正な拳銃の保管措置に努めております。

第三者機関の整備につきましては、現在県警察の内外の相談窓口について職員に周知しているところであり、現時点で考えておりません。

次に、ハラスメント対策につきましては、県警察ではハラスメントの防止及び排除に向け、職員に対する指導監督に努めるとともに、警察本部等の相談窓口のほか、各所属にハラスメント相談員を置き、悩みを一人で抱え込まないよう職員に呼びかけるなど各種取り組みを推進しており、引き続き徹底を図ってまいります。以上でございます。

≪意見・要望≫

[大山議員]

次に、拳銃による自死事件を重く受け止めた再発防止についてです。

尊い人命が失われた事件を受けて拳銃の管理や相談体制の徹底が図られたことは大切ですが、司法判断でハラスメントとの因果関係が問われるかどうかと関わりなく、原告が、息子さんが自死に至る理由の一つとしてハラスメント問題を主張しておられることは、謙虚に受け止めるべきです。

ハラスメント防止対策要綱が作成された以降も多発していることを受け止め、抜本的な組織改革が必要であることを申し上げて要望といたします。これで質問を終わります。どうもありがとうございました。

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感想:原告であるご遺族に寄り添ってこられた弁護士さんから、議場で警察の姿勢を正す言質を取ることが大事だとお話をうかがいました。警察の不祥事についてほかの会派が本会議で質問した例を私は知りません。謎です。ですからうちの会派にお話が来たと思います。事実経過をうかがうと原因はパワハラ以外にないと思えるのですが、控訴の理由に自殺した署員が「誰も悪くない」趣旨の書置きをしていることを挙げているのでちょっとその姿勢は恥ずかしいと思っています。25歳の若者でした。改めて哀悼の意を表します。


コメント

  1. マークより

    自死事件を重く受け止めた再発防止についてコメントさせていただきます。私は警察署員に限定せず、激務によるメンタルダウンが引き起こす問題を、当人の羞恥心やプライドなどを考慮した方法でケアーすることを望みます。精神の問題については一般的に臨床心理士が認知されていると思います。しかし厚生労働省は、それ以上のスキルを求めて公認心理師の普及を行なっております。

    そこで私は県内の警察機関(警察署、県警)へ公認心理師数名を、分担訪問診療する制度を提案させていただきます。交番勤務署員は警察署で診療を受けます。激務によって視野が狭まり、心身の疲労と睡眠不足から体調不良と抑うつを生じます。素人が不調を感じ取ることは困難です。そこで、私は公認心理師の巡回訪問診療を強く望みます。詳細はURLをご覧ください。激務によってメンタルを患った私の提案です。日本共産党さんのご活躍を応援しています。頑張ってください。
    【厚生労働省ホームページ】
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html

    • 大山奈々子より

      マークさん コメントありがとうございます。
      いいアイデアだと思います。勉強させていただきますね。

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