大山奈々子
大山奈々子大山奈々子

外国人学校視察 中華学園とインターナショナルスクール

ブログコメント4

勉強になりました。

9月議会では外国人学校の補助金問題を多文化共生の立場から取り上げて質問しようと考えています。そこで、先日の朝鮮学校に次いで中華学園とインターナショナルスクールを訪ねました。時間が空いたことに気づいた朝に突然お電話して対応していただいた学校のみなさまには感謝いたします。

北朝鮮の政治問題を口実に経常費補助金を削減し、その後学費補助の形に変えた2014年に県内の外国人学校はすべからく経常費補助金が打ち切られ、生徒への学費補助に変わることになりました。(移行の時期は朝鮮学校の場合は選ぶ余地はなかったのですが、その他の学校は段階的に、選択肢がありました。)

中華学校は石川町駅前に偉容を誇る立派な建物。2010年に移築されたばかりだといいます。バリアフリーで大きな吹き抜けがあり、幼稚園から小中高までそろっています。ビル街のなかだからと校舎の中に大きな吹き抜けが設けられ、ゆったりしたつくりでした。幼稚園は子ども子育て新制度にのっとって幼保一元型の子ども園になり、放課後の子どもの居場所として学童保育まであるといいます。中国民族の社会がここに凝縮されていることに驚きました。入学希望者はどんどん増えていますが、一クラス最高でも35人にしているということ、この学校の環境を評価し、国際感覚を身につけるために日本人の入学希望もあるというのがわかる気がします。

「こういう建物をみると、生徒さんはお金持ちの子たちばかりなのかなと思えますが」と正直に申し上げたところ、「そう思われがちですが、この建物はこの100年間の華僑の蓄財が結実したものです。この学校をささえるために私財を提供し、あるいは無償のボランティアでささえられている部分があります」「経常費補助の削減はどんな影響がありますか」「学費補助にしていただいたのは助かりますが、経営は大変です。今年になって学費値上げに踏み切りました。」すべての学年で月約3万円強だった学費が月々9千円もプラスになったそうです。「儲けるためにやっている学校ではないので本当に値上げはしたくなかったのですが」

IMG_2224へんIMG_2223henここをぜひと見せていただいたのは民族について学ぶ教室。青銅器などの工・民芸品や書簡・詩画などが展示され、中国式の手芸や書道など文化に親しむ部屋です。  IMG_2221写真の精巧な窓も木でつくられています。学校の中に美術館や博物館のような空間があるわけです。自国の文化を子どもたちに伝えたいという思いがひしひしと伝わってきました。こんな学校で育ったら本当に自分たちが大事にされているという感じが持てるだろうなと。日本の子どもに欠けているのは自尊感情だといいますから羨ましい限りでした。 IMG_2225

低学年の階からはすべり台式の避難路が下に伸びていました。

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中国語と日本語で研究発表されています。

この学校は地域の避難場所としても指定され、備蓄品もあります。体育館は地域住民にも開放され、地域に根差した学校となっています。この学校を出た子たちも多くは日本社会の中で生きていきます。入学希望者が増えており、その場合は収入や成績で選別するのかと伺うと、抽選するそうです。誰をも受け入れる姿勢が見えました。

次に訪れたインターナショナル校は写真を撮り損ねましたが、ここもまたマイノリティが学ぶ学校だからこそそれぞれの宗教や文化を受け止めているとおっしゃっていました。豚肉がダメな子、牛肉がダメな子、水泳などで肌を見せられない子。みんなありのままでうけいれるのだといいます。20か国もの子たちが学ぶからこそ一クラスは20名まで。丁寧な指導がされています。南米の子たちは日本の学校では適応が難しい現状があるとおっしゃっていました。この学校のグラウンドは地域の盆踊りに提供しているそうです。

私たちが訪れた学校は、いろいろな国の人々を支える故郷であり、国際都市神奈川を構成する貴重な場所だと実感しました。アースフェスタなどにも協力されていて、日本の社会を形成する大切な学校だと思えました。

どの子の保護者も日本国民と同じ基準で納税しています。国籍が違うから、学校の種別が違うからと県のサポートに違いをつける政策は改めなければならないと強く感じました。

 


コメント

  1. 浜島 健より

    まさに国際都市神奈川ですね。現役時代後半の15年余を海老名に在住していたころは横浜にもときどどき出かけましたが、山下公園・中華街か伊勢佐木、横浜スタジアムぐらいしか知りません。中華学校は日本人の入学希望者も増えていることを前に新聞で読み、どんな点が魅力なのだろうと思ったことがありました。今回の視察を生かした9月県議会での質問を楽しみにしています。

  2. 大山奈々子より

    浜島さん

    そうでしたか。この間、どの外国人学校を訪れても40人も押し込んでいるところはなかったので日本の教育行政の貧困があぶりだされた思いです。

    9月議会、頑張ります。

  3. 菅原正男より

    大山さん 幅の広い活動を去れているんですね。
     頭が下がります。私も9月の議会報告楽しみにしております。

  4. 大山奈々子より

    菅原さん

    勉強しないといけないことが山ほどありますね。私は好奇心のかたまりなので楽しいですけれど(笑)

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