大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

県西部 町長訪問 箱根町

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箱根町には山田・鈴木の両町議に、同席してもらえました。箱根の課題は町議とうまく連携がとれており、火山災害や豪雨災害の時にはお互いに行ったり来たりして県に働きかけすべきことをたくさん学ばせていただきました。勝俣浩行町長にお話をうかがいました。

■町長から開口一番うかがったのは交通渋滞問題。オーバーツーリズム※の象徴のような事態。せっかく来てくれたお客様に不愉快な思いをさせている。毎年要望をしている箱根の永遠の課題。駅前が渋滞の頭。県もこれまで地下道を掘ったり横断デッキで渡れるようにしてもらっているが依然として渋滞はある。信号設置も検討したがかえって渋滞を招く(信号待ちの人が道路に押し出される)箱根新道の無料化で商店街を通らないようにしたが変化はあまりない。大涌谷の渋滞に関してはパークアンドライドをさせてもらっている車は下においてロープウエイで上にという取り組みはしている。

ソフト面では渋滞情報を提供。DMO※や日立と連携してドライバーに、今行くと渋滞していますよ、こちらの施設を利用されてからどうぞ等アナウンスしている。

※DMO:観光地域づくり法人 こちらに詳しい説明があります。 

◉県には警察による交通整理をお願いしたいが無理なら町でガードマンを雇って交通整理をしている部分があるが事故があった場合の責任の所在など問題がある。

◉宮城野は足柄幹線林道があり許可車両以外は通行禁止だが、一定期間を地元なら黙認ということで通らせてもらっている。一般車両も通れるようにしてくださいとお願いしている。林道という位置づけではなく県道の位置づけで整備してほしい。金太郎ラインは林道だったものを県道にしてもらった。抜本的な交通渋滞対策をしてほしい。

観光地にキャパシティ以上の観光客が押し寄せること。 具体的な問題としては、街中の人混みや交通渋滞、トイレの不足といったインフラの問題、騒音やゴミの問題、環境破壊などと、それらを原因とした地域住民と観光客とのトラブルが挙げられます。 日本では「観光公害」という表現が使われることもあります。

■住民の交通の便について バスはたくさん運行されていて路線が廃止されるということはないが運転手不足ということで本数が減ってしまっている。外国人観光客の方が大きなバッグをもって乗車するので地元の方が乗り切れない。町内でもバスの事業者が施設巡りバスを運行していてい一般町民も乗れて利用する範囲にちょうどよい。ただ、免許の返納で車がつかえなくなり、路線を運航する道路まで出ていくのに不便という声はある。

タクシーの需要もあるが運転手がいない

(町長からはライドシェアに期待する声もあったので私たちとして低賃金不安定雇用を生む懸念はお伝えしました)

■水道 県営水道が値上がりすることの影響は事業者からは声はあがってきていない。一般町民の方の生活の基本に関わる部分が値上がりするのは…。箱根は町営水道もありそちらの方が安いので一層格差が開く食堂経営の方は水道代だけで月に10万払っている 井戸と水道を使い分けている。

◉県へは水道事業の安定経営が望まれる

(この日の懇談はお話を伺うことが主眼だったので話しませんでしたが、箱根は全国初の水道の包括民間委託をしてしまった地域です。黒岩知事が国の水道民営化を推進する先駆けとして名乗りを上げてしまいました。世界的には水道民営化の問題が噴出し、再公営化の動きがある中で、営利目的の企業に経営をゆだねるリスクを指摘してきました.)

■子育て 箱根町は子育てシェアタウン事業 スマホを活用しながら子育て世代同士が連係して隣近所さらには高齢者老人会まで巻き込んで子育てをしていこうとしている。子ども相談センターは立ちあげたが保健師など人員体制はウンと困っている。

保健師や保育士技術士、電機など技術部門の人がなかなか集まらない。保育士が一番顕著。幼保の合同保育に取り組んでいるが…ぜひ箱根町で保育をしたいという保育士さんがたくさんいたが、都会の方が給料が高い。世田谷と初任給で20%違う。地域手当という制度がある限り横浜も16%、基本給も違う、それが公務だけの話では済まない。全体が都会へ都会へと集まってしまう。箱根は保育士給料をあげた。

県との人材交流は進んでいる、市町村が現場だが現場に人がいない今年は保健師が来ている。税や下水道などいろいろな形で交流している。

■高齢化 高齢化率は38% 人口は右肩下がりが緩やかになった。芦ノ湖の辺りは家族介護が多い。介護サービスの関係は町内の事業所だけでは足りないし、撤退してしまった事業所もあって苦労している。地域が偏在してしまって訪問介護も時間がかかるのでなかなか難しい。介護も人材不足。ケアマネを雇ったところには年間100万円を出している、介護事業所で働く職員は入浴券を出している。

◉とにかく人材確保を。

■コロナの影響 

財政力指数を持ち出されてしまうがコロナの交付金もありましたがああいうのもああいうのさえ財政力指数でやっているがそれはないでしょう コロナの影響をもろにうけてしまう産業構造。相当基金を取り崩したがいざ交付金が来る段になると財政力指数が問われてしまう。コロナ対策は箱根が一番使っている。海老名などは交付金が余って積み立てているという。箱根がつぶれると周りもつぶれるよ。災害なのだから、何をしたかを見て交付金をくれればいいのに。

インバウンドが増えてもお土産屋さんには来ない。ネットで買ってしまうし、中高年のお客さんが来てくれればと思う。

■災害 治山治水は神奈川県はよくやってくれている。県の土木の応援もよくやってくれていた 一日で1000ミリ降っても。台風19号の災害復旧は砂防堰堤であって町の中の治山治水はよくやってくれている。水害の関係で言えば芦ノ湖の水利権の問題で水門の開け閉め問題があったが事前放流の時間を長くしていただいた。

■再エネ省エネ 省エネペットボトルの水平リサイクル 町とサントリーとDMOが連携協定を組んでホテル旅館に参加してもらって進めている 旅館ホテルもストローを木製に変えたりアメニティを廃止したり、使わなかった分だけ町に寄附してくれる

外国の方が観光地を選ぶのにSDGSの取組をしていることが大事。国立公園なので風力発電とか設置できない 温泉の地熱 余熱で蒸気と地下水と一緒にして温泉を醸成している 残りの数パーセントで発電という本格稼働。

■教員不足 小中学校が連係して専科の先生が教えている。そういう連携はしている。部活の地域移行は、そのものが団体競技だとできない。星槎学園が協力してくれている。部活タクシーがある。

◉県には県道全部に渡って枝が張り出しているものを整備してほしい、町の植木屋さんをたくさん使ってほしい かつては全体を年に二回くらいやってくれていた。駅伝のころは大きい枝がきれいになっているが…枝が危なくてサイクリング渋滞も招いている

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部活タクシーのことは知りませんでした。どういう仕組みかは詳しく聞かないとわかりませんがHPで見る限りは比較的安価で乗り合いで部活先まで運んでくれる仕組みのようで部活の地域移行を受け全国で用いられているようです。

エネルギーについて経産省の再エネポテンシャル地図では箱根は地熱の可能性が高かったのですが、温泉の枯渇という危惧があるというのは思い至りませんでした。その代わりに余熱を活用する仕組みが構築されているというのは心強いものでした。。

町長の言葉の中でかっこよかったのが「国立公園を守り育てるのは町民の義務だと思っている」さすが世界の箱根を預かる立場の方の声。観光客にも地元住民にも暮らしやすい町であるために県のチカラを発揮していもらいましょう。

思えば議員になる前、県会候補者だった時代に箱根の豪雪があり、箱根の幹線道路がいつまでたっても除雪されない課題を山田町議から聞き、県委員会として県の県土整備局に早期の除雪を要請しに行ったのが、政治的に?箱根と向き合ったはじめだったと思います。「そんなこと言われてもむりなんですよっっ!」担当職員のイライラした顔を思い出します。当時は松沢知事がどんどん県職員を削減していた時代。人口当たりの県職員は全国最低でした。(県の投資家向け資料には職員の指数が1位になっていて驚きました。人件費を削っている自慢だそうです。)「人材が足りないことは私たちも理解しております。皆さんのお仕事しやすい環境をつくるために私たちも頑張りますから」とお話して相手の表情が和らいだ経験をしています。黒岩知事もこれ以上削りようがないと言わざるを得なかった公務員削減。私たちが議会で繰り返し追求し少し鈍化しましたが今も全国一。情けないことです。

観光地として抜群に楽しい箱根、議員としても何度も足を運んだおもいいれ深い箱根でお話を聞けて良かったです。翌日に備えた宿泊は『かっぱ天国」さん。階段の多い、その分みはらしのよさが印象的。おいしいご飯にいいお湯でした

この夜、近くの温泉宿で火災が発生してしまったのですが、翌日には二人の町議は現場を訪ねて、防火水の不足や指揮系統の課題を把握し、議会に諮って改善を求めるとのこと。さすが尊敬する町議、仕事が早いと思いました。


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