県西部町長懇談 開成町から
9日、10日の二日間で8町回る予定でした。かつて県社会保障推進協議会で仕事をし、県西部の道路事情にも詳しいわが事務局長が車で効率的に回ってくれました。
初日は、開成町・山北町・箱根町 二日目は、中井町・松田町・真鶴町・大井町
町長懇談をさせていただいて感じた共通点は、
①町長のみなさんは任期の長短に関わらず、基本、どの分野でも詳しいということ。
②人口数千人から1万数千人の間の町にうかがいましたが、町は大都市と違って細やかな行政サービスを行っているということ。(ちなみに、わが港北区は36万人も人口があっても区議会もなく、370万人の横浜市の一行政区。神奈川県は930万人…)
③県の取組に感謝しているといいつつ、ヘルスケアニューフロンティア政策など黒岩県政に批判的な思いを持っておられる町長もちらほら。
県には町村会から要望が毎年出されますが、町独自の課題もうかがいたいと思い懸案の町長懇談を企画した次第です。順次、懇談の要点をまとめます。
始めは開成町(かいせいまち:以前も書きましたが、市町村単位では神奈川県内の町はすべて「○○まち」と読みます)山神裕町長
町役場の美しさに圧倒されました。圧倒され過ぎて誰も写真をとっていなかったというミス。これは※ZEB(ゼブ)と言われる建物。全国で初めて「ZEB(ZEB=Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称)」の認証を受けました。※快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。町のHPから写真をいただきました。2021年の気候変動アクションの先進導入・積極実践部門賞を受賞されています。
開成町は1955年の合併以来人口が増加し続けています。全国に65カ所しかない自立可能な自治体のうちの一つに選定されました。6.55平方キロ 東日本の町としては一番狭く町内の高低差は最大10メートルくらいという平坦な町です。乱開発を防いで着実に計画的に発展してきている。最大の観光イベントはアジサイまつり。町のキャラクターはアジサイちゃん。
年少人口比率は市町村1位、出生率も1位。4月に子ども家庭センターを他の市町村に先んじて設置し、「こども」と「子育て家庭」の福祉に関する包括的な支援を切れ目なく行うために、母子保健と児童福祉を担う保健師、社会福祉士、精神保健福祉士を集中させた。要保護支援過程の状況がタイムリーに早く入手出来ているように感じている。全メンバーを子ども家庭支援員に任命、ケースの情報共有や困難事例の対応でチームとしての意識が高まった。子ども課という名前や、窓口が一か所でワンストップサービスになっている。
県への要望
◉専門職の採用に困難を極めている。保健師や用地交渉の経験がある職員、県税職員など県からの派遣はありがたいので、人的支援を引き続きお願いしたい。
◉開成南小が市街化に向けて県に申請見直しを申請中、橋の整備も検討している。県には公共団体施工についても補助制度の拡充を求めて居る
◉神奈川県西部地震に備えて市町村○○○ 補助金について確保拡充を
◉富士山火山避難計画について、県が主導のもと、広域避難先の確保をお願いしている。
(現時点では自主的に災害時総合協定の締結に動いて茨城県の大洗町と提携)
◉豪雨対策では氾濫防止のために調整池の設置が不可欠なコストとなる
◉ゼロエネルギーハウスの補助、電気自動車導入補助
◉部活動の地域移行に関し、先生方の負担軽減の目的で二つの部活が移行しているが指導に出たい先生の分の人件費は開成町が負担している…外部講師扱いになっているのか…
◉学校のICTに関し、端末の更新時期になるこのコストは国が支援することはきまっているが、調達は共同調達の調整を県のイニシアチブをもって行ってほしい。
◉農業が主要産業ではないが、専業農家が数件しかない。1haに満たないのが5割。どこの市や町も共通の課題だと思うが、県にも支援をお願いしたい。
◉ふるさと納税が一番の課題。現行のふるさと納税は生産と製造に偏重している。製造工場や大規模農場がないので返礼品の確保が困難。富士フィルムの研究所があって、コア技術の開発を行ている。その製品も地場産品基準に加えていただきたい。
◉こども医療費は体力消耗戦になっている…
◉水源地なのに人口減の山北町や過疎地指定された真鶴など、県西地域への人口減対策を求めたい。
◉足柄上病院の分娩機能が小田原市立病院の方に集約された、分娩の再開を望む。小田原市は市民には補助を出すが町として補助は難しい。過去の経緯を踏まえると広域で一律の補助を求めたい
などなど。書き出してみると多かった…
県内33市町村のうち、二つの町(開成・山北)だけに残念ながら今は共産党の議員がいません。でも帰りに町長に、以前活躍されていた高橋議員のことをうかがうと今もお元気で、ご夫婦ともに自治会などでご活躍の様子をうかがいました。
今回、開成町のHPをみていると、HPの多言語対応に本当に驚きました。県のHP…
山根町長はじめ開成町のみなさま、ありがとうございました。
※本来の予定では、湯河原の町長、冨田幸宏氏とも懇談させていただくことをご快諾いただいていましたが、急逝されたため、それは叶いませんでした。心よりご冥福をお祈りします。