県政ウォッチング② 石炭火力発電&基地基地基地基地
しまった、次回このようなツアーがあれば教えてくださいと市民の方から言われていたのにお伝えできていませんでした。失礼しました。m(__)m 次回こそは事前告知心がけます。
平和で明るい神奈川県政をつくる会主催のツアー第一弾は再エネを巡るものでしたが、今回は表題の趣旨。一日がかりでした。基地見学は候補者時代も含めて何度か参加してきましたが、改めて、学んだことも多く、実り多いツアーでした。
①横浜ノース・ドック
東神奈川から近い港です。米軍に接収されています。平和委員会の方から説明を聞きました。オスプレイが飛来した時に抗議活動で門前にきたことはありましたが、平日だと基地の中に入れるのだそうです。バスで乗り入れましたが本当に広大で、現在でも潜水艦探索船、タンカー、ミサイル追跡艦、海兵隊の輸送船、燃料補給艦などが停まっていて、今の春からは13隻(これは既存の船の再編)と280人(既存なのか新たに来るのか全く分からず)が常駐するわけです。戦争の拠点が横浜のど真ん中にあることを私はわかっていなかったと思いました。
②米海軍横須賀基地 横須賀には在日米海軍司令部があります。
かつてはここが軍港でこの港の門が悲劇の門と言われた。この港から多くの兵士が出兵した。今は自衛隊と米軍が共同使用している。米原子力空母が停泊している唯一の海外港。ひとたび放射能漏れ事故が起これば首都圏に被害が及ぶ。約32キロで港北も近い、と数字の上で語ってきましたが、バスでノースドックから異動した際、あっという間に到着したので、横須賀からの近さを実感しました。
1号ドックは日本で一番古い遺跡としての価値もあるが、立ち入れない。平和委員会の方や横須賀で船の仕事をしてきた鈴木さんから話を聞きました。
周辺の米軍住宅は月22万弱の住宅手当が日本の思いやり予算から出ていることは配布資料から。
③横須賀石炭火力発電
CO2排出が著しい石炭火力発電所。世界では新規増設が断念されて、廃止に動いている石炭火発を新規増設する日本に批判の声が寄せられています。計画段階から私たちは県議会で建設差し止めを求めてきました。(もちろんそんな主張はうちだけです。地球的課題について環境保護の立場で主張できる仲間が欲しいですね)静岡県では天然ガス火力発電所が知事と静岡市長の声で建設が停まった経緯もあります。
しかしもうこの発電所は建設が終わり、試運転の段階です。折しも石炭を積んだ船が発電所に横付けされていました。建設計画をめぐり、簡略化した環境影響評価(アセスメント)の手続きに基づいて国が計画を認める通知を出したのは違法だとして、周辺の住民のみなさんが通知の取り消しを求めた訴訟の判決が先月、東京地裁でありましたが、住民の敗訴となりました。この原告団の鈴木さんが石炭火発の問題を話してくださいました。近隣住民の健康被害、気候変動の加速、防災上の安全の問題などがあるといいます。以前この鈴木さんを取材した記事で、ご家族かご親族の公害病による苦しみが活動の原点になっていると知りました。
東電と中部電力の合弁会社であるJERAが事業主ですが、JERAは未来のエネルギーであるかのような美しいCMを打っています。私はCO2排出削減をする新技術は可能なのかと質問しました。鈴木さんは数字を示しながら例えばアンモニア混焼という技術。他の化石燃料とアンモニア燃料を混ぜながら燃焼し、火力発電を実施する手法を、アンモニア混焼と呼びますが、必要となるアンモニア燃料を調達するためにやはり化石燃料が必要で、その調達量や調達コストの関係から、実現は困難とされていることなど丁寧に説明してくださいました。
④厚木基地
綾瀬の上田市議に解説をしてもらいました。米海軍厚木飛行場です。ここも米軍と自衛隊の共同使用です。米軍しか使えない場所もあります。話を聞いている間も自衛隊機が離発着します。山口の岩国に移駐してから爆音は減ったというものの、10分も間を置かず飛来する音の静かな方の偵察機が公園の真上を通る様子は怖いものがありました。ここからの有機フッ素化合物の流出も問題になっています。かつて党議員団が求めて遊水池を設けさせましたが、おかげで汚染水がダイレクトに川に流出することを防げました。PFASの健康被害が沖縄でも東京でも問題になっています。神奈川でも健康調査が必要です。
さて、ここで知ったのが、基地あるが故の我慢料のような基地交付金の関係。これで沖縄が潤っているみたいな言い方をきいたことがありますが、大和市綾瀬市にもあります。(あ、厚木基地は厚木にないんです。大和市が5分の1、綾瀬市が5分の4を占めるそうです。)基地を返還させて宅地開発し、固定資産税が入って来たら、基地がある自治体によって差があるものの、基地交付金の3~6倍近く税収が増えるのだそうです。
⑤キャンプ座間
座間市と相模原市南区にまたがります。ここは座間の守谷市議の解説です。ここには在日米陸軍司令部が置かれています。陸上自衛隊も駐屯しています。また国連軍地位協定により国連軍が施設・区域を使用することもできるということで基地の入り口には日米と国連の旗が並んでいました。知りませんでした。座間は地下水が飲料水となっているので米軍基地からのPFAS流出は市民の健康に直結する問題です。重要土地利用規制法も問題です。自衛隊基地や原子力施設周辺での土地利用の規制が本格的に始まる。ただ、法の規定にはあいまいな部分が多く、「財産権、プライバシー、思想・良心の自由といった憲法上の権利を侵害しかねない」と危ぶむ声が上がっています。
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この日の視察を通じて、改めて本当に神奈川県が米軍に覆われている感じ、敗戦国の姿そのものだと思わざるを得ませんでした。私たちが県議会でも示してきましたが、たとえ日米安保下にあっても、ドイツやイタリアのように主権国家として制空権を守ったり、米軍に好き勝手させないあり方がまずは必要だと思います。
今度の地方選、共産党が議席を後退させようものなら、日本は憲法投げ捨てて戦争に連れていかれる国になっていいというのが民意だとなってしまいます。がんばらねば。