大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

遠野市教育委員会の主体的な取組 「高校を無くしたくないので」(*’▽’)

ブログコメント0

被災地後方支援資料館をあとに、その次は遠野市庁舎に向かい、教育委員会のみなさんから遠野市の放課後学習支援についてお話をうかがいました。

市庁舎をはいるとすぐ「わらすっこ」コーナーがあって、よくショッピングセンターにあるようなベビー&キッズルームのような優しい色合いのスペースが広くとってあって、市庁舎に来るだけで心が温かくなるようなつくりでした。どこかの要塞のような市民を拒絶するかのような市庁舎とは趣がだいぶん違います。

学びたかった中身は放課後等学習支援についてです。市の単独予算です。市の資料には「市内小学校において、授業に学習した内容について、放課後学習の支援を通し手確実な定着、さらには家庭学習へとつなげていくことをめざしている。令和5年度から、学習ボランティアを募集し、各小学校において放課後に週1~2回程度実施する。」とあります。

私たちは曜日等の関係で現場をみることはできなかったのですが、教室の動画を撮ってきてくださっていました。子どもたちがほぼマンツーマンで楽しく学ぶ様子がうかがえました。宿題をみたり算数の教材をやったりという形です。宿題の丸つけもここでやります。全11小学校のうち8校が参加、希望者の学校もあるけれど基本は全員参加、だいだい30分から60分。支援者は資格を特に問わないボランティア。交通費として1000円/hが支払われます。(最低賃金893円/h)(大都市横浜の支援級の支援員さんが500円/hと比べると横浜市のひどさが際立ちます)

学童保育は学童保育として機能していて、国の補助金でそこで学習支援を行っていたこともあるが補助金の停止とともに、それに代わって家庭学習が少ないというデータが出た遠野市として、家庭学習を習慣づけるためにも始めたとのことでした。

私たちからは専門職である先生からのご意見や、全員に義務付けると子どもたちがずっと学校に縛られることになる問題など質問させていただきました。先生たちとは開始当初は相談の上教材の調整などやっているということでした。始めたばかりの事業なので子どもたちの意見は今後聞いていくそうです。そして学校規模は30人から329人ということで塾などなくても少人数で理解は進んでいるのではないかとおもったのですが、なかなか人数だけではかれないと。まあ、家庭が教育力を無くしている今日この頃ですから大切な取組だとは感じました。

さらに不登校児について聞いた際に、これも市独自の取組で不登校児生徒支援としてジョイントスクールという取り組みも聞きました。「この取り組みは市内における小中学校児童生徒の不登校が年々増加傾向にあることから一人でも多くの子どもたちが学校復帰できるよう支援していくものです。ジョイントスクール支援員(ジョイント先生)は、学校関係者類は教員免許補修者を委嘱します。中学校区谷に、中心的なジョイントスクール支援員を1名配置し、2~3名体制で運営する計画です。具体的な支援活動や居場所づくりについては、支援員、保護者及び学校間会社と相談の上決定します」というものです。不登校の子が何が何でも学校に行けるようにという姿勢ではなく学校でもない家庭でもな居場所があることは大事だなと。報酬は1300円/hです。保健室登校の子たちにも対象をひろげたので、9月から参加者が急増しているとのことです。

さらには公営塾構想も聞かせていただきました。遠野市には学習塾もあまりなく、民業圧迫の問題も生じないとのこと。利用料も、無料。本来学校教育だけで子どもたちが十分な学びを得られれば何よりなのですが、これも有意義な取組になるかもしれないと思いました。

遠野の子どもたちのことを思い、国や県を待たず、独自の財源で次々と意欲的に制度を構築する姿勢は素晴らしいと思いました。

そしてそれは、視察の当初の目的にプラスして伺った話でも感じました。ブログのタイトルにつながることです。

高校への通学費補助です。遠野高校または遠野緑峰高校へ通学するために、定期券を購入した生徒の保護者が対象です。
生徒一人につき3年間(正規の就学期間中)補助を受けることができます。遠野市内の二つの県立高校へ通学するために、定期券を購入した生徒の保護者が対象です。生徒一人につき3年間(正規の就学期間中)半額補助を受けることができます

。遠野市内の県立高校に通う生徒に、遠野市民以外でも交通費の半額補助をだしているのです。

私たちは神奈川県に通学費の補助を求めてきました。県ではなく市が補助制度を持っていることに驚きました。そのきっかけをうかがうと、「高校をなくしたくなかったので」遠野市として二つが統廃合の話が出て入学者を減らさないために選んでもらえるようにと始めたそうです。人口減少地域で生徒の取り合いになっている

という側面はあるものの、生徒の学びを支える市の努力に敬意を表したいと思います。神奈川県も県内自治体でも、大して子どもも減っていないのにどんどん学校を無くそうとします。高校を守りたいという言葉を行政側から聞けたことが本当にうれしかったですね。当たり前の事なのに…。神奈川県も大県の驕りをやめ、物価高に苦しむ家庭をどう支えればいいか頭をひねってほしいと思います。

遠野。柳田國男の遠野物語を読んで以来憧れの地で、以前家族旅行できたことがありましたが、今回まさか議員の立場で遠野の先進的な取組を学びに来る日が来るとは。教育委員会の職員さんからいただいた名刺の裏にはこんな河童が。ローマ字を読んでみてください。消防局では河童の捕獲許可証もいただきました。


コメント投稿フォーム
※コメントは、スパム対策のため、一度内容を確認したうえで公開させていただいています。公開まで時間がかかるときもありますが、ご了承ください。メールアドレスは公開されません。
必須

CAPTCHA