自治体学校で宇都宮健児さんの話に感動☆
神奈川自治体学校←があって参加しました。
午前中は弁護士の宇都宮健児さんの講演。
講演というものは、通常、自慢するほどの記憶力もない私にとっては、ひとつかふたつ深く心に残るものがあれば満足、というスタンスで臨んでいます。ところがこの7日の自治体学校の記念講演、「憲法を生かし、平和と人権を守る自治体をつくるために」は、大変示唆に富んだ内容で、平和と人権を守る自治体をつくるために力を尽くしたいと思っている私にとっては大変に有意義なお話でした。宇都宮健児さん、ありがとうございます。
思い出せるだけを列挙します。
まずサラ金に悩む人々の救済に力を尽くしてきた宇都宮さんらしく、若者の経済的窮状を訴えておられました、非正規雇用が4割を越えた。北海道や東北では正社員というと自衛隊しかないというような事態になってきている。そんな中で学生時代に借りた奨学金を返せない若者が多発している。以前は武富士やアコムという金融業者が原告となって債務者を訴える裁判が多かったが、今は日本学生支援機構(元日本育英会)が返せない若者を訴える例が多い。10年で100倍になっている。(人々を苦しめるのは)「昔サラ金今奨学金」だ。返さなければいけないものは英語では奨学金といわず、ローンという。教育ローンではなく奨学金が必要だ。
(そして若者を貧困に陥れて経済的徴兵制へと送り込むことへの懸念が語られました。)
ソウル市で2011年に市長選を勝ち抜いた市長は、非正規雇用を正規雇用に転じること、ソウル市立大学の学費を半額にする、等の政策をかかげて当選。数千人の職員の正規化を実現している。うち半数は清掃従事者だ。私はあなたがたを正規にするといった公約を忘れていないよと初登庁のとき朝4時起きで清掃のみなさんとともにゴミ出しをして寄り添う姿勢をアピール。
そして市の予算一般会計で約2兆円の4分の1にあたる50億円は市民参加で予算を練る。予算案を視聴者に貼り出し、老人クラブを作って、などの市民要求を反映させる。この市民参加の予算作成は大変に評判がよく、その枠をもっと増やそうをいう声が出ている。
市長を支えるのは草の根の強固な市民活動団体。ソウル市がそうすると国ににらまれないかというフロアからの質問に「むしろ朴権惠大統領も福祉を厚くしなければと変わってきている」この話にはみな元気づけられました。
また、議会に対する市民の目の必要性も語られました。ソウル市長をささえる団体(参与連帯)は議員の議会での発言をチェックし、議員にしておいてはいけないという議員たちは落選運動をする。この方たちが標的にした議員は9割が落とされている。これは本当に自らも試されますが、各議会をぜひ厳しく監視していただきたいと思っているので激しく同感でした。
また、日本の運動の弱さとして、自分たちの望みがかなえば終わってしまいがちだけれど、司法をチェックするということを忘れないでほしいと。裁判官の仕事を監視するような体制ができてしかるべきという主旨の発言がありました。
また、国民連合政府構想にかんしては「似た集団が力を合わせると≪和≫になるけれど、異なる集団が力を合わせると≪積≫になる」という格言を紹介してくださいました。楽しみなことです。宇都宮さんの素晴らしいお話のほんの一部しかご紹介できませんでしたが、次回お話を聞く機会があれば万難を排して参加したいと思ったものでした。
午後の分科会は子育て教育の分野に参加しました。中央児童相談所で務めていた方、フリースクールの立ち上げから関わった方など、子どもに必要な人との関わりを語っていただき、心温まる思いになりつつ現実の子どもをむしばむ教育政策に心が冷えたりというそんな一日でした。頑張らねば。
コメント
神奈川自治体学校私は所用で宇都宮さんのご講演は残案ながら聞くことで出来ませんでした。今回の大山さんのブログでも素晴らしい内容だったとあらためて認識しました。
そうですね。非正規労働者私も従来約4割といってはいましたが従来の調査では38%等で切り上げて4割でしたが11/4発表の厚労省の調査で初めて4割(40.0%)を超えました。
それに関連し貧困化の問題は深刻です。若者、女性及び高齢者も貧困化の問題は深刻です。私はこれでは「1億総活躍」どころか「1億総貧困化」になると考えます。昨今の「労働者派遣法」(永久派遣法、正社員ゼロ法)の改悪の影響も今後更に数値を悪化させるものと思います。因みに非正規労働者の月収20万円未満は約8割。男性で約6割。女性では約9割といいます。
今般(11/9)、厚労省が「ブラックバイト」について初の調査を発表しました。学生の6割が何らかの労務トラブルがあったことが判明しました。私は「ブラックバイト」や「ブラック企業」問題で周囲は単に「退職すれば」と考えますが、当の本人たる学生であれば親の貧困、また若年労働者であれば「奨学金返済」が重くのしかかって単純に退職できない背景があると考えます。この貧困問題は奥が深く社会全体で是正すべき課題だと考えます。
さて神奈川自治体学校、私は午後のくらし分科会「マイナンバー制度を考える」に参加しました。僭越ながら短時間ながらお話しさせて頂きました。まだ横浜市では「通知カード」(紙ベース)が届いてないと思います。届いた際にはこの「通知カード」だけ保管しておけば充分です。間違っても「個人番号カード」(ICチップ入り:プラスティック製)の申請はやめましょう。来年以降「個人番号カード」の申請に区役所等へ出向くと「顔認証」(写真を撮られる)を撮られることが判明しました。この「顔認証」を拒否すると「個人番号カード」はもらえないようです。なおかつ「申請書」の顔写真は地方公共団体情報システム機構によって、向こう15年間にわたってデジタル化された情報として保存されることが判明しました。これは条文や省令に記載してないことです。これも大問題ですが私はこのような危険極まりない「個人番号カード」の申請はやめましょうと訴えます。
宇都宮さんの講演のポイントもさることながら、この講演内容に「激しく同感」された大山奈々子さんのレポートにも感動しました。
鈴木さん
顔認証??なるほど。恐ろしい話です。
このブログからも注意喚起せねばなりませんね。
労働の問題はおっしゃるような情勢を受けて君嶋県議が労働省でばちっと今の労働行政のひどさを指摘しました。
浜島さん
ありがとうございます。
本当に語りつくせていないんですが。
もう一つ思い出しました。
小泉政権で毎年2200億の社会保障削減がされたけれど、安倍政権は2018年までに社会保障の伸びを1兆5千億円までに抑制しようと決められた。一年で5千億どまりということは自然増を考えて毎年3千億から5千億の削減になる。小泉以下だ。という事実。ふう。